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●京都の料理は薄味なのか・・・?

京料理が薄味』というのをよく耳にするが、普通の家のおかずや『おばんざい』に関しては『けっこうしっかり味がついている』。他の地方から観光で来た人は『京料理の薄味』をイメージしているようだが、味が薄いより『色が薄い』というのを認識しておいた方がいいと思う。まぁ、素材の色や持ち味を引き出すために『必要以上の濃い味』にはしていない。色が薄いと書いたが『使っている醤油が「うすくち醤油」が多い』ので、見た目には『薄味』の印象だが、うすくち醤油は『こいくち醤油より塩分が多い』ので、食事療法中の人は注意した方がいいと思う。



【写真:我が家でも、うすくち醤油を多用する。メーカーはヒガシマルが多い】


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◆主観的だが、大阪の方がおいしいと感じる。
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・大阪は『くいだおれ』、
・京都は『着倒れ』


これも主観論だが『京都の人は着るもの』や『形として残るもの』に、
けっこうなおカネを遣う。
観光客が訪れる『京料理屋さん』は『器類』や『盛り付け』は、
『うわぁ〜すごぉーい!』と目で楽しませてくれるが、
お味の方は『あえて超薄味』にしてたりする。



▲右が『うすくち醤油』。塩分は『こいくち醤油』の2.5倍以上だ。


京都で育った私ですら『何これ、味ないやん』と思うのがある。


『観光客向けのお店』や『体裁だけのお店』での宴席経験もあるが、
『なんだかなぁ・・・』と感じたのも一度や二度ではない。
観光客に人気だとかいう南禅寺界隈で『湯豆腐』を食べたこともあるが、
正直なところ『これで1人9,000円!?』と仰天した。


湯豆腐なんぞ、家で食べた方が断然旨い。


まぁ、ひとつ言えるのは、
『京都は何でもかんでも観