●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●素人の白タク合法化を考える。

昨日、ネイチャークラブを脱退した話を書いた。理念ばかりが先行し実績の積み上げが伴っていない。加えて、情報収集だけは長けている。今の若い世代は『すぐ、ネット情報を鵜呑みにする』という傾向が強い。こう言っては何だが『社会規範』を身につけず、何が理念だ、何がプロジェクトだ!と、感じている。こういう人たちを利用して、政治の水面下では『素人の白タク合法化』の動きが進んでいる。



【写真:実績を積み上げなければ、人は集まらない】


すぐ、鵜呑みにする、と書いた。


ライドシェア、シェアエコノミー、なんちゃらシェアー・・・、
どれも、これも、マスメディアが喧伝している。
民泊もライドシェアも耕作放棄地の再生などが、
ビジネスの世界では『新しい投資先』として注目されている。


若い人たちの一部は、何の疑問も感じず『よいもの』と思わされている。


現在の私のナリワイは『タクシードライバー』だから、
この記事では『ライドシェア』を斬ってみる。
多くの若い人は『タクシーは規制に縛られ、泥臭いオジンの職場。
だから、ライドシェアで新しく雇用創出しましょう』とかいう。


そういう人に限って、ほとんどタクシーなんか乗らない。


一部の過疎地域のNPOが『福祉輸送』を、
一般人の自家用車を用いて『社会実験』を兼ねて、
ライドシェアを導入しているのはテレビ報道で見た人は多いだろう。


言っちゃ悪いが『儲かる商売』には程遠い。


ライドシェアを実現するために、
マスメディアは『高齢者事故』を執拗に取り上げる。
そこに、のどかなイナカでライドシェアの社会実験を映像化し、
朝昼晩晩、ニュースの特集で流す。


社会性に疎く、疑うことを知らない若者は『ころっ』と騙される。


本当にライドシェアが狙っているのは、
イナカの市場ではなく大都会の市場だ。
だが、利便性が高く、精緻で洗練されたタクシーサービスがある都会で、
ライドシェアと名を変えた『素人の白タク』を認可したら、
あなたは、乗りたくなるのだろうか。
あるいは、新しい働き方としてチャレンジしてみるのだろうか。


例えば、『安全性は、どうするんですか?』と聞きたい。


法人タクシーであれば、毎日、出入庫時の点呼を行う。
運行管理者は、乗務員の健康管理にも気を配る。
これが、素人の白タクになったら、どうなんでしょうかね。


二日酔いでもチェック機能がなく、そのままお客を乗せることも想定範囲だ。


福祉輸送にしても、高齢者が早朝に倒れる。
深夜に赤ちゃんが、ひきつけを起こして病院に行きたい。
そんな時間帯に『素人の白タク』が来てくれるのか。


我々は、そういう事態にも対処できるよう24時間365日、営業している。


もちろん、そうそう、高齢者や乳幼児の病院搬送はなく、
やはり『儲かる時間帯』には『歓楽街の酔っ払い』を家まで送り届け、
全体的な売上を作って生活費を確保しているのだ。


素人の白タクは、自分の空いた時間帯や、自分の都合でしか来てくれませんよ。


今の、福祉輸送でもそうだ。
一生懸命やっておられるし、非常勤で来てくれないか、というオファーもいただく。
はっきり言って『運行人員が集まらない』ので、
結局は、輸送サービスが成り立たず、
事業として破綻している。


新しい働き方も結構だが、大事なことを忘れていないか?


乗客の安全確保、社会的な安定供給、多様なニーズへの対応、
言うことを聞かない乗客への毅然とした対応や処置、
各種法令の知識・・・。


ボランタリー精神だけでは事業にならない。


ボランティア的雇用では身分も生活もままならない。
そんな不安定な賃金や雇用条件で、
長きにわたって働き続けられるのだろうか。


また、政治のウラも読まないといけない。


事実、ライドシェアも政治の世界では認可の方向で話は進んでいる。
政府の審議会、委員会にしても『賛成派』で固め、
最初から反対派は入れずに水面下でコトを運ぶ。
推進の進め方は『賛成派の一方通行』である。


これが、民主国家のやることか?


多角的な意見で議論しないといけないところを、
推進派だけで話を進めて議論するわけだから、
ライドシェアという素人の白タクだって通ってしまう。


一番怖いのは、何もわかっていないネット世代の若い人。


彼らは、ライドシェアが『いいもの』と信じ込まされている。
昼間の奥様番組で東京都政なんかが関西ローカルで放映されるのを見ても、
今の政治は『劇場型』の政治社会なので、
イメージだけで突っ走るのが『現代社会の怖さ』だ。


素人の白タクが走り出したら・・・。


過去の歴史の中で築き上げた『公定幅運賃』もなし崩し。
今以上に、運賃体系が『わかりにくくなる』。
利用者にとって、料金がわからないのは怖いはずだ。
そのために公定幅運賃を作って守ってきたのに、
これも完全に崩壊してしまう。


事故が起きてからでは遅いのだが。


ライドシェアの軌道修正ができるためには、
事故が起きるのを待つ・・・というのが業界全体の見方だ。
さらに、乗客不足のバス路線の軒並み廃止、
鉄道に至ってはJR北海道が赤字路線を相当数、切り捨てる。
その補完に『ライドシェア』ですか?。


無理でしょう。


私たちは、少数の乗務員を除いて『常に安全運行』に努めている。
人さまの輸送サービスに『素人の白タク』が対応できるのか。
食品や人体に関わることには『ナーバス』になっているが、
移動手段の『交通』に関しては『思考停止』になっている。


理念だけでは安全は担保されない。


単に規制緩和して『経済効果』が出たらいいというが、
タクシーですら、大して儲からない分野に、
素人の白タクが儲かるはずもなかろう。


いかにネットの鵜呑みやメディアの信じ込みが危険か。


我々、タクシー業界も反省点は山積している。
今の交通体系を補強してサービス面はもちろん、
高齢者、地域、外国人、オリンピック、万博・・・、
それらの対策も進んでいる。


適性な競争条件できちんとした安定供給と安全担保。


素人の白タクが『公共交通機関』という同じ土俵で、
何をどう戦ってくるのか。
それ自体が『狂っている状態』ということを、
利用側も、少しは考えてみてはいかがだろうか。


素人の白タク合法化阻止は、この半年が勝負だと思っている。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※知的刺激の材料として活用いただくために、
 あえて誤解を招くような過激な表現をしている場合もあります。
 『こりゃ違うんじゃないか』と疑問に思うところから、
 発想や気づきを深めるきっかけにしていただければ幸いです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright:(C)2017 Ota-Tadashi All Rights Reserved.


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼♪ニートは楽だが親が泣く♪▼
https://www.youtube.com/watch?v=iLzVl6Gyvjk&list=PLb1TIXcgxkf6JsWk18LAGr7Kfx3S2sSoK
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



━━<AD>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


地下鉄:門真南駅/JR鴻池新田駅/京阪:門真市駅周辺での、
夜間タクシーのご用命はお気軽にお電話ください。


電話:080−6187−8665


・営業時間…18:00〜翌2:00
・定休日……毎週火曜日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
































※下記の広告は本記事とは無関係です。