●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●教育体系化されていないCW(モールス)の考察。

CW(電信・モールス通信)の勉強を重ねていますが、『どうやら教育体系化されていないなぁ』と感じます。私は、別の趣味で『韓国文化に触れるコト』をやっていますが、そのために『ハングル講座のステップアップコース』にチャレンジし始めて『そうか、CWが「根性論」になっているのは、そーゆ―コトなのね』と感じはじめています。

【写真:語学学習のノーハウをCWに取り入れたら、もっとラクになります】
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◆符号を覚えて、資格を取っても『運用できない』ワケ。
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私たちは、中・高校で6年間、人によっては大学でも英文科だとか『おおかた10年』も英語を勉強しても『ほとんど話せる人がいない』ことに『なんでだ?』と、昔から大いに疑問を感じていました。

 

1,英語読解

2,英文法

3,英作文

4,英語の聞き取り

 

学校で習う英語学習は『おおかた、こんなもん』です。

 

中には選択科目で『英会話』を取った人や、大学や短大で英文科に進んだ人は、英語劇をやったり『英語を話すための教育』を受けているので、私らからみたら『けっこう、英語を話せる人がいる』ことに気づきました。

 

日本人が英語を話せない理由のひとつに・・・

 

敗戦後に日本の公用語で英語を採用しなかった、GHQの判断という諸説もあります。

 

さて、電信を『使い物』にするためには、多くの方が『受信練習』を挙げていらっしぃます。まぁ、確かに『相手がわからないとコミュニケーションにならないのだから、当然と言えば当然』でしょう。私は『何を当たり前のことを言ってんだ?』と感じます。

 

もちろん、アマチュア無線のモールス通信では『相手のコールサイン』や『向こうから送ってくれるRSTレポート』が『聞き取れない』ことには交信が成立しない、という『絶対的な受信スキルの壁』も存在します。

 

ならば『解読器』を使ったらいいじゃん、という声も聞きます。

 

確かに、専用解読器(例:GHD社製とか)も『補助輪』としてはかなり有用ではありますが、液晶画面が小さすぎることと、7MHz帯などの不安定な通信環境、相手局のクセなどを勘案すると『解読率は30%程度』ともいえます。実際の使い道としては『多少、不安なときに助けてくれる「補助輪」』のようなものです。

 

私は、CW-49という解読器も持っていますが、あまり使わなくなりました。
※旧式の無線機にエレキーヤーがついていないので、
 外付けエレキーヤー&自分が打つ電文の確認には使用しています。

 

現在は『Digital SoundCW』という『フリーソフト』をダウンロードして、PCにインストールして使うようになりました。これでも、7MHz帯のようなQSB(フェージング)を伴う不安定な伝搬状況では、解析率も50%くらいのときもありますが、使ってみた印象としては『解読器より、フリーソフトの方がマシ』と感じています。

 

PC解析できない相手局・・・ならば『呼ばなかったら済む』だけです。

 

PC解析の場合、画面が広いのと、ソフトが動いている間は『さかのぼって解析結果が見られる』のが、受信に対するストレスを『相当、減らしてくれた』のです。もちろん、こんなものを使わずに『自分の頭で暗記受信ができれば、それに勝るものはない』のですが、そんなものは『ずっと先の話し』でしょう。

 

1,相手のコールサインもPCに解析させる

2,相手から送られてくるRSTレポートも、PCに解析させる

3,相手から送られてくる、名前、運用地、その他の情報もPCに解析させる

 

とにかく『受信のストレス』を、一旦、すべて取り払っています。

 

日本人は『書かれたものを読む』のは得意です。私の場合、PC画面を見ながら『相手の電文』を目で見て理解するところから始めました。しつこいですが、PCが解析できない場合、コンディションガ不安定だったり『クセの強い(良く言えば『個性的な符号』)の局は、今回は呼ばずに自力で理解できてからでも、何も遅くない。ご縁がなかった・・・それだけのこと』と考えています。いつまでも後ろを振り返っても仕方がないでしょう。

 

前述の通り、日本人のほとんどが英語を話せないのは『スピーキングをやっていないから、英語が話せないのは当然』だと考えています。実際のところ『道すら聞けない』という『ていたらく』に満足しきっています。それもそのはず、日本に住んでいたら『日本語で何不自由しない』のですから、特段、英語が話せなくても『困ることすらない』のです。

