●OTA(On The Air)

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●簿記は事業の可視化。

一番はじめに就職する会社が、人生の方向性に大きな影響を与える・・・という話を、随分前に書いた記憶がある。私の場合は、メーカー系の自動車ディーラーだった。ここでは、入社後しばらくして『簿記3級と損保の資格を取るように』と言われた。損保の資格は、自賠責をはじめ各種保険を扱うために必須科目だ。さらに、営業報告を作るにしても『数字』の世界だから、経理が見てわかる報告書が必須なので、簿記を持っていた方が『社内の共通語』としてもスムーズだ。簿記の能力は、その後の広告屋でも、独立後も『活用』できたし、今もなお『日々の計数管理』でも便利に使えている。



【写真:資格を取る取らないは別にして、簿記の知識は備えていて損はない】


簿記は、取引を『原因』と『結果』の側面から把握する。


一年間の商売を通じて、
いくら儲けたかを『損益計算書』で計算する。
その『損益』によって『事業所の財産』が、
『どのように変化したか』を『貸借対照表』で計算する。


大事な財務諸表は、この2つに集約される。


1、損益計算書
2、貸借対照表


この2つの書類を見れば『儲け』や『財産』がひと目でわかる。


詳しいことは専門書に譲るが、
よく『ウチの会社、赤字やわ』とか聞くが、
社員が『ムードだけ』で『赤字、赤字』と言っていることがある。
会社は、社員にハッパをかけるために、
朝礼なんかで『この厳しいご時世を乗り切るために・・・』とか言うが、
誰も『どう、厳しいのか財務諸表を見せてほしい』とまでは言わない。


ただ、陰気くさくなるだけである。


簿記は、経理関係や金融関係者だけのものではない。
意外にも、メーカーの技術者が簿記や会計を知っているのだ。
例を挙げれば『在庫管理』にしても、そう。
『在庫管理』は重要な要素だし、
原価計算』も必要だから知らないと話にならない。


簿記を知っていたら、自分の仕事を数字で捉えられる。


将来、ベンチャー企業を立ち上げて独立しようというなら、
なおさら簿記を知らないと、
経営などできっこないのである。


必ずしも資格試験を受ける必要はない。


損益計算書』と『貸借対照表』が、
『どんなものか』くらい知っていないと、
やみくもに『銀行は必要なときにカネを貸してくれない』などと、
見当違いの恨み言をいうのがオチである。


いきなり資格試験となるとハードルが高いかも知れない。


今、とりあえず『自分の収入と支出』について、
簿記的な帳簿の付け方をやってみてもおもしろい。
少しわかってくると『時系列に記録する金銭出納帳』が、
いかに面倒くさくてムダな作業かがわかる。
もちろん、会社の経理では必要な帳面だが、
個人の収支把握程度なら『勘定科目ごとの計算書』でも十分なのだ。


簿記や経理がわからないと『勘定科目』の意味すらわからない。


仮に、今、トレンドといわれる『農業』に就農するとしても、
種子や苗や薬品を仕入れたら『仕入れ帳』に記載する必要があるだろう。
軽トラックを購入するのに融資を受けたら『借入金』で記載する。
トラックの費用だって『減価償却』の計算だって必要だ。
簿記を知らないと減価償却がいいかリースがいいかの判定すら怪しい。
そして作物ができて、売れたら売れたで『売上計上』する。


売上 − 経費 = 損益


多くの人は、損益どころか『売値−仕入れ=粗利』で一喜一憂している。
よくきく『儲かっている、儲かっていない』の多くが、
ただの『粗利計算』どまりになっている。


パチンコ屋に行って『勝った、負けた』と同レベル。


簿記の知識を持とうとすると、
自然と興味の方向が変わってくる。
知り合いたい人や知り合える人も変化してくる。
アドバイスも『素人の感覚』から『プロの助言』に変わる。


多くの自営業が経理を会計専門家に『丸投げ』している。


単式簿記の出納帳(小遣い帳レベル)ですら自分でやらない。
なんでもかんでも現金取引なら単式簿記でも結構だが、
商売ってのは仕入れや販売先があるから、
『貸方』『借方』などの『振替伝票』も実務レベルで発生する。
『入金』があれば『入金伝票』を起こすし、
『出金』があれば『出金伝票』を起こして処理をする。


事業は『単式』など飛ばして『複式簿記』が基本だ。


起業に簿記などいらないという人もいるかも知れないが、
実際に確定申告を行う場合に、
簿記の知識がないと申告間際に慌てる。
結果的に『税理士』に『余分な顧問料』を払う羽目に。


起業すると同時に『事業専用の銀行口座』を作る。


日々の金銭出納帳の代わりになるのが銀行の通帳だ。
事業規模が小さいうちは『こんなもん』でも十分だ。
ところが、起業して何年も『公私混同した個人口座』でやっている人がいる。


これは、後後、ややこしいこともあるから分けておくべきだ。


簿記の知識を持っているのと持っていないのとでは、
後年、大きな差が出るだけでなく、
日々の銭勘定すら『頭の中』でやらねばならず、
こんなことをやっていたら『本業の数字』がまともに把握できない。


簿記は『事業の可視化の最低条件』である。


よく、『そこそこ大学』を出ているのに、
事業に失敗したとか聞く。
周囲は『頭のいい人がどうして』と不思議がるが、
頭がいいとかそういうもんじゃない。
大学を出るというのは『おしなべて暗記力がよい』という程度。


簿記など、商業高校で『あたりまえ』のようにやっていることなのだが。


ほんまかいな・・・


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