●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

コミュニティFMの将来性 〜2〜

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コミュニティFMの将来性 〜2〜
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既存の考え方の方は、とても悲観的に見ておられます。


でも、日本が工業国でなくなった以上『どかっ』と作って、
『ぱぱっ』と売っちゃうような大量生産・大量消費の時代は
過去のものになりました。


今までの営業は『行ったらあるわ』という『もらい営業』が
大半だったのではないでしょうか?


これはどの業種でも同じなんじゃないかなぁ・・・と思うん
ですね。


放送業界というのは、私たち一般企業育ちの人間からみたら
不思議な業界です。なにしろ『2種類』しか商品がなくって
それでいて、50年間も続いてきたというのですから仰天し
てしまいます。


しかし、その商品展開では立ち行かなくなってきた・・・。
そこで新たなビジネスモデルが求められているのですが、か
と言って安易に多角経営に走るとリスクが伴います。


昔から『零細企業と屏風は広げると倒れる』なんて言います
から注意が必要でしょう。


ひとつの検証ですが、コミュニティFMに限らずどの業種で
も言える『売れる仕組み』になっているかどうか調べてみま
しょう。

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◆売れる仕組みの3ステップ
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1)知られている
    ↓
2)理解されている
    ↓
3)好感を持たれている


私は『ちりこうの法則』(ちり紙交換の略じゃありませんよ)
とネーミングしているのですが、簡単に言えば『商品なりお
店なりが販売対象者から好感を持たれなければ売れないよ』
ということなんですね。


要するに『何をやっているのかわからないお店』には誰も行
かないですし『嫌いなヤツからは少々安くても買わない』と
いうことなんですね。


これをコミュニティFMにあてはめて考えますと、住民は開
局したのは知っている。でも、その町の生活者が反応しない
ような洋楽だとか、かっこいいDJ気取りの番組をやるでし
ょ。すると住民は『聞いてみたけど、何かしょうもないわ』
といってすぐに聞かなくなるんですね。


すると『だんだん忘れ去られてしまう』んです。理解も好感
もないんですね。


そんな状態のときに『うちでCMしませんか?安いですよ』
なんていきなりアプローチしても『そんな放送、誰が聞いて
ますのん?売上につながりまんのんかいな』と軽くあしらわ
れておしまい。


コミュニティFMに限らず、どんなお商売でも『緻密な宣伝』
が欠かせません。ラジオ局の場合は、機材も簡単ですから、
どんどん商店街なんかに繰り出して、のぼり旗なんかを自転
車にくくりつけて、しょっ中しょっ中お店に顔を出さないと
放送の中身をなかなか理解してもらえないのです。


番組主体で考えれば、生中継が面白いのですが(スタジオの
メインDJが慌てるような仕掛けをやるとそれはそれでウケ
ます)、実際には『お店の集客と売上向上』につながらない
とスポンサードしてもらえないですから、本当は『収録』で
行い、店頭に『○○ラジオが来ました。○月○日・○時から
放送されます。聞いてくださいね』という貼り紙をして、さ
らに『放送の中で流れる合言葉を言っていただいた方には、
○○をもれなくプレゼントします』という『計測できる仕組
み』を持たせるんですね。


これを、プリントメディアのチラシと連動させて『告知』を
すれば、それなりに効果が期待できるんです。要するに、ラ
ジオが販売促進のシステムに入っているかどうか・・・なの
です。販促の流れから外れていると、出稿してもらえるCM
は『単なる付き合い広告』にしかならないんですね。


さらに、安定的経営を目指すならば『会員組織』を構築する
ことです。なんでもいいから、聴取者の『個人情報』を吸い
上げる仕組みを作ります。インセンティブ付きのカード事業
でもいいですし、極端な話『万一の時の身分証明』になるよ
うな『IDカード』の発行でもいいですね。あるいは、番組
参加者へのプレゼントをスポンサーと提携して、スポンサー
から『直接送ってもらうシステム』もいいと思います。いず
れにしても、スポンサーが『見込み客開拓にかける営業経費
と比較してCM提供の方が安い』と感じれば、それはそれで
価値があるのです。


いろんなコミFを見てきましたが『自分たちの商品の価値』
をはっきりと伝えている局はほとんどありません。


・エリアが狭小だから・・・
・聞いている人が少ないから・・・
・お金がかけられないから・・・


悪循環が悪循環を呼び、ただただCMの価格を下げるだけ。
これでは永遠にファンはつかないんですね。そればかりか、
番組のクォリティはどんどん下がり放送局の存在価値すらな
くなってしまいます。


・エリアが狭小であればこそ、
・互いに顔を知っているからこそ(これを地域密着という)
・お金をかけなくてもできることがあるんです。


これを読んでいただいている関係者のみなさま、どうかご自
身の商品の価値は一体どこにあるのか・・・をもう一度考え
てみてはいかがでしょうか。




ご提案申し上げます。




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