●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●意識的に「分母」を増やすと・・・。

分数の話。1分の1と100分の100、算数では『どちらも同じ「1」』である。だが、人間の世界、とりわけ『組織』や『協働作業』の分野では大きく違うという話をしよう。



【写真:同じ1でも、100分の100の方がおもしろい】


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◆製造業だと・・・
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例えば、楽器のギター作り。


職人1人が全行程を手掛ければ『1分の1』。
職人100人が各工程を分担して仕上げれば、
形は同じギターの製造でも『100分の100』。


1分の1は『経験』や『技術』が凝縮され、高価なギターになる。


一方で、リーズナブルなギターは『100分の100』の仕上がり。
1分の1の工芸品のようなギターではないが、
安価で、初心者でも手を出しやすい。


ここで、商売の本質。


100分の100のギターは、
工芸品のような付加価値こそ見られないかも知れないが、
100分の100ならではの魅力がある。


それは・・・。


それぞれの工程に『特化した職人』が、
長年培った『専門知識』と『技能』の集大成である。
各工程の職人は『スペシャリスト』。
職人が力を注げば注ぐほど、
ギター1本1本が『違うギター』になる。


分母の数が多ければ多いほど、面白みが増していくのである。


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◆組織で考えてみよう
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経営者や役員、管理職も含めて、
会社には『いろんな個性』が集まっている。


1、総合職
2、専門職
3、一般職


『成功本』の類だと、リストラされにくい上位職に・・・とかいう。


まぁ、事実、そうなんだけれど、
バブル世代が管理職に就いている時代、
案外、人の評価ができない『ふし穴』の目しか持っていない。


下位の職にいる人だって、新しい課題が出たときに真価を発揮することもある。


今まで、目立たない存在だった人が、
会社存続の転換期に『いろんな課題』に直面し、
課題解決のために一丸となって動き出すと、
『おぉ!こんな一面があったんや!』とびっくりすることがある。


人間の能力など、地球の営みから比べたら、似たり寄ったりだ。


目立たなかった人が真価を発揮するのも、
そこに目をつけて仕事を振り分ける人も、
すべて『分母が大きい』から成せる技だ。


名ばかりの株式会社の1人親方だったら・・・。


どうあがいても1分の1だから、
その会社(店)の限界は、社長(親方)の能力の限界とイコールだ。
もちろん、得意分野のブレインに外注することも可能だが、
この場合は、単なる取引に過ぎず、
共同の取り組みにななり得にくい。


分母が小さいと、分子も小さく、面白みも比例する。


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◆商売も、協働の余暇活動も分母次第で、同じこと
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先日来、ジャンク屋一家の移住計画をこきおろしている。


要は、人心離れで『分母も分子も小さくなっている点』が、
すごく懸念材料に感じているのだ。
いくら、行動で示すと息巻いても、
泳法が未熟なのに『水泳は体にいい』と言われて、
真冬に準備運動もせず、ライフジャケットも着用せずに、
寒中水泳にチャレンジしようというのと同じ。


1haの耕作放棄地を耕作可能に戻すには2百万円かかると聞く。


ジャンク屋の若大将が主宰する『ネイチャークラブNPO』、
年会費は5,000円だから、会費だけで費用を捻出しようとしたら、
単純計算で400人の会員を集めないと開墾できない。


もちろん、2百万円には人件費も含まれている。


人件費を差し引いても、
1ha(=100a)を開墾するには、
100人程度の会員を集めて、
1人あたり1a(約30.25坪)ずつ担当するくらいじゃないと、
実現は難しいだろう。


1人で工作機械で掘り起こし、農機で耕してもカネはかかる。


『3,000坪はあろうかという広大な・・・』とか言うが、
たかだか100m四方、1万平米である。
農地で1haなんて、多くの農家が夫婦2人程度で十分にやっている。


商売じゃなく、理念や目的重視なら・・・。


『賛同者』を多く集めるのが先決だ。
NPOの参加条件は『賛同する』ということだけである。
その賛同者を多く集めるには広報も必要だし、
いろんなイベント開催も不可欠だろう。
あちこちの関連イベントに便乗して、
PRしたり、プレスリリースしてメディアに『書かせる』のも大事だ。


そのためにも、個性豊かなスペシャリストの分母を増やすのが一番だ。


目的や理念も大事だろうが、
そればかりを追求していたら『1分の1』に近づいていく。
だったら、NPOなんてやめてしまって、
ただの農家に転業すればいいのである。


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◆まとめ
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挑戦する課程に『代表選手』だけではなく、
1人でも多くの仲間が加わってこそ、
その目的達成は近くなり『躍進』する。


分母の数だけ、生命の歓喜も大きくなるということだ。


1分の1がいいのか、
100分の100がいいのか、
自分の頭で、よく考えてみよう。


NPOであれ、企業体であれ、同じことがいえると思う。


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▼ちきりんの日記▼
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/
★なかなか、鋭い視点で、勉強になるよ★
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 あえて誤解を招くような過激な表現をしている場合もあります。
 『こりゃ違うんじゃないか』と疑問に思うところから、
 発想や気づきを深めるきっかけにしていただければ幸いです。
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