●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●答えは、現場にしかない。

未解決事件を担当する捜査員は『現場、100回』という。100回でも解決しなければ、1,000回でも現場に通う。しつこく『仲良しネイチャークラブNPO』のネタで恐縮だが、耕作放棄地の再生がメインならば、やはり『その地域の現場』にしか、新たな展開の答えはない。主宰者である『ジャンク屋の若大将』は『地縁型ではなく、ウチはテーマ型』を力説した。意向は十分に理解できるのだが、地域と密着して、その上で『テーマを推進』しないと、結局は『絵に描いた餅』である。設立から見守ってきたが、大阪府河内長野市大阪府門真市兵庫県加西市、神戸市(六甲)、研修に愛知県と、広範囲に広げていた。コアメンバーが10名前後のクラブで、こうも範囲が広がると、交通費、移動時間、その他もろもろの目に見えない経費が発生し、大丈夫なのか・・・と思っていた。案の定、主宰者が居直るように『これは儲かる分野ではない』と言い訳がましい開き直りの発言になってしまう。



【写真:ランチェスター戦略の本でも読み直したらどうか?】


今年に入って本業の『タクシー屋』での『活動拠点』を変更した。


▼従来▼
1、地下鉄門真南駅━70%
2、JR鴻池新田駅━20%
3、京橋駅周辺━━━10%


▼現在▼
1、JR鴻池新田駅━70%
2、地下鉄門真南駅━20%
3、京橋駅周辺━━━10%


なぜ、このように変更したのか。


JR鴻池新田駅に待機する乗務員が退職し、
欠員ができたのが大きいが、
それ以外に『JR鴻池新田駅周辺は東大阪市でも、
3番目に人口密度が高い』という理由がある。


ただ単に、人口が多いだけではダメなのだ。


人口密度が高いということは、
住民の属性は『雑多』だが、
それでも『分母が跳ね上がる』から、
タクシーの利用が増える。


人口密度が低い大東市にはスナックビルは1軒しかない。


逆に、人口密度が高いJR鴻池新田駅周辺には、
スナックビルは3軒あり、
駅周辺にも居酒屋、焼き鳥屋、割烹料理店、回らない寿司店
接待向けの創作中国料理店など、胃袋を満たす店が多い。
それを支えているのが、機械団地や周辺企業人、住民である。


駅周辺の人口密度が高いと、雨降りにはタクシーがフル回転する。


地下鉄門真南駅周辺の人口密度は低く、
雨天でも、タクシーの回転は晴天と比較して、
10%程度の伸びにとどまる。
JR鴻池新田駅に拠点を移して、
売上が40%の伸びになった。


これも、長年の経験値に加えて『足で稼いだ情報』が功を奏した。


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◆テーマ型より、地域密着型
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あちこちに拠点を作ると移動時間や経費がかかるのは前述した。


中小企業は見栄を張って、
『うちは、近畿一円、声がかかれば全国どこでもいきますっ!』という。


これは、大変、非効率である。


ただ、救いなのは『商売』だから、
販売価格が高く『粗利』も多ければ、
何とか成り立つ。


本来は、支社や支店があってこそ『近畿一円、全国各地』だ。


『仲良しネイチャークラブNPO』はあちこちに活動を広げ過ぎた。
実際に拠点らしきものがあるのは、
広大な土地を貸与してもらっている河内長野と、
自治体の施設に事務所を設けた門真市だけである。


結局、テーマ型とか言いながら、地域密着になっているじゃないか!?


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◆地域密着型の伸ばし方
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まずは、地域の特産を見つけること。


・特産品は何か
・どんな加工食品があるか
・どんな販売ルートがあるのか
・何か開発したい商品はないか
・何か困っていることはないか


こういうことを、地元の農業経営者に直接、話を聞くことだ。


仮に、酪農をやっている農家があるとする。
みんな思いつきで『乳製品』を考える。
だが、酪農家は『生乳を1円でも10円でも高く売りたい』。


NPOが思いつきで『ヨーグルトを作ったら?』とか言ったとする。


酪農家の思いは『生乳を高く売ること』だ。
NPOが言う『乳製品』となれば牛乳を安く卸さなければならない。
当たり前だが、酪農家と直接交渉は難しく、
業界団体に一括納入されているので、
その団体と交渉し、意向を説明して、協力を得るという、
非常に面倒くさいステップを踏む。


乳製品は、後継者の発掘と酪農再生を目的しないと協力は得られない。


仲良しクラブが、軽いノリでやっていても、
地域の農業関係者は冷ややかにしか見ていない。
さらに、例えば『山田さんの耕作放棄地』を借りたとしよう。
周囲にいる田中さんは『なんで、山田んとこだけなんや?』とひがむ。


こういう、超保守的業界は『あらゆる根回し』が不可欠だ。


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◆営業型で、まず、顔を売る
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会社であれ、NPOであれ、自治体であれ、
すべては『交渉事』にはじまる。
特に、超保守的業界は『新しいものに警戒する』のだ。