 

CWで尻込みしてしまうのは『相手の送信内容が理解できるか不安』という面と『うまく送信できるかが不安』、大きくはこの2つに絞れます。

 

1,相手の送信内容が理解できるか、不安・・・

2,うまく送信できるか、不安・・・

 

ならば、受信は『別途、時間を取って練習するとして』でいいと思います。私の場合は『文字の横に電信符号を「いちいち書いて」、符号をなぞりながら送信する』という『邪道』な手法で、CWの世界に飛び込みました。

 

ここで得られたのは『送信回数を重ねたら、送信には自信が付く』ことです。

 

送信と受信は『全く異なる別の作業』です。(運用は同時進行ですが)

 

普通の語学学習は『テキスト』があります。

たいてい、そのテキストを『朗読』してくれるプログラムがあります。

ラジオの語学講座は、必ず『Lesson』のページを読んでくれます。

そして、必ず『声に出して、みなさんも読んでみてください』といいます。

音読を繰り返せば、テキストの1~2ページは『丸覚え』してしまいます。私は、中学・高校時代に『勉強しているふり』をするために『音読』をやっていました。これで、親から『勉強しなさい』と言われなくなり、さらに学校の定期考査(つまり中間・期末テスト)でも、文法はNGとしても60点くらいは楽勝で取れました。CWの交信でも、だいたい『同じフレーズ』ばかりの繰り返しです。言いかえれば『ほぼ、ワンパターン』です。ときどき想定外のことも起きますが『わからない』を伝えれば、先方もあきらめてくれます。いちいち、先方も『こいつはバカだ』とも思いませんし、こちらも『まだまだ修行が足りないのだな』と、新たな課題が見えてくるだけです。くよくよ悩む必要など『どこにもない』と思います。

 

話しを戻します。私は、音読法をCW運用に『応用』してみたのです。

 

自称、筆不精という方は『いちいち書くのが面倒くさい』とか言います。私は、元々コピーライターのようなこともやっていたので『さほど苦にならない』のです。そもそも、電信なんてのは『電報の電信手なのだから、送信電文を作って、打鍵するのが「何が悪い?」』と思っています。

 

3か月ほど和文CWのロールコールに毎週参加しました。

 

毎度毎度、送信電文を作って運用すると、『なんだ、いつも同じことばかり打っているし、他の局も似たようなものだな』ということが見えてきました。例えば『〇〇サン コンバンハ コンヤモ ヨロシクオネガイシマス 599アリガトウゴザイマス コチラカラモ オナジク 599 デス<中略>ソレデハ コレニテシツレイシマス ライシュウモ ヨロシク オネガイシマス アリガトウゴザイマシタ オヤスミナサイ サヨウナラ・・・』

 

不思議なことに、同じことを繰り返していたら、相手のフレーズもわかってくるようになりました。特別な受信練習もやらず『〇〇サン コンバンハ』のフレーズもテンポ、リズムも『真似』から入った結果『案外、いけるやん』というところまでたどり着きました。もっとも、想定外の平文は、まだまだPC解析頼みになりますが、たった3か月でも『この程度の和文交信ができるようになった』のですから、我ながら『人間の能力って、すごいな』と感じています。

 

CW習得法・・・一考する余地があるように感じますねぇ、私は。

 

まずは『その分野に飛び込んで、そこで「どんな言葉が使われているのか」』を『知る』ことこそ『その分野のカルチャーに触れられる』と考えています。語学学習をやった経験のある方なら『自分が身につけた語学の成果を試してみたい。通じるかどうかやってみたい。できれば、その言語を使っている国へ行って言葉のみならず「文化」に触れてみたい』と思うはずです。

 

言葉、単語・・・その見えない奥に『必ず文化がある』のです。

 

CWの欧文で『HNY』という略語がありました。
これは『A Happy New Year』の省略形で、

HNYの3文字だけで『シンネンアケマシテオメデトウゴザイマス』が表現でき、さらに『HNY OM』と『OM』を付け加えると『先輩』あるいは、もっと敬った『敬称』にもなります。これは、新年の『このタイミング』にCWで運用しないと耳にすることもありません。

 

尻込みして、仲間内での交信しかしていないとHNYに触れることもなかったでしょう。

 

