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●NPO法人の賃金。

昨夜のNHKラジオで『最低賃金』の特集が放送された。大阪府の場合は『時間給883円』が最低賃金である。時間外割増や深夜割増は『25%』、休日割増は『35%』である。これは、株式会社のパート従業員であろうが、非営利のNPO法人の職員であろうが『同じ扱い』をしなければならない。非営利だから利益を出してもいいのか・・・?という疑問をときどき聞くのだが『NPOも利益を上げてよい』のである。誤解されている『利益を出す』ことだが『利益分配をしない』というのがNPO法人である。NPOだから無償(タダ働き)でよいと思っていたら、思わぬヤケドをすることがある。



【写真:最低賃金を守らないと最低賃金法に抵触する】


まず、株式会社とNPO法人の『利益の扱いの違い』を明確にしよう。


1、株式会社:『収益を上げるため』に『活動する』
2、NPO法人:『活動のため』に『利益を上げる』


なんだか、とんち問答のようだが、
株式会社は『収益のための活動』で、
NPO法人は『活動のための収益』である。
営利・非営利問わず事業推進には『収益』が不可欠だ。
だから、収益を考えずに『いずれ・・・』とか言っていると、
痛い目に遭うこともある。


しつこいが、NPOでも人件費や経費を払い、残りを利益計上できる。


株式会社は収益を『分配』できるが、
NPO法人は『分配せずに活動のために収益を回す』のが大前提だ。
さらに大事なことは・・・。


賃金のことを考えておかなければならない。


逆に、最低賃金に満たない状態は、
そのビジネスプラン自体が間違っている。
一般的に『社会貢献で、いいイメージ』が先行するのだが、
NPOであれ、株式会社であれ、職員を労働させれば、
労働対価が発生するのは『あたりまえのこと』だ。


これをわかっていないNPOが多すぎる。


もちろん、最低賃金割れが認められ、
事前に管轄の労働基準監督署に、
最低賃金の減額特例許可申請書を提出』で、
減額の特例は認められる。


減額の特例を挙げてみると・・・。


1.精神または身体の障害で著しく労働能力の低い人
2.試用期間中の人
3.認定 職業訓練を受けている人
4.軽易な業務に従事する人
5.断続的労働に従事する人


NPOに所属して、職員として、1日8時間フルタイムで23日働いたら。


・883円×8時間=7,064円/日
・7,064円/日×23日=162,472円/月
・162,472円×12か月=1,949,664円/年


つまり、1人あたり約200万円の年収を確保できるのか。


さらに、フルタイムの職員が5人もいたら、
人件費だけでも年間1,000万円ほど必要である。
粗利の50%が人件費にかかるとしたら、
ざっと年商で2,000万円の売り上げがないと成り立たない。


ここから、逆算していけば、何をどうすればいいか見えてくる。


タクシー運転手の全国平均年収が278万円という金額が公表されている。
だが、全てのタクシー乗務員の年収を平均化したもので、
ほとんど参考にならない数字だ。
年金受給の高齢乗務員の嘱託勤務や、
マイペースな個人タクシーの収入も、
小遣い銭稼ぎのアルバイト運転手の賃金も、
全て含んで『全国のタクシー乗務員数』で平均値を割り出している。


家賃、車両維持費、教育費、扶養家族がいれば278万円で生活するのは難がある。


タクシー乗務員の平均賃金を引っ張り出したのは、
最低賃金でフルタイムやっても、
タクシー乗務員の賃金にも満たないということを、
わかりやすく説明したかっただけである。


サラリーだけで見たらNPO職員はタクドラより身入りが少ない。


10年ほど前、数か所のNPO立ち上げにも関わったが、
多くが『助成金』や『補助金』を『もらえるカネ』と思っていた。
それも『いいことを役所の代わりにやっているからもらえて当然』だとか、
挙句は『返済義務がない、もらえるおカネ』とまで言い出す。


それは、少し違う。


補助金助成金は『子供のお手伝いのお駄賃ではない』。
役所が『民間の力を借りる』という点を考えればわかるのだが、
補助金助成金は『税金』が投入されるのだ。


公金が投入されれば、世間の見方も厳しくなる。


みんなのおカネが投入されて『活動費の一部を補てんする類』のおカネである。
私は、第三セクター方式の『見かけだけの株式会社』すら嫌いなのに、
能書きだけは一丁前で御託を並べて、
『いいことをやっているから、おカネちょうだい』はないだろう。


そんなことを考えるヒマがあれば『今の本業に精を出す』方がいい。


イメージだけでNPOを立ち上げても『法の縛り』がある。
職員に働かせれば『賃金』が発生する。
賃金面でもめだすと『労働組合』ができ、
自然の流れで『労働争議』に発展する場合もある。


賃金なんて・・・というのならば・・・。


法人化などやらずに『ただのボランティア団体』でよいのだ。
クラブ形式でやっておけば、ややこしいことは起きない。
クラブ形式なら、会員から集めた会費の積み立ての中から、
お弁当代や交通費くらいは参加者に払える。
こんなカネも出ない法人ならば・・・。


ビジネスプランを再考すべきだ。


NPO法人の解説▼
https://biz.yokozeki.net/what-is-npo/
イメージだけで起業すると、痛い目に・・・。


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