怪しげな成功本に『長財布を使え』とか『黄色い開運財布がどーたら』とか書いてある。あるいは、『財布の値段の200倍があなたの年収』とまで言い切る『変な本』もある。逆に聞きたいのだが、『年収1億円の人のお財布は50万円もするのか?』。
【写真:仕事や労働や仕組みがおカネを生む。財布が勝手にカネを生むわけがない】
タクシー屋はお客さんの財布を毎度毎度、見てしまう。
いい恰好をして多すぎるチップをくれる人は、
『黄色い開運財布』や『二つ折りのくたびれ財布』が多い。
長財布の人も見かけるが『財布がパンパンに膨らんでいる』、
ほとんど中身を整理していないことが多い。
箇条書きにして、再確認しよう。
1、黄色い開運財布
2、二つ折りのくたびれ財布
3、整理されていない中身がパンパンの長財布
▲運がないから、開運したい。その前にカネ遣いを改める方が・・・。
風水は専門外だが、金運がないのは見てわかる。
財布の値段が200倍の年収を・・・も根拠がない。
仮に、私ら大阪のタクシー乗務員が5万円の財布を買ったからといって、
年収が1,000万円になることはあり得ない。
稼ぎに上限が設けられている。
1、一か月、最長乗務時間は299時間
2、1日の走行距離は275km
毎日、上限の275kmを走ったとして、
全走行距離(空車走行を含む)から1km単価150円とする。
275km×150円=41,250円/1日の売上
41,250円×25日勤務=1,031,250円/一か月の総売り上げ
1,031,250円×歩合率63%=649,687円が一か月の税込総支給額
これに12か月を掛けたら、7,796,250円が税込年収。
5万円の財布を使ったところで200倍の1,000万円には220万円不足だ。
総乗務時間の上限も299時間だ。
1時間当たりの平均売上が2,000円前後。
一か月に約300時間の乗務が可能だから、
時間当たり2,000円×約300時間=600,000円/月間売上
時間からも、距離からも、結果は『似たような売上』になるのが実情だ。
まぁ、まじめに12時間×25乗務すれば、600,000万円の売上にはなる。
それでも、36協定を締結した上『時間外労働』の結果、この程度である。
実際のところ、一般のタクシー乗務員が頑張ったところで、
『よく頑張ったね』と言われる人は6〜70万円を売上るのがやっとだ。
ここまで売り上げる人の月収は45万円程度だから、
世の中から見たら『ちょいマシ程度』だろう。
ここから租税公課を控除されて、
住宅費やら車の維持費、その他支払をした可処分所得など、
たかが知れている。
このように、財布の値段が年収を決めるなんて根拠がない嘘八百である。
こういう『他力本願』で金運を呼ぼうなんてやっていても、
おカネがどうやって生み出されて運ばれてくるかを考えて、
実践しないと財布の色が黄色だろうが、
年収の1/200の値段の財布を持とうが、
結局は『散財しておしまい』なのだ。
おカネはどうやって運ばれてくるか・・・。
1、労働により
2、仕事により
3、仕組みにより
これしかない。
日々、いろんな人のお財布を拝見するが、
お財布から『その人のおカネに対する意識』が見えてくるのがおもしろい。
余談だが、金運を呼ぶ黄色い財布の主な販売ルートは、
『いかにも!』と思わせる怪しげな通販である。
一旦、購入してしまうと、
金運の財布は思ったより安く買えても、
次から次から『開運グッズ』のカタログが送られてくる。
要は、カモなのである。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※知的刺激の材料として活用いただくために、
あえて誤解を招くような過激な表現をしている場合もあります。
『こりゃ違うんじゃないか』と疑問に思うところから、
発想や気づきを深めるきっかけにしていただければ幸いです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright:(C)2016 Ota-Tadashi All Rights Reserved.
━━<AD>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
地下鉄:門真南駅/JR鴻池新田駅/京阪:門真市駅周辺での、
夜間タクシーのご用命はお気軽にお電話ください。
電話:080−6187−8665
・営業時間…18:00〜翌2:00
・定休日……毎週火曜日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※下記の広告は本記事とは無関係です。