異論、批判も覚悟で申し上げるならば『最初は「受信:2/送信:8」くらいの比率で『CWに飛び込んでいく』くらい、見切り発車でも『やらないよりマシ』です。

 

1,まず、相手のコールサインを確実に取れる(PC使用も可)

2,さらに、相手が送ってくるRST、名前、運用地も確実に取れる(PC使用も可)

3,用意した送信電文原稿を見て、予め書いておいた符号をなぞりながら送信する

 

よく、『CWは、符号をなぞるのではない。リズムとテンポだ』と耳にします。しかし、それは『一定の交信数をこなした人』に言う話で、これからCWに入ろうかという人には『そんな面倒くさい時代遅れな通信方法なら、やめておこう』と、せっかく関心を持った『将来のCWer』を潰しにかかっています。

 

OM各氏に言いたいのは『言いたいことはわかっています。それができるレベルまで、カンニングも認めてちょうだい』です。

 

英会話ができないのは、スピーキングをやっていないから、です。

CWの通信ができないのは、何を送信していいか、わかっていないから、です。

向こうが何を打ち込んできたのかを『一旦はPCにやらせて脳みそを休ませる』。そして一連のCWでの『交信を成立させる、成功体験を積ませること』こそが、大事ではないでしょうか。

 

CW達人も『英語、話せますか?』

 

私の知っているCWerの65%は『phoneで英語の交信』すら嫌がります。

要はスピーキングをやっていないから、英語の交信は『ためらう』のです。また、韓国ドラマが好きな人も多いと思いますが、かといって『字幕』をみて『わかったつもり』になっているだけの人の多いこと多いこと。

 

韓国語のワンセンテンスでも、真似してしゃべればいかがでしょうか。

 

真似してしゃべるのを『シャドーイング』といい、語学学習では『あたりまえ』に導入されています。通い型の習い事だと『先生のお手本を見聞きして、そのとおりやれる、話せる、弾けるように練習をする』ということが、意外とCWの世界で言われないことに『不思議さ』を感じます。

 

受信も送信も、いっぺんに上手くなるかいっ!、と私は実感します。

 

外国語を習得するとき、やはり『聞く』『話す』のどちらかが先行してしまうものです。たいていは『自分が言いたいことが伝わればいい』のですから、話すが先行してしまうのは『普通のコト』です。

 

過去の努力が、今の栄光・・・気持ちはわかります。

 

しかし、教育体系化されていない『根性論』では『ドロップアウト』、つまり『落ちこぼれてしまう』人が出て当然といえるでしょう。そうなれば、もう『仲間内で盛り上がる』だけで、ここには『人間関係』という『ややこしい世界』が待っています。つまり『そのうち、嫌気が差して去っていく』という『落とし穴』が潜んでいます。

 

CWも語学習得と捉えれば、先行している語学分野から『学ぶ、教育体系』を取り入れるべきではないでしょうか。さらにいえば、アマチュア無線全般にも、長続きするための体系化を『もっと明確に打ち出すこと』が必須で喫緊の課題です。

 

1,AWARDやコンテストなどで生涯かけてタイトルを取っていく

2,自作、実験

3,電信電話ごっこ

 

この3つくらいしか、実のところはありません。

 

よく『上級資格を取るのは教育体系があるじゃないか』と聞きます。

しかし、上級資格を取ると言っても『今や2級までは買える時代』です。講習会制度が拡充され『ほとんど自動車教習所みたいなもん』になりました。極論すれば『金でマウントを取る』という話と変わりません。

 

オートバイの分野でも『排気量マウント』があります。

 

400ccまでの中型二輪より、限定解除大型二輪の方が『偉い』のような。

あるいは、125ccと250ccでも『原付二種との違い』を強調されることもあります。昔、380ccの『GTサンパチ』と、400ccでは『たった20ccの差』でマウントを取られて悔しがっている友人がいました。

 

私は欲しいAWARDのタイトル獲得のために必要なら上級もいる、と思います。

 

しかし、現実は『相対比較』に終始して『大した意味がない議論だな』と感じます。もちろん『切れるパイが増えたら楽しい』ですが。

 

せっかく取得した趣味の免許。どうやって生涯楽しむか。これが大事と考えて、本日の着地点としましょう。

 

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※記事は、表現と言論の自由に則ったエッセイで、
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