●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

★しょぼい電波がなぜ飛ぶか?

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◆10mWの特定小電力無線が長距離を飛ぶわけ
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またまた、読者の方からおたより(メール)をいただ
きましたのでご紹介しますね。
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From: ja3
Date:  Mon, 8 Nov 2004 01:29:30 +0900 (JST)
Subject: 特小が飛ぶわけ
To:  jf3tbm@yahoo.co.jp
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>>無線情報誌によると、50MHz帯のAM方式で10mW機の
>>各種実験が出ていました。
>>このバンドは電離層反射がありますから、相互間距
>>離が2000キロ超えの記録があります。
>>考えてみれば、電離層までの片道が約300キロ。往復
>>で600キロ。そこに入射角が加わり遠距離通信になっ
>>てしまう。
>>10mWって、LEDを一個光らせる程度の電力。それが電
>>波になると、とんでもなく遠
>>くに飛んでいく。

>>すごいですね。
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無線工学なんてわからないぞ〜って方には『なんのこ
とやら・・・』だと思います。(すみません・・・か
くいう私も、ほとんど忘れちまいました!ははは〜免
許返上しないといけない?)


要するに『障害物がなけりゃ、電波は果てしなく飛ん
でいく』ということなんです。(もちろん減衰はしま
すが・・・)


先日(2004/10/23)に和歌山の鷲ヶ峰で特定小電力無
線の通信実験を行いました。この時に、相互間200
kmを超える交信が成立しているんです。
http://d.hatena.ne.jp/jf3tbm/20041025

で、電波の不思議や魅力を感じてしまうところなので
すが、これも計算で実証できるんです。


1、こちらの位置:海抜 600m
2、相手の位置 :海抜1700m
3、相互間の距離:直線200km


●見通し距離(D)km=4.14(√h1+√h2)


h1、h2は送信アンテナと受信アンテナのそれぞれの高
さ(m)を示しています。


上記の式にあてはめると


●D=4.14(√600+√1700)となります。


電卓を引っぱり出して計算してみましょう。


√ 600=24.49
√1700=41.23となります。


24.49+41.23×4.14=272.08km


アンテナの位置が高いと相当に距離がのびることがわ
かりますよね。もちろん、いちばん単純な『直接波』
の飛び方を示した式で、全く障害物がないということ
も条件に入れなくてはなりませんが、今回の実験では
理論上のことを実証してくれたといえるでしょう。
(参考文献:「430楽しみ百科」p20〜:CQ出版


本日、この話題を取り上げたのは上にも書きましたと
おり『机上理論』に当てはめて確認しておきたかった
のと、実験当日の夕刻に、新潟中越地震が発生してい
るので、『地震の前兆現象による電磁波異常の電波伝
播ではないですか』というおたよりをいただいたので
『たぶんそんなことはないでしょう。通常伝播ですよ』
ということをお知らせしておきたかったのです。


長文におつきあいいただきありがとうございます。
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谷口集客技術研究所・谷口肇司(Taniguchi-Tadashi)
jf3tbm@yahoo.co.jp
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