●OTA(On The Air)

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●半農×半タクのホンネ。

T交通のKさんという兵庫県出身の同業者の仲間がいる。彼は、今年から『半農×半タク』に『ならざるを得ない』と頭を抱えている。農業を志す方から見たら『どうして頭を抱えるの?』だろう。だが、Kさんは、18歳まで農村暮らし。大学が大阪だったので、そのまま農村を離れて現在に至っている。昨年60歳を迎え『いかに人生を逃げ切るか』なんて話題でよく盛り上がったのだが、田畑を守っていた人たちが次々に他界。その後、しばらくは近隣の農家におカネを払って農作業を依頼していたのだが、作付面積も大きく、外注依頼費もバカにならんということで、Kさんが農繁期に実家に戻って農業に携わることになった。だが、ご本人いはく『こんなもん、60歳過ぎて、やるもんちゃう!。どんだけえらいか、知らんやろ!』だ。営農者からすれば『定年後、のんびり農業でも・・・』という人のほとんどは、ケツ割って、町へ戻りよるよ』という。



【写真:農作業はともかく、村の付き合いが大変なのだ】


農作業自体は、機械化されていて人の手はかからない。


Kさんは、膝に水がたまり、
加えて、都会暮らしとタクシー乗り特有の運動不足で、
見た目より『メタボ気味』だという。


まず、膝を治して、メタボ解消が目下の課題だ。


そこで『今年は、農作業は従来通り近隣に頼む』ことにした。
農作業自体は『おカネで解決できる』のだが、
一番面倒くさいのが『村の付き合い』である。


はっきり言って、ニートやひきこもりでは話にならない。


1、畔(隣接する近隣と共有のあぜ道)の草刈り
2、水田に引き込む溝さらい(どぶそうじ)
3、定期的な村の祭り
4、同業者の寄りあい
5、近隣の寄りあい


すべて、村の付き合いに顔を出して労働力を発揮しないと『村八分』される。


Kさんは、なかなか厳しいことを言う。
会社勤めや人間関係に疲れた人が就農したがるが、
100人いて1人が残ればいい方だ。
だいたい、会社の人間関係程度で疲れるヤツが、
村の付き合いや古い風習に染まるにはハードルが高い。
当たり前だが、新規就農者と既存の営農者と比較して、
技術レベルには歴然と差があり『収益性』にも大きな差がつく。


新規就農者の定着率の低さの原因はここにある、と明言される。


会社で力を発揮できない人が、
保守的な農村社会に溶け込めるのかが大きな疑問だ。
周囲の農家との協力やJAとの関係性も大事にしないと、
事業として成り立たないし、生計が立てられないのである。


さらに、厳しい意見が出た。


営農離れが進むのは『儲からないからだ』。
不思議なことに、農業とビジネスライクな話を、
結びつける人が極めて少ない。
農業の厳しさは漠然と知っていても、
『お金儲けのために農業を志す訳ではないので、
そのことには、余り触れたくないような人たちが多い。
それは『営農』ではなく『趣味的自給的農業』であり、
社会性のない自己満足的農業だ。


Kさんは『DASH村』みたいな番組が余計なお節介だと指摘する。


メディアは『きれい』『かっこいい』『おもしろい』という、
絵になる部分だけを切り取って、
アイドルを使って農業プロパガンダを展開する。
それを見て、憧れて移住してくるが、
思った以上に根気が必要で『町の子』は、
1年も経たないうちに尻尾を巻いて町に帰っていく。


『農業で何とか食べていければいい』という考えだと無理がある。


高い技術と経験豊富で農業資産ある農家が食べていけないから、
兼業し、廃業し、衰退している。
耕作放棄地の増加が現実の答えだ。


Kさんは『正直なところ、都会のタクシー運転手の方がラクだ』と言い切る。


従来の営農を超えた高い目標を持たなくては、
人並みの生活の維持すら難しい。
移住して営農を志す人は、
年収の3年分を持っていないと失敗は必至だと。


農業に参入するという事は、起業することである。


当然資金計画を立てなければならない。
技術習得する期間の生活費、農業機械などの取得費、
新居の借り入れなどの居住費などかなりの金額になる。
節約するために中古機械にするとかの方法はある。


運良く農地を借りられたとしても、だ。


収穫して『売れるまで無収入』だ。
貸し出される農地は、ほとんどの場合が収益性が低く、
改植しなければならない。
苗木の購入費なども考慮しなければならない。


これが、営農に駆り出される『半農×半タク』のKさんの貴重な意見だ。


Kさんのホンネは『勘当されて大阪に来たのに今頃戻ってこいって、
イナカの連中は、勝手なことばかり言う』と、
門真と兵庫の行ったり来たりに『うんざりする』と嘆いている。


とにかく、村の付き合いをしないと『村八分』になるのが厄介なのだ。


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