来年の２月２４日から、毎月最終金曜日には１５時に退勤して『消費の活性化』を目指すとかいう。言っておくが『時間が足りないから消費が沈静化している』のではなく『遊ぶカネがないから活性化しないだけ』である。約９７％が中小企業で成り立っているのが日本の会社社会だ。それでなくても『ノー残業デー』が負担になって『仕事を家に持って帰るビジネスパーソンも多くいる』のが現状だ。１５時に『強制退勤』させても『自宅勤務』になれば、あんまり意味がないと思うのだが。金曜日に早じまいをさせる本質は何なのだろうか・・・。
【写真：原資がなくて、何がプレミアムなのだろう】
まず、下請けの負担が増えるのは火を見るより明らかだ。
１５時退勤しようと思えば、
今まで『内製化』できていた仕事が、
外へ流さないと納期に間に合わない。
すると、どうしても協力会社と言う名の、
下請け会社に発注せざるを得ない。
発注担当は『月朝（げつあさ）一番に持ってきて』と指示するに決まっている。
まぁ、これで、下請けさんに仕事が回るから、
お役人は表面だけを見て『経済効果が出た』とかいう。
下請けも、受注が増えるから、
確かに経済効果が出るのだが。
うわべだけの経済効果なんか、もう、どうでもいい。
下請けさんからすれば『今さら仕事量を増やされても』と、
少々困惑気味である。
仕事を断れない下請けは『休日返上』で納期に間に合わせる。
必ず、ムリ・ムダ・ムラが起こり『事故』『ミス』につながる。
政治家や経済団体、旅行会社や飲食店は能天気に期待している。
だが、どう見ても『世の中の仕事のあり方』が変化している。
実際、東北の震災以後『復興需要』が高まり、
建設・建築関係の労働力が不足しているが、
大阪の職人さんたちの見解は少し異なっている。
元請けのピンハネ＋東北の賃金形態では安すぎて受注できない。
よほど、ぶれないポリシーの持ち主で、
正義感溢れる職人でなければ、
正直なところ大阪の６掛けくらいの値段で、
出稼ぎに行き、家賃や光熱費を払って食費も確保しても、
大阪に残った家族に仕送りすらできない、という。
職人を廃業して、工場勤務やら他業種に転職してしまっている。
関西では、慢性的な労働力不足が続いている。
不慣れな他業種だと『未経験の新米扱い』だから、
当然、職人時代と比べても所得水準が下がっている。
工場、食品、飲食、販売、建設、運輸、介護・・・、
多くが安月給で人手不足にあえいでいる。
こんな状況で、プレミアム・フライデー・・・。
今年に入って、給料日すぐの週末が、
予想以上にヒマである。
私の場合は盆明け以後、
昨対比で２５％減が続いている。
さらに１２月に入っても・・・。
忘年会が関係するタクシー需要が減っている。
近隣の上場企業の賞与は昨年との比較で、
１０〜１５％減と聞いたし、
中小企業に至れば『賞与は１か月〜１．５か月分』と、
芳しい話は聞かない。
だいたい、クリスマスソングが聞こえない。
この時期に消費を喚起する常套手段は、
町のあちこちで『クリスマスソング』を流すのだが、
今年は、ほとんど聞こえない。
マライヤキャリーや稲垣潤一も印税が減って寂しいだろう。
なんかっちゃあ『経済効果』が喧伝される。
確かに、若い世代には『バブル時代並み』の、
はちゃめちゃを味わってほしい気もある。
だが、こんな経済状態では、ムリだ。
もう、経済大国なんてのを目指すのなんかやめちゃえばいい。
プレミアム・フライデーの責で『仕事うつ』になる人も出るだろうし、
もっと、言えば『この国、全体が「うつ状態」』だと感じる。
経済大国の復活を目指すより『文化的大国』にシフトした方がいい。
経済効果、経済効果って、中身の薄いワンパターン政策だ。
そんなことに『うつつをぬかす』より、
おカネを使わなくても精神的に豊かな『文化大国』を目指した方がいい。
プレミアムの裏側で『プアー・フライデー』が拡散する気がしてならない。
しょうもない金曜日の早じまい・・・。
これに『ハッピーマンデー』がくっついたりすると、
カネがないファミリーは冷暖房完備のメガマートで、
日がな一日、時間を潰すだけだ。
さらに、回収システムが機能するだけじゃないか。
これが、本当の経済効果なのか、疑問だ。
遊ぶ時間ばかり作って『経済効果』とかいうが、
本当に経済効果を図るなら、
国民に遊ぶ時間ばかり与えず『労働強化』を敷くのが本筋だ。
やっていることと本質がブレまくっていると、私は思う。
ひとこと言ってもいいかな・・・くたばっちまぇ〜！
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