仮に『農協なんかクソくらえ』と思っても、農協を味方につける。


農業関連の情報は『農協』に集約される。
ご存知のとおり、農協は『農業家中心に顧客を持つ金融機関』だ。
どんな商売でも、金融機関を味方につけたら、有利になる。


こんなこと、あたりまえじゃないか。


農協と仲良くなって、
農業の外郭団体とのルートも確保する。
こういう風に『筋道を立てて行動』しないと、
全てが徒労に終わる。
NPOの役割は『旗振り』で十分だ。


地域と縁ができて『はじめて、テーマ型』らしい提案ができる。


昨日も書いたが、パワーポイントでの写真と言葉のプレゼンでは、
相手は海千山千のプロで、通用しない。
むしろ『何かお困りごとはありませんか?』から入る。
自分たちで、勝手にやりたいことを考えて現場に落としても、
実際は、地域で『浮く』だけである。


事実、そうなっている。


営業型といっても『売るものがない』のだから、
その点は、相手も警戒しない。
むしろ『何に困っているのか』の実態調査となれば、
ある程度のホンネはつかめるのだ。


まず、顔を売って、名前を覚えてもらうことである。


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◆作物は、本職に任せ、商品開発とマーケティング
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島根県のある町は『グルメの町』で観光客が増えている。


いろいろ苦労しているようだが、
その苦労が実って『島根産食品』を使ったカフェなんかが人気だ。
それも、町役場の地域観光課の職員が尽力している。


従来の役人とは違って『稼ごう、儲けよう、再生しよう』の本気モードだ。


その職員は、とにかく足で稼いで『第一次情報』を集めてくる。
ジャンク屋の若大将のように『手抜きFacebook』で、
情報を垂れ流すのとはわけが違う。


私の後輩が、京都で個人タクシーを開業し『京都グルメタクシー』を走らせている


その君は、休日には、自分の足で近隣の飲食店を回り、
自分の舌で『味』を確かめ、
場合によっては、店主に『新メニューの提案』までやっている。


関東からのリピーター客が多く、予約は数か月待ちだ。


何がウケているかといえば、
マンネリ化した懐石料理や、
南禅寺の湯豆腐のような『おのぼりさんメニュー』ではなく、
京都人が、普段使いで行く『隠れ家的な店』や、
地域御用達の和菓子店など、決してガイドマップには載らない店を、
自力で開拓して、お客を呼んでくる努力をしている。


本人も、もともと、料理人を目指していた。


だが、今は、料理人とは『プロの会話』はできるが、
せいぜい、提案で止めて、調理全般はプロの料理人に一切を任せる。
自分は、タクシーのプロとして、
案内先を常に開拓し、顧客を次々に新しい店に案内する。


少々、貸切代がかかっても、そいつのタクシーにしか予約しない。


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◆手始めに・・・
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野菜づくりは、趣味の範囲でも十分だ。
事業となれば、やはりプロに任せた方が早いし安定している。


重要なのは、地域ブランドの発掘だ。


こういうのが収益を生むし、
関わっている人たちのノーハウが活きてくる。
野菜と言えば、けっこうオシャレなのを思い浮かべる。


だが、もっと『つけもの』などを見直したらどうか、と思う。


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◆アイディアなど難しくない
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私は、よく、アイディアマンとか言われるが、
実際は、そんなことはない。
新しい企画と思われるが、企画なんてのは、


知識A+知識B+知識C=新アイディア(知恵)


こんな程度なのだ。


だが、『知識』⇒『実践』⇒『失敗』⇒『知恵』


こんな風に、失敗を重ねないと『知恵』はつかない。
ジャンク屋の若大将は『〇〇は、頭いいのに、発想が・・・』とか言っていた。
カンタンである。
だが、知識と失敗のストックがないと、知恵は出てこない。
だから、失敗はとても重要な要素なのだ。


悲しいかな、仲良しネイチャークラブNPOは・・・。


実践も失敗もないから、
ただの知識の詰め過ぎで、
知恵が出ないだけである。


テーマ型が行き詰まっているのなら。


せめて、アイディア出しでもやったらどうだろうか。
アイディア出しは、企画の基礎の基礎だ。


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◆今日のまとめ
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1、地域密着型の確立
2、特産を見つける
3、営業型で顔を売って、困りごとの発掘
4、作物は、本職に任せ、商品開発とマーケティング
5、アイディア出しが肝心


いかがだろうか・・・。


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▼ちきりんの日記▼
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/
★なかなか、鋭い視点で、勉強になるよ★
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※知的刺激の材料として活用いただくために、
 あえて誤解を招くような過激な表現をしている場合もあります。
 『こりゃ違うんじゃないか』と疑問に思うところから、
 発想や気づきを深めるきっかけにしていただければ幸いです。
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