●OTA(On The Air)

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●電通社員の過労自殺に思う。

電通社員が過労自殺し労災認定され、厚生労働省(東京労働局)の抜き打ち臨店調査(本社・大阪・京都)が入ったのは報道のとおりだ(全拠点に臨店調査が入る)。当面は報道されるだろうが、昼間の『奥様番組』で大々的に取り扱うようになるのか注目している。なぜなら、テレビ局にとって電通は『大取引先』で、あんまり派手に調子に乗ってコメンテーターに『けしからんですなぁ』とか言わせれば『CMを止めるぞ』とやりかねない。電通に限らず、広告屋というのは、媒体社よりも常に優位で、極論すれば五輪中継枠までも握っている。NHK電通には頭が上がらないのが実情だ。



【写真:過労自殺するくらいなら、辞めて次の道を考えればいいのに】


過労自殺した家族が『命より重い仕事なんてない』とコメントした。


まったくそのとおりである。
東京大学を卒業し、
広告最大手の電通に入社。


エリートコースだ。


周囲にはエリートコースに見えても、
中に入れば『目的を達成するためには手段を選ばない会社』である。
周囲も中身もわからずネームバリューだけで、
『せっかくいい会社に入ったのだから・・・』と、
プレッシャーをかけていなかったか?


周囲の意見など聞く必要などない。自分の頭で考えたら答えは出る。


電通鬼十則』をご存知だろうか。

 1、仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
 2、仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、
   受け身でやるものではない。
 3、大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
 4、難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
 5、取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
 6、周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、
   永い間に天地のひらきができる。
 7、計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、
   そして正しい努力と希望が生まれる。
 8、自信を持て、自信がないから君の仕事には、
   迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
 9、頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、
   サービスとはそのようなものだ。
10、摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、
   でないと君は卑屈未練になる。


取り組んだら離すな、死んでも離すな・・・が電通の社風だ。


単体では世界最大の広告代理店である『電通』には、
4代目社長吉田秀雄によって1951年に作られた電通社員、
通称『電通マン』の行動規範ともいえる、
鬼十則』と呼ばれる非常に有名な言葉がある。
上記は、それを列記したものだ。


◆その逆バージョンの電通裏十則』というものもある。


 1、仕事は自ら創るな。みんなでつぶされる。
 2、仕事は先手先手と働きかけていくな。疲れるだけだ。
 3、大きな仕事と取り組むな。大きな仕事は己に責任ばかりふりかかる。
 4、難しい仕事を狙うな。これを成し遂げようとしても誰も助けてくれない。
 5、取り組んだらすぐ放せ。馬鹿にされても放せ、火傷をする前に…。
 6、周囲を引きずり回すな。引きずっている間に、
   いつの間にか皆の鼻つまみ者になる。
 7、計画を持つな。長期の計画を持つと、怒りと苛立ちと、
   そして空しい失望と倦怠が生まれる。
 8、自信を持つな。自信を持つから君の仕事は煙たがられ嫌がられ、
   そしてついには誰からも相手にされなくなる。
 9、頭は常に全回転。八方に気を配って、一分の真実も語ってはならぬ。
   ゴマスリとはそのようなものだ。
10、摩擦を恐れよ。摩擦はトラブルの母、減点の肥料だ。
   でないと君は築地のドンキホーテになる。


実際に企業に入って働くのであれば、
むしろ日本社会ではこの『裏十則」』方が、
『ウンウン、あるある』と納得できるのだ。。


また、電通にはこれ以外にも現在は使われていないらしいが、
もっと仕事をする上で示唆に富んだ名言が存在している。


電通『責任三カ条』


 1、命令・復命・連絡・報告は、
   その結果を確認しその効果を把握するまでは、
   これをなした者の責任である。
   その限度内に於ける責任は断じて回避出来ない。


 2、一を聞いて十を知り、これを行う叡智と才能がないならば、
   一を聞いて一を完全に行う注意力と責任感を持たねばならぬ。
   一を聞いて十を誤る如き者は百害あって一利ない。
   正に組織活動の癌である。削除せらるべきである。


 3、我々にとっては、形式的な責任論はもはや一片の価値もない。
   我々の仕事は突けば血を噴くのだ。我々はその日その日に生命をかけている。


これを読むと以前、ソフトバンクだったかライブドアだったかで聞いた
『他人に言われてから動くのは給料もらうだけのサラリーマン、
 言われなくても自分から働いて利益を会社にもたらすのがビジネスマン』
という言葉を思い出す。


いずれにせよ、勉強漬けの世界から『鬼集団』に入ったのだから、
『過労うつ』になって『過労自殺』に至ってしまうのは、
何となく納得してしまうのだ。


この問題は、あちこちで『炎上』しているが、
そんなことはどうでもいい。
電通ブラック企業を叩くのは勝手だが、
『マジメでまっすぐすぎる』と感じる。
勉強しか知らなかった人には『とんでもない世界』が広告屋なのだ。


大事なのは『死ぬくらいなら、別の道を考える』ということ。


周囲の大人(親や親類も含め)は、
『せっかく、〇〇に入ったんだから、がんばれ』など、
無責任なことは言わないことが大事だ。
追い詰められているのは周囲から見ても、
それなりのサインは見える。


そういうときは『別の道を考えたら・・・?』と促すのも大人の役目だろう。


今の24歳と私ら世代の24歳では、
社会経験の年数自体が異なる。
高卒でも普通に就職していた時代なら、
24歳となれば社会人経験が6年になり、
そろそろ『ベテラン域』に入るし、
女子は『結婚適齢期』とかで寿退職する人も多かった。


女子の間では『結婚とクリスマスケーキは25まで』とか言っていた。


当時は『いくら、鬼の電通』でも、
『上司や先輩が社員をみんなで育てる空気』があったはずだ。
電通に限らず日本航空も『先輩が後輩をきっちり育てていた』時代がある。


今は、どこかで割り切って取り組まないと気が狂う。


東大卒であれば『中途採用』でも、
いくらでも再就職先はあるし、
『過労うつ』を理由に病欠して傷病手当をふんだくる方法もあった。
これを逆手に取ってきて解雇でもしようものなら、
不当解雇で訴えるなり大騒ぎするなり、
いろいろ方法があったのに、非常にもったいないと思う。


電通ブラック企業を叩くのもわかるが・・・。


そんなことをしても、
亡くなった人は帰ってこない。
電通も多少は、控えめになるだろうが、
今の企業自体が『全く余裕がない』のが実情だ。


まじめで、まっすぐも結構だが。


死ぬくらいなら『やめたらいい』のである。


周囲も『せっかく・・・』とか、
くだらないプレッシャーなどかけないことだ。


今の子は、私ら世代以上に『心が折れやすい』のだ。


本来の電通鬼十則』は仕事に取り組む上ではいい言葉だ。
だが、多くは『裏十則』だろう。


願わくば『鬼十則』な会社でありたいものである。


ほんまかいな・・・


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