●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●価格で買うな、価値を買え<1>。

趣味のアマチュア無線を例に『何を買うか』について考えてみたい。これは、単に『私の趣味趣向』に限った話ではなく『あなたの消費行動は?』についての投げかけでもあると考えて頂ければ嬉しい限り。


【写真:この無線機だって、価格ではなく価値で購入した】
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◆モノを買うな。体験を買え。
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私の知人で『オートバイのプロショップ』がいる。
 
YAMAHA・SR-400などの『マニア向けオートバイ専門ショップ』だ。
この店主、かなりの頑固者で『ときどき、白目をむいてしまうこと』もある。
それだけ『この人のフツーって・・・』を考えさせられる人だ。
 
オートバイのプロショップは、オートバイだけを売っていない。
 
何が言いたいか。
『オートバイのあるライフスタイル』を売っている。
オートバイを操る楽しさを含めて、
時には、お客さんを集めて『ツーリング』を企画して、
みんなで走りに行くなど『楽しみ産業』をやっている。
 
ダイビングショップの知人も、そうだ。
 
ダイビング用品を売っているだけじゃない。
今は、新コロ騒動下なので延期続きだが、
定期的に『沖縄へ潜りに行こう』というダイビングのツアーもやっている。
 
また、私が懇意にしているハムショップも、同じ。
 
新製品がリリースされれば『試聴会』を企画したり、
売ったアマチュア無線機で『こんな楽しみがあるよ』と、
店頭で、実機を触らせてくれたり、お客さんは自分の無線機を持ち込み、
店主にセッティングのサポートを受けたりと、いつも賑わっている。
 
大阪では、そういう無線のプロショップが、ない。
 
・小物はA通販で買う
・長尺モノのアンテナは、日本橋のB無線で買う
・値が張る無線機は、岐阜のC店の通販サイトから買う
 
一見『賢い買い方』にも映るが『価格』優先で『価値』は後回し。
 
トヨタを買っておけば安心
・ルイヴィトンを買っておけば安心
・無線機もICOMアイコム)を買っておけば安心
 
購入に、大した根拠もない。それが、おおかたのユーザーで長続きしない。
 
確かに、同じ無線機の機種でも『私の方が高く買っているかも』と思う。
だが、相見積もりなど、知られたら『失礼』なこともやらないし、
不義理をしないからこそ『ええ出物あるで』と優先的に連絡をもらえたり。
 
高い価格には『遊び方の授業料』まで含まれている。
 
実際、じゃあ高く買っているのかな・・・と他店価格を調べてみたら、
意外と『安く売ってもらったなぁ』ということもあるし、
決して高い買い物をした、と感じたことなど一度もない。
 
店主は『大事に使いや』と、飽きるまでフォローしてくれる。
 
・このお客は、何ができるか(資格も含め)
・このお客は、何がしたいか
・このお客が『やりたいこと』を実現するには
 
常に、お客のことを考えて接客されている。
 


昨年末に『トレンドのFT8をやってみたら?』とDMが届いた。
 
このDM、一般のお年玉付き年賀状を使い『年賀』の文字を消して、
年末に送ってくる、一見すれば無線機の売り込みDMだが、
そこここに、ユーザーには『刺さるキャッチコピー』がちりばめられている。
 
私は『年末の挨拶を兼ね、立ち寄ってみるかな』と吸い寄せられた。
 
 
単に無線機とPCをつないで、
海外や国内のアマチュア無線家と交信するだけのコトなのだが、
実際にやってみると『次から次へと「疑問」が出てくる』。
 
すると『これ、試してみたら?』と、解決策が出てくるのだ。
 
・価格で買うのも勝手
・価値で買う方が、結果としてお得
 
こういうことを言うと『食事だっていつも同じ店にいかないよね』だの、
ヘンテコなコメントをもらうことになるのだが、
食事って、飲食店自体が『装置産業じゃないのか?』と切り返す。
 
