●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●京都の敬語。

京都を離れて、今年でちょうど20年になる。だが、生まれて以後30年余、京都で暮らしたからか、無意識に京都の感覚が出ているらしい。



【写真:広島で見かけた旧京都市電(昭和53年9月全廃)は懐かしかった】


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◆京都人の微妙な『〜はる』。
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東京資本が京都に来たら『また、東京資本が・・・』と冷ややかだ。


京都の茶店が東京にアンテナショップを出し、
さらに、京都の観光地に『おのぼりさん向けの支店』を出店すると、
『おのぼりさん』の『あほみたいな行列』ができる。


JR京都駅やJR大阪駅に『伊勢丹』が来たときも。


よく乗ってもらうお客さんと、
伊勢丹の紙袋を下げた人って見かけますかね』なんて話で盛り上がった。
大阪近辺で伊勢丹の紙袋を持った人はほとんど見なかった。


『まぁ、おのぼりさんが、お帰りの時に土産モンを買いはるんちゃいます』


大阪市内では『伊勢丹の紙袋』なんてほとんど見かけないのに、
一旦、JRの改札を入ったら『おのぼりさん』おぼしき集団が、
案の定、伊勢丹の紙袋を下げて『〜だよね』とか言っているのを見かけた。


京都人から見たら『伊勢丹』は『余所者』の扱いで『ふ〜ん』という感じだ。


余所の人から見たら『へぇ!?』と思われるかも知れないが、
京都人は『伊勢丹』は呼び捨てだが『大丸』は『大丸さん』である。
これは、営業マンが相手企業に『さん付け』で呼ぶのとは、
少し感覚が異なる。


イモに『さん』を付けるのは京都だけなのか・・・?


私ら、普通に『おイモさん』だし、かまどは『おくどさん』、
八坂神社は『八坂さん』、西本願寺は『おにっさん』、
清水寺は『清水さん』という具合に『〜さん』付けが普通なのを指摘されて、
へぇ〜、余所では、あんまり『さん付け』にしないのか・・・と改めて知った。


そこに加えて『〜はる』は、もっと幅広い。


『〜はる』とは共通語で『〇〇していらっしゃる』のような意味だ。
大阪でも『〜はる』は多用するようだが、京都は凶悪犯にも『はる』だし、
身内にも、近所の犬でも、調子乗りに至れば『たわし』にも『はる』だ。


・この前の事件の犯人、逮捕される前、インタビュー受けてはったで。
・お隣のコロ(柴犬)、散歩のとき〇〇に、オシッコしやはったわ。
・うちの主人、会社の仲間さんと由良川まで鮎釣りに行ったはる。


では、『〜はる』とは何なのか?。


〇〇してらっしゃるという意味だけなら『敬語の方言』なのだが、
そういう単純なものではない。
カンタンに言えば『自己と他者を区別するときに使う語』のようだ。
自分以外は、身内も犬も凶悪犯も上司も部下も『〜はる』で区別する。
もっと言えば『神さんが守ってくれはった』と『高い所』の存在も、
散歩に連れて行く『犬』も『〜はる』。


高低差があっても『〜はる』を通せば『フラットになる仕組み』なのだ。


だが対人関係では『〜はる』も『微妙に高低差』がある。


・いない
・いーひん/いてへん
・いはらへん
・いてはらへん
・いやはらへん
・いやはらしまへん


丁寧度が増すごとに『敬語が長くなる』のも特徴だ。
言葉が長くなるにつれ『丁寧度の度合い』が確実に深まる。
『何を基準に?』と聞かれると困るのだが、
微妙な高低差を読んで『丁寧さの違う言葉』を、
その場その場で瞬時に判断して使い分けるが、
余所の人が無理に『京都に馴染もう』と『〜はる』を使うと・・・。


あの人、あんまり京都のコト、わかってはらへんわ、と陰で言われる。



▲いつまでも、広島の街を走っていてほしい。


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▼ちきりんの日記▼
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