●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

★コミF、いちばん大切なものは何ですか?

jf3tbm2004-10-23

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コミュニティFMの売上策定

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またかいな〜・・・と思う方も多々かと。
でも、これからコミュニティFMをやりたい・・・とか、
もうすでにやっているんだけど、何を目安に頑張ればいいの
かわからない・・・という方々に、数字の策定をお伝えしま
す。


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コミュニティFMをやるには一体いくらお金がかかるの?
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地方へ行くと『過疎化』『高齢化』が顕著ですね。だから、
ラジオで情報伝達をしたい・・・。豪雨で音がかき消される
防災無線よりも、コミュニティFMが確実だ・・・。そんな
声をたくさんいただきます。


最近は3セクで開局する局も少なくなり、20百万円程度か
ら、純民間で開局できる局も出てきました。


それはそれでいいことかも知れません。


免許発給する総務省は『経営は大丈夫か』と念押しします。
要するに『免許を発給したら、お国のメンツを潰すような事
態(倒産・閉局・・・)だけは避けてくれ』が本音です。


ラジオ放送局という会社は、設立するにも大きなお金が必要
ですし(設立時のイニシャルコストは大体30〜50百万円
は必要)、開局以後も月商で4〜8百万円かかります。(年
商で50〜100百万円)


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◆人口数と小売業における年間販売総額が営業収入の目安
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1人当り小売店で遣うお金は、平均100千円/月とします。
エリア内の人口が300千人とすると、エリア内の小売店
売総額は300億円/月ですね。


これを12ヶ月で掛けてみますと、3600億円/年になり
ます。


3セクのコミュニティFMに対する広告出稿の比率は、総売
上に対して0・03%くらいですから、掛けてみましょう。


3600億円×0・03%=約1億円/年間広告収入額


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◆いろんなケースで策定してみましょう
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人口200千人で、小売店年間販売額が2000億円の場合
・2000億円×0・03%=60百万円/年

人口100千人で、小売店年間販売額が1000億円の場合
・1000億円×0・03%=30百万円/年

人口 50千人で、小売店年間販売額が 500億円の場合
・ 500億円×0・03%=15百万円/年


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◆地方都市はよく考えないといけない
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今年は観測史上初の上陸台風の多さが伝えられています。
度重なる豪雨で地盤が緩み、いつ何時裏山が崩れるかもしれ
ない。『だからコミュニティFMで情報を伝えるのだ』とい
う気持ちはわかりますが、地方都市に行けば行くほど過疎化
と高齢化が進み、現実消費意欲が減退しているのが現実。


上記の策定数字を参考に、過疎エリアで仮に年商が15百万
円くらいとすると、月に1250千円しか回収できません。


そうなると、番組スタッフはボランティア(無賃労働)かア
ルバイトになってしまいます。アルバイトといえど、人件費
がかかりますし、機器のリースや償却、家賃や光熱、通信費
などの固定経費を足し算すると、とてもやれたものではない
んですね。(配当なんて夢のまた夢です)


だから、地方都市でコミュニティFMをやろうとすると、あ
とは『地獄の資金繰り』が待っているのみなのです。ここを
よく理解して、開局するかどうかの見極めをしてください。


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◆地方都市には『簡易無線放送』がオススメです
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地方に行けば『有線放送』があちこちで見られます。最近は
農協(JA)なんかが有線放送を取り止めて、情報が入らなく
なり、地方でも次第に近所づきあいが希薄になっています。


もうすでに有線放送を取り止めている地域では簡易無線放送
も立ち上げが難しいかもしれません。が、有線を敷設する手
間とメンテナンス費用、運営費や災害時の情報伝達を考えれ
ば、やはり何らかの『同報性の高い情報伝達手段』が必要な
のです。


簡易無線放送は、昔ながらの老朽化した有線放送の『有線部
分』を『無線化しよう』というものです。これなら、初期投
資はかかるものの、既存有線の維持・管理費を『無線放送』
に回せますし、立ち上げ後は『やりかた次第ではランニング
コストがほとんどかからない』というものなのです。


もちろん一般のラジオ放送とは異なるので、リクエスト曲を
かけたり、リスナーからのメッセージを紹介するようなこと
はできませんが(そんなものは必要ないです)、適宜確実に
情報伝達が可能なのです。


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コミュニティFMのあり方
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先日も書きましたが、既存局は『生活者との絆』を太くする
しかありません。それが、災害時の『情報収集機能』につな
がるのです。(露出を上げて、町と一体化すること)


帳簿上の数字は、無賃労働者か社員でこなせば、なんとかト
ントン、うまくやれば黒字転換することが『短期』では可能
です。でも、そんなやり方がいつまでも続くはずがありませ
ん。『株式会社が人をタダ働きさせて何が経営努力だ』と私
は思います。


番組に関係する人には、すべて交通費や、例えボランティア
スタッフといえど、資料代などを支給するのが『会社』の姿
なのです。これができない局は、逆に『媒体を売り飛ばして
でもお金に変えろ』と考えます。


エリア内の小売店販売総額の0・03%が、広告収入の目安
ですが、営業品目を増やし、0・05%に持っていくことも
可能ですし、あるいは『営業エリアを拡大する』ことで、営
業収入を増やすことも可能です。


災害対策も大切ですが、まず自局の安定経営を目指すのが最
優先課題だと思います。


そういうことができない局は、売却先を見つけるか閉鎖・閉
局という途も視野に入れてもよいのではないでしょうか。




いちばん大切なものは何ですか・・・?




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谷口集客技術研究所・谷口肇司(Taniguchi-Tadashi)
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