【写真：とりあえずハコものは押さえたんで、あとはうまいことやってやＢちゃん・・・（フェスゲと同じやがな・・・）】
大手都銀Ｍ銀行ＯＢのミスターＢは出向先の大阪・谷町にある製版屋を、次の時代に向けた大改革を断行しようとしていた。『中間工程の加工産業はいずれ衰退する。企画・制作から製造・納品までの一貫したシステムをつくらねば・・・』（着眼点はすごくいいと思う）と本社の『ゴミテツクズ社』にかけあう。事業計画を作り、一昔前の天気予報みたいな売上予測を立て、本社稟議も綿密な根回しをしておいたおかげで決裁も見事にクリア。順風満帆に見えたのだが『従業員は人間だ』ということをすっかり忘れていたミスターＢ・・・。
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◆ミスターＢ早くも暗雲立ちこめる
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企画・制作会社を買収したミスターＢ、
早速大阪の西の外れのオフィスビルを、
２フロア借りることにした。（家賃ナンボやねん！！）
企画・制作会社と『自分とこの製版屋の営業所』を作った
もともとこの構想には、
銀行の提携工作が仕組まれ、
そこに大手カメラ・ＯＡ機器メーカーの、
『Ｍカメラ』が参入し、
『４社のゆるやかな提携』がひとつの目標だ。
これで銀行にも顔が立つわ
ミスターＢは企画・制作会社を買収する際、
親会社のゴミテツクズ社経由で、
Ｍ銀行から莫大な融資を受けていた。
大阪府信用保証協会も、
ええかげんな審査を通したものだと思うのだが、
そこは同じ金融マン。
『鉛筆なめなめ』事業計画書を作ったのだろう。
書類不備さえなけりゃたいがい通る。
まぁ日本の金融機関はこんなもんです
融資も銀行の提携事業工作も順調に進み、
事業所のハコも押さえ、
順風満帆（じゅんぷうまんぱん）かのように思えた。
ところがどっこい『そうは問屋が卸さない』。
『従業員は人間だ』ということをミスターＢは忘れていた
製版屋の営業所を大阪の西の外れに作り、
寄せ集めの派遣社員やアルバイトで固め、
とりあえずはスタートした。
従業員は『現場の仕事は営業が持ってくるもの』と思い込み、
（あたりまえだ。普通の会社はそうだ）、
仕事が入ってくるまでは、
掃除するなり実戦に備えて、
パソコンの練習をするなどして時間を潰していた。
そんな姿がミスターＢの逆鱗に触れた
今まで営業なんかしたことがない人間に、
『自分らの給料分くらい稼いでこい』とゲキを飛ばし、
現場従業員に営業回りを押し付けた。
これが銀行員のていたらく（爆）
当然のことながら、
『私たちそんなことできません』という。
水掛け論が続き、
結局は従業員全員が総辞職してしまうハメに・・・。
『営業してこい』じゃなく『営業の醍醐味』を教えなあかんわな
立ち上げのスタッフは全員辞めてしまい、
急きょ本社から営業所に要員を向かわせることになる。
朝礼で営業所勤務希望者を募ると、
数名が名乗りを上げ、
なんとか頭数合わせができた・・・。
かのように見えた・・・だけの幻想にしか過ぎなかった
どう転んでも営業所を回せるような面子はおらず、
これも『こしぬけ兵隊』揃い。
ついこの間まで、
写真をディジタル化するために、
スキャナーを回すしか能がなく、
最近は老眼でほとんど実務をしていなかった窓際のオッサン・・・。
入社以来スキャナー一筋３０年のオジンに、
営業所を切り盛りなんてできるのか・・・？
ミスターＢはお気楽に天神橋で酒をのんでいた
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