無線という『ちょっと職人気質&文化的な遊び』が装置産業にはならない。
 
・食事は摂らないと生きられない、生活必需品
・無線はやらなくても生きていける、ぜいたく品
 
この『違い』が『明確化』できないと、
無線機器の購入も『スーパーのはしご』と本質が同じような買い方をする。
そんな、買い方って『楽しい』でしょうかね。
 
・ハードを売る・・・ほとんどの店
・ソフトも売る・・・長く付き合える店
 
要は物売りではダメだってこと。こんなの何十年前から不変だ。
 
かつては『町の電気屋さん』が活躍していた。
そこに『家電量販店』が登場し、
価格競争では家電量販店が勝ってしまう。価格では・・・。
 
今は、品物の数も、情報も、多すぎて『自分で判断できない』。
 
すると、ユーザーが『こんな風に遊んでいます』という動画が流行る。
動画の効果は絶大だが『制作者の主観で作られている』のが見抜きにくい。
何度も見ていると『洗脳』されてしまう。
 
無線動画を定期的にアップロードすると『信者』が増える。
 
・ジャパンネットたかた式の動画
・欲しくなったらどこで買うか
・やはり、動画クリエイターが買っている店で買う
 
クリエイターの勝ちだが、クリエイターの主観的な価値しか伝わっていない。
 
結果として『同じようなスペックの無線機ばかりが増え部屋を狭くする』。
部屋だけで済めばいいが『思考も、初心者の域で止まって視野が狭くなる』。
そんな人に限って『広く浅く楽しみたい』とかいう。
 
細く長く、どう楽しむか・・・ここは『ソフト』を持たないと、無理。
 
私も視野が狭いが『狭く深く楽しむ』と『細く長く続く』のを知っている。
となれば『遊び方=ソフト』をもっているか、に尽きる。
偏った動画サイトに傾倒され『そのカルチャーに染まる』と、
なかなか『本質』に迫るには『かなりの遠回り』を強いられる。
 
・価格で買うのか
・価値で買うのか
 
売店も『価格』で売るのか『価値』まで売るのか。
 
多くのハムショップは『価値』を伝えられず、
自転車操業と化す『通販』に力を入れてしまう。
通販の場合は『即日発送』しないとヨソに移られてしまう。
だから『豊富な在庫!、どこよりも安く!』を標ぼうする羽目に。
 
ホビー産業は『夢を売る商売』だ。
 
アマチュア無線は『自分の電波が海外まで飛んでいく』という楽しみがあり、
交信したら『おしまい』ではなく、
そこから『何を組み立てていくか』という、ソフトの面が大きい。
 
売店は価格ではなく、モノではなく『価値』を売ってほしい。
 
だが、その価値を示そうとしたら『自ら運用して』でなければ提案できない。
そんなこともわからない販売店は『終わりのない価格競争』を続ける。
価格だけで買っているユーザーも『終わりのないコレクション』を続ける。
 
ここに、アマチュア無線が衰退している原因のひとつが見え隠れするのだ。
 
・価格で買うな
・価値で買え
 
 
いい歳こいだオッサンを夢中にさせるプロショップ、一体何なんだろうか。
 
▲eQSLで頂いたUSAのNJ7G局(40mb・FT8でのQSO
 
紙のQSLカードは発行しないとか、仰々しく言っている局も多いですが、
では、自力でeQSLを発行できるのでしょうか・・・?。
私は、これも周囲のサポートがあって実現しました。
 
HAM-LOGやLoTW、まだまだ勉強不足で教える立場にありませーん。

今日も読んでもらって、毎度おおきに!!
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※記事は、表現と言論の自由に則ったエッセイで、
 公人を除き、登場する個人・団体名は全て架空のものです。
※時事問題については、筆者個人の考えです。
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#消費税ゼロ #アマチュア無線 #FT8










































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