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道楽、世間批評、いろいろと・・・。

◆コミュニティFMに強敵現わる!?

jf3tbm2004-10-21

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コミュニティFMに強敵現わる!?
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コミュニティFMのあり方について、折に触れて述べていま
す。ここへきて「コミュニティFMに強敵現わる!?」、そ
れくらい衝撃的な無線システムを紹介します。


忘れられていた?簡易無線局割り当て周波数を利用して、1
〜5ワット程度の電波を必要に応じて発信し、専用の受信機
で情報を受けるというシステムです。


この無線システムを開発したのは、鹿児島県の通信機販売店
で、総務省からも「昭和25年に制定した電波法が想定して
いなかった画期的かつ近未来的な情報伝達システム」と太鼓
判を押しています。
http://www.satuma-net.com/index.html


商品自体は「エリアトーク」というネーミングで販売され、
現在では、メンテナンスに経費や手間のかかる従来の防災無
線に取って変わるシステムと評価され、導入においては自治
体が補助金を出すまでに至っています。さらに、全国展開さ
れ、供給が追いつかない状況とか。



気になる価格は、50世帯分ほどでざっと300万円ほど。



九州総合通信局も『地域のコミュニティ情報システムとして
は最適である』と評価し、陸上無線協会の総会でも紹介され
ています。


【写真:エリアトークの一例。これぞコミュニティの放送だ。
    公民館の入口の下駄箱の上に放送卓があり、自治
    の世話役が「お知らせ放送」をしている】



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◆今後のコミュニティFMのあり方
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理想的な情報システムは、各家庭で受信できるシステムです
。その役割を期待されているのがコミュニティFMですが、
大半の局は赤字経営が余儀なくされ、人件費削減などで番組
のクォリティーが低下し、殆どの地域住民が普段からラジオ
のチューニングを合さなかったり、スイッチを入れる習慣す
らないのが現状です。これでは、災害に遭遇したところで、
はじめてラジオを探すという「泥縄式」になりがちなのは否
めないでしょう。


コミュニティFMをはじめ、自治体などは『情報発信機能は
完備している』と話します。『これからは、情報収集機能を
構築しないといけない』というのが課題のようです。


ひとつの提言ですが、赤字経営なのは「局の認知不足」が最
大の原因だと考えますので、『いかに露出させるか』に尽き
ると思います。スタジオを出て、町の中に飛び込み、町の声
をひらって、スタジオと町が一体化する・・・そこを構築し
ないといけません。


要するに『住民との絆を太くする』ということです。いささ
か精神論のようですが、結局は『人と人のつながり』ですか
ら、いかに地元で可愛がってもらえるか・・・に尽きます。


そこで、認知を上げて町の声をひらい、その声を『マーケテ
ィング・データ』として活用するのです。認知度を上げて、
地元企業に対する貢献度を上げる、これしかありません。


いつくるかわからない災害に「対策」と称していても、災害
対策用品を販売するならともかく、自治体広報の焼き増し放
送でやったつもりになっていても、いつまでたっても安定軌
道に乗るはずがないんです。



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コミュニティFMの数字
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はっきりとは言い切れませんが、放送局の『営業エリア』に
ある『小売店の年間販売総額×0・03%』が、その局の年
商に上がっていることが見えてきました。


エリア内の小売店の年間販売総額が3000億円あれば、そ
のエリアにあるコミュニティFMの年商は9000万円前後
です。1200億円の小売店年間販売総額であれば年商は3
600万円、農村漁村など、年間販売総額が少ない地域です
と、1000万円前後しか広告収入を得られないのもあたり
まえかもしれません。



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コミュニティFMの課題
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数字を見ていただければおわかりかと思いますが、高下駄を
履いた『可聴エリア人口』でエリア内を営業しても限界に達
しています。0・03%という数字は、可聴エリア内人口に
対しての聴取率に匹敵すると考えます。


大阪のように、放送局が超過密地帯ではやはり県域・広域局
やあるいはNHKなどの公共放送に聴取者が流れています。
エリア内人口が100万人いれば×0・03%で300人が
聞いている・・・そんなもんです。はい・・・。


コミュニティFMの番組コンテンツには本号では触れずに、
営収拡大について述べましょう。


営業エリア内の小売店年間販売総額の0・03%が、自局の
年商であるとして『もっと営収を増やしたい』というのであ
れば『営業エリアを拡大すればいい』のです。


営業エリアの拡大目標が出たら、そのエリア内の小売店数や
年間販売総額を合計します。すると、売上目標数値が策定で
きますよね。今までの営業マン1人あたりの売上高から割り
出せば『必要な営業マンの人数』が出てきます。


仕事に慣れるまで(営業マンが成長するまで)の半年から1
年間の人件費を含めた営業費が工面できれば、その局の売上
はある時期を境に『劇的に伸び』を示します。逆に、営業費
が工面できない局は、残念ながら淘汰されてしまうかもしれ
ません。



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コミュニティFMにおける営業マンに求められるもの
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現場レポート、番組の編成や制作、アナウンス、パーソナリ
ティ、技術系メンテナンス、加えて簡単な経理事務と営業活
動…これを1人でやらなければなりません。


基本的に、自分が番組を担当してスタジオにいなければなら
ないとき以外は、中継機材を車に積んで営業活動&レポート
活動に出ていなければなりません。


放送局にとって、一番の営業は現場レポートでいろんな企業
に「飛び込んでいく(まさに飛び込み営業です)」ことです
。さらに、町の声をたくさん拾うことです。それをだらだら
と拾うだけじゃなく『テーマ』をもって拾うことです。その
集まった声が貴重なマーケティングデータとなるのです。


定点調査をしてみれば、時間帯によってもいろんな傾向が見
えてきます。たくさん集まれば、貴重なサンプルデータとし
て企業に売ることだって可能なのです。


中には『マーケティングなんてやったことないよ』という声
もあるかも知れませんが、一般企業にとって自社の市場調査
なんてのは、三度のメシのようにあたりまえのこと。ほとん
ど広告代理店からの出稿が期待できないコミュニティFM
らば、自分達でやれることからやるしかないのでは?


ぼやいていても仕方ありませんから、やれることからやりま
しょう♪



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▼黒字転換したコミュニティFMの記事をリンクします▼
http://www.agara.co.jp/DAILY/20041006/20041006_002.html
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▼参考文献:月刊アクションバンド12月号▼
http://www.magazineland.co.jp/index2.html
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★みなさん、情報提供ありがとうございます
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