●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●閉鎖的な「むら社会」の本質。

『ジャンク屋一家が農村に移住する計画』を喝破するネタ続きで恐縮である。『ウチの主人は行動で示す人』だそうだが、行動すればするほど深みにはまって『取り返しがつかなくなる』のが見えている。『行動で示す』とか言っているが、単純明快に言えば『不便な農村に引っ越しする』だけの話だ。引っ越し程度で『行動で示す』なんて豪語していたら、周囲に笑われるのがオチである。



【写真:まぁ、上がって、ぶぶ漬けでもどうどすか?】


京都人が、やんわりと外様を追い返す決まり文句だ。


私は京都生まれの京都育ちだから、
ぶぶ漬けでも・・・とか言われたことがない。
だが、以前勤務していた広告屋で、
関東出身の営業さんは『本当に言われました』と聞き、
ぶぶ漬けの伝説はホンマにあったんや、とびっくりした。


京都には、いろんな風習がある。


細かいことは省くが、
要は『観光には、なんぼでも来ておくれやす。
せやけど、住んでもらうには、ちょっと敷居が高いどすえ』。


まず、賃貸物件を借りたら、よそ者は仰天するだろう。


契約更改時の『更新月』には、
『通常の家賃に加えて二か月分の家賃を払え』である。
こうすることによって、
本当に京都に住み続けたい人のみを『ふるい分け』するのである。


こうやって外様を退けて、千年の都を守ってきた名残りだ。


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◆むら社会を考察する
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一次産業が主なナリワイ(生業)の時代、
家単独では、まかないきれない多くの仕事があった。
その暮らしを補完するために『むら社会』ができた。


農村にはいろんな仕事がある。


・道普請(みちぶしん)の整備
・水路の造作
・入会地の管理
・苗つけ、田植え、収穫
・亡くなった人の『弔いごと』


むら社会では、各戸から人を出して共同で行うのが当たり前


都市部に映れば、二次産業、三次産業が主流になり、
家同士が『補完し合う必要がなくなった』。
せいぜい、ゴミステーションの掃除や年に一回のドブ掃除程度。


それぞれの生計が『独立』しているから過干渉もない。


道路整備も、川の補強も、共有地の管理も、
まぁ、役所に任せておけば済むし、
ほぼ『無関心』でも、そうにかなっている。


むら社会では、そうはいかない。


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◆むら社会、どこに本質があるのか
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にわかに都会育ちの若者が来ても、むらのノーハウは明かさない。


テーマだの、空間だの、土地の有効活用だのと、
能書きを垂れても『警戒されるだけ』である。
むら社会は『一代では築けない知恵や経験を集落単位で共有している』。
もう、何世代も続く『その土地で生き続けるノーハウ』だ。


そんなもの、外様に教えるだろうか?


・あの山の、あの辺にいけば、山菜がたくさん採れる
・その向こうには、いい水が湧いている
・ここは、昔、洪水でひどい目にあったから誰も住まない
・この品種は、この土壌では根付かない  など。


いわば『生存のための技術共有』がなされている。


ブームでやってきて、
たまに収穫物でバーベキューをするのは、
まぁ、むらも多少は賑やかになって楽しいだろう。


だが、むら社会の共同体は『生活を保障する装置』だ。


その装置が『むら』という『大きなうつわ』で形成されているのだ。
町の若者がテレビのDASH村なんぞに触発されて、
テーマ型NPOで、どーたら、こーたらと能書きを垂れても、
むら社会の共同体は『生活保障装置』はやすやすと見せない。


先祖代々続く『時間の継承』こそが『むらの本質』だ。


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◆保守的な世界
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ナリワイ空間を見て喜んでいるのは『外様』の証拠である。
たまに、遊びに行ったり、貸農園で好きな作物を育てるのは楽しい。
だが、脈々と続く時間の継承こそが『むらの本質』を見逃すと、
間違いなく『排他的扱い』を受ける。


行動すれば、するほど『空回り』して、資金も底をつく。


こうやって考えれば、
農村の『むら社会』も『京都のくらし』も、
いろいろと共通点が見つかる。


どちらも『脈々と続く、時間の継承が本質』だ。


都会暮らしに疲れたから田舎暮らしというのは、
ただの逃げ口上にしか見えない。
さらに言えば、田舎に引きこもってどうするというのだろう。


私に『あなたは、ネイチャークラブに何をしてくれるのか』と聞いてきた。


こうやって、タダで『保守的な共同体の本質』を教えているではないか。

このネタは、私自身の経験やいろんな調査で知り得た一部を示している。
同じ京都でも、国道9号線で老坂峠を超えて、
亀岡市南丹市に入れば『まったく文化が異なる』のだ。


大阪でも、同じことが言える。


河内長野市、富田林市、南河内郡河南町にも知人がいる。
中でも、富田林在住の家内の旧友は『農家』に嫁いで、
兼業しながら、農家とは離れた阿倍野のマンションをキャッシュで買った。


なぜだか、わかるだろうか・・・?


何十年も農家の嫁を辛抱しながら、
働いた給料を貯めに貯めて『都会に隠れ家』を手に入れた。
もちろん、むら社会の共同体にも属しているが、
ときどきは、職場に近い隠れ家で『のんびり過ごす』という。


農村がいいか、都市部がいいか、それぞれの価値観だ。


だが、保守的な共同体の『本質』を知っているか知らないか、
対処法はどうするのか・・・。
こういうのは、身をもって体験しないと、
きっと会得できないだろう。
だから、そういうことは、記事には書かないでおこうと思う。


いかがだろうか・・・。


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▼ちきりんの日記▼
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/
★なかなか、鋭い視点で、勉強になるよ★
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※知的刺激の材料として活用いただくために、
 あえて誤解を招くような過激な表現をしている場合もあります。
 『こりゃ違うんじゃないか』と疑問に思うところから、
 発想や気づきを深めるきっかけにしていただければ幸いです。
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