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●カレーライスでブランディングを考えてみる


【写真:カレーのイチバンブランドは『おかんのカレー』だ】


ブランディングをひとことで言えば『企業活動そのもの』と考えている。
ブランドはいろんな解釈があるが、
もともとは『牛を区別するために焼印をつけた』というのが由来である。
商標や銘柄、特に名の通った銘柄のことをブランドとも言うが、
ブランドの原点が焼印だったことを考えれば、
商標や銘柄なんてのは『現代的な後付けの話』ともいえる。


大事なことは『他と区別するため』がブランドなのだ


冒頭の写真で『カレーライス』を掲載した。
結論も『イチバンブランドはオカンのカレー』とも書いた。
要は『家庭の味』で『おふくろの味』というわけだ。
究極のブランディングは『脳みそへの刷り込み』ということになろう。



▲ウチのカミさんは『カレーよりオムライス』という天邪鬼(あまのじゃく)である


多くの友人たちにも聞いてみたが、
『一番おいしいカレーは?』と聞けば、
90%以上の友人が『やっぱり実家のオカンのカレーかな』という。


いろんなカレー専門店も『オカンのカレー』には勝てないのだ


カレーとラーメンは『国民食』の地位を確立した。
しかしカレーとラーメンを対決させてみると、
カレーは『オカンのカレー』が一番なのだが、
ラーメンに至ると『天下一品がいい』とか『第一旭』だの、
『やっぱり横綱かな』『〇〇軒のトンコツ・・・』と、
意見が相当にばらけてしまう。


ラーメンは『自分のカネで食べに行くようになってから』というのが原因だ


もっとも、試験勉強?(と称して遊んでいた)の『お夜食』に、
これまた『オカン』が即席ラーメンを作ってくれたこともあろうが、
あくまでも『夜食』や『おやつの延長』でしかなく、
夕飯のメニューにラーメンとなれば『手抜きしやがって!』と、
旦那衆のお叱りが飛ぶ程度のメニューでしかなかった。


ラーメンのブランドは『好きずきの問題』と考えた


近隣の喫茶店でカレーが人気の店があるのだが、
特別なレシピも『こだわり』もまったくない。
それでいて『うまい、うまい』とランチでは、
焼肉定食よりもカレーがダントツの売上を誇る。


なぜか・・・?


店主が『オカンカレーがイチバン!』を確信し、
客との会話で『子供の頃に家で食べたカレールーの銘柄を調べた』だけだ。
まぁ、予想どおり『ハウス・バーモントカレー』と、
『S&B・ゴールデンカレーの中辛』に分かれた。
また『ハウスとS&Bのブレンド』という家庭も多かったこともわかった。
レシピは『ハウスとS&Bのブレンド』に決まった。


それだけのことだった・・・(広告屋の表現では『市場調査』かな)


野菜の大きさや肉の種類も『会話』から『大衆受け』をはじき出し、
概ねの方向性が決まって『客の好みどおり』のカレーが提供されている。
ましてや『毎日のこと』なので『煮込み具合』も安定し、
客からは『ここのカレーはうまい』という評価が定着した。


茶店のカレーに『店主のこだわり』など一切ないし必要もない


客が望む『オカンの味』を出すために、
野菜や肉の仕入れも『近所のスーパー』で済ます。
焼肉定食も旨いのだが人気も利益率もカレーに軍配が上がる。
カレーの方が主原価が低く手間もかからない。、
当然ながら粗利益も大きく商売的にはカレーが売れるのが、
店主にとっても嬉しいのだ。


大事なのは『客が望むものを適正価格で適宜提供できること』だろう


もちろんシャネルやルイヴィトンなどの世界銘柄もブランドだ。
庶民から見たら高い価格設定にはなっているが、
必要な人からすれば価格が高いとは思っていないし、
高価と思うなら『お呼びでないお客』なのかも知れない。


要は『世の中に高いものなど存在しない』ということだ


だいたい、タクシーなど『1kmあたりの単価』で計算したら、
航空運賃より『はるかに高い設定』だ。
電車やバスとの比較では10倍に跳ね上がるのもタクシーの特徴だ。
それでも利用者がある。
もっとも『移動手段』ではあるのだが、
乗客は『時間を買っている』という感覚の方が強い。
だからドライバーは『道を熟知したところで仕事をする』のが一般だ。


タクシー料金も高いと思えば他の手段を探せばいいということになる


カレーのブランディングで余談がある。
ハウスとS&Bで人気が二分されているのが現状だが、
カレールーが市販され始めた頃の広告宣伝が興味深い。


・ハウスは西城秀樹を用いてテレビCMをバンバン打った
・S&Bは『折りこみチラシ』をバンバン打った


カレーを庶民に知らしめたのはハウスがテレビで『イメージCM』を打ち、
実際に主婦が手に取って買ったのはS&Bが上回った。
ハウスが『りんごとはちみつ、とろ〜り、溶けてる』をウリにしたが、
案外と『子供向け』の印象が強く、
そこそこ大人の味を求めた主婦層は『S&Bゴールデンカレー・中辛』を選んだ。
あるいはオリジナリティを求めて『ハウスとS&Bのブレンド』も、
水面下で流行ったという逸話もある。


大事なことを強調するが『客が欲しがるもの』を徹底的に考えること


ブランディングには王道もないし、
3年計画や5年計画などの『実質先送り』である『事業計画』など、
実態が伴わなければ『あんまり意味がない』ということも強調しておきたい。
再々だがブランディングは企業活動そのものでもある・・・ということだ。


だいたい、3年や5年先のことなど誰もわからない。


為替レートがどうなっているか、
日経平均株価がどうなっているか、
オリンピックがどう影響するか・・・
こんなの『誰も答えられない』のだ。


いかがだろうか・・・?


事業計画がアテにならない証拠に、
シャープがバブル世代の3,500人規模で人件費削減のリストラ敢行や、
パナソニックの門真の事業部の撤退など、
家電大手が地場産業の屋台骨を揺るがすような失態に至っている。
これも大企業特有の『先送り』と『設備投資の見通しの甘さ』だ。


再々だがブランディングは企業活動そのものでもある・・・ということだ。


そして、やっぱり一番旨いカレーは『オカンのカレー』である。


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大阪・大阪近郊の耕作放棄地を開拓・開墾して、
都会と里山をつなぐ活動を展開しています。
通称『みんたく団』と呼び、河内長野に『みんたく畑』を開拓中です!
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