●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●農村暮らしの実情。

ジャンク屋の若大将の後方部隊が『ウチの主人は行動で示す人ですっ!』と息巻いている。志は立派だが『行動』の果ては『農村で自滅』が目に浮かぶ。これは、決してバカにして言っているのではない。かつて、私は新卒で入社した自動車ディーラーで、農村部の『業販営業』で京都の中・南丹方面を担当した。定期的に『新車の展示会』を開催するのだが、都市部と異なり『昼間には、客が誰も来ない』のである。だが、日の暮れとともに、電話が入り『誰も来ていなかったら、見に行く』と、周囲を気にしながら、客がやってくる。要は『顔が刺す』のを極端に嫌うのだ。農村部の人たちは『集落をひとつの家』と捉えている。家族構成から、子供たちがどこの学校に行き、どんな会社に就職したか、などの干渉など当たり前。極論すれば『資産状況』まで『筒抜け』なのだ。これが、農村の実情である。



【写真:町の暮らしにはプライバシーが確保できるのはなぜだろう】


核家族でプライバシーが守られる・・・。


都市部では『当たり前』のことだ。
これは『近隣と関わらなくても暮らせるだけ豊かな証拠』である。
田舎になれば、近隣と共同体を作って暮らさないと、
生活が回らない。


かつて、農村が貧困だった時代の名残りでもある。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆農村の人が都市部の人を警戒するのは・・・。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


よく、若い人が田舎に移住するときに言うのを列記しよう。


・自然が好きだから
・自然の中で、人間らしく生きたいから
・絶滅寸前の動植物を守りたい
・エコの原点に立ち返りたいから
・足が地についた文化の発信を地方から行いたい
・都会暮らしに疲れたから


どれも、うさんくさい。


田舎には事件などないと思っている人が多いが、
実のところ、田舎は犯罪の温床だ。
特に、都市部から『変な大義名分』を持ってやってきた若い連中は、
村社会に溶け込むことなく『こそこそ』やっている。


産業大麻栽培を盾に、大麻所持で逮捕された連中が山ほどいる。


こういう報道が重なると、
それでなくても警戒心が強い農村の人たちは、
大義名分を持って移住してきた若い人を、
特に、警戒するのである。


何も、悪いことをしていなくても・・・。


それでも、いろいろ『試される』のが、
村の共同体である。
移住者が仮に共同体に入ったとしても、
公民館では『末席』である。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆思いやりに満ちた人々との温かい交流・・・?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


最初のうちは『興味本位』で、向こうから探りを入れてくる。
やれ、畑で採れ過ぎた玉ねぎを『てんこもり』もらったりする。
事情がわからないと『これぞ、思いやりに満ちた人の温かさ』と思う。
実際は、どの農家も『玉ねぎ』を収穫している。
だから『よそ者』にやるしか方法がない。
受け入れ先がなかったら『廃棄』しか選択肢がないのである。


こんな事情がわかっていないと『移住は間違いではなかった』と自信に満ち溢れる。


だが、先行き不透明で『儲からない分野』とわかっていて、
農村移住に憧れるのだろう。


・都市生活で、隣人と仲良くしたか・・・?
・町で商売を始めたとき、商店会の会長に可愛がってもらったか?
・ぎすぎすした都会では、近隣の交流は無理と思ったのか?
・少し試したが、うまくいかなかったから、中止したのか?
・町の人付き合いが『うっとうしく思った』のか?
・だから、町で『農業再生』の『テーマ』を掲げ、共同体を作ったのか?


農村暮らしはテーマパークではない。


ひとつ言えるのは『都会暮らし』で『自立できていない』ことに気づかず、
憧れで農村暮らしに突入すると、
最初は、歓迎のポーズで迎えてくれるが、
それは『探りを入れられている』のである。
しばしの間、思い描いたイメージそのものに感動するだろう。


とうとう、念願のひとつが叶った!。夢は叶えるためにある!と豪語するだろう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆農村共同体のめんどくささ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


まず、農作業の共同作業が襲いかかる。


さらに、村の行事には強制的に参加だ。
あたりまえだが、青年団にも入らされる。
選挙が近づけば『後援会のお手伝い』。
挙句は、消防団に入って、定期的に河原で消防訓練。


また、冠婚葬祭も、親戚づきあいより鬱陶しい。


都市部では『家族葬』が主流になり『お香典は故人の遺志により辞退』。
ところが、葬儀会館が普及していない農村部は、
公民館での葬儀が強要される。
かつての都市部のお香典よりは相場は低いものの、
これだけ高齢者が多い現在『葬儀の回数』はハンパではない。
何も農村部に限らず、我が大東市の古い地区の人は、
しょっちゅう冠婚葬祭に出向いている。


田舎だと、冠婚葬祭をいい加減にしたら『制裁』に近い扱いを受ける。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆自分の考え方など、二の次である
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


農村部で、一番厄介なのが『選挙』だ。


公示前から『誰が当選するか』は半ば決まっている。
私が仕事で少し関わった『地方のコミュニティFM放送』の、
女性社長が『町長選挙』に出馬したとき。


強面(こわもて)がやってきて『200万で手を引け』と迫った。


この女性社長は屈せずに立候補したが最後、
家に、車に、仕事場に、いろいろ『嫌がらせ』が続いた。
地元警察も、なかなか手が出せず、
結局は『嫌がらせ事件も未解決』で闇に葬られる。


まぁ、選挙の話は、長くなるので、別の機会に。


カンタンに農村社会の実情を述べた。
だが、勘違いしてほしくないのは、
『都会暮らしに疲れた』とか、
そういうのは農村では通用しない。


都会暮らし以上に、気苦労が絶えないのが農村暮らしだ。


プライバシーなんぞおかまいなし。
相手の都合など関係なく押しかけて家に勝手に上がる。
都市部育ちの人からすれば『個人情報』がどーたらと思うが、
農村部は『集落を一つの家』と考えている。


厳しい環境での生活を乗り越えるために何世代も続いた共同体。


農村部の『異常な共同体』は貧困を克服する必然的な知恵だった。
だが、新参者が『寂しいから』と『変に積極的に接近したら・・・』。
興味本位で寄ってくる人を、
警戒心が強い農村部の人はカンタンに受け入れない。
それでも、付き合ってから嫌われることが、
相当に根深いことに気づくことになる。
こうなっても、農村共同体にとって、痛くもかゆくもないのである。


ここに書いたのは・・・。


私が『実際に行動して現場の本質をイヤというほど』見ただけだが・・・。
これでも、私が『何も行動しない、憶測で文句を言う能書き垂れ』なのだろうか。


関わらず嫌われるのは、傷が浅い。
だが、関わって嫌われて四面楚歌になれば、
それこそ根が深くなり『農村暮らし』では取り返しがつかない。


夜逃げ同然で、町に帰ってくることになろう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ちきりんの日記▼
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/
★なかなか、鋭い視点で、勉強になるよ★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※知的刺激の材料として活用いただくために、
 あえて誤解を招くような過激な表現をしている場合もあります。
 『こりゃ違うんじゃないか』と疑問に思うところから、
 発想や気づきを深めるきっかけにしていただければ幸いです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright:(C)2017 Ota-Tadashi All Rights Reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



━━<AD>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


地下鉄:門真南駅/JR鴻池新田駅/京阪:門真市駅周辺での、
夜間タクシーのご用命はお気軽にお電話ください。


電話:080−6187−8665


・営業時間…18:00〜翌2:00
・定休日……毎週火曜日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
































※下記の広告は本記事とは無関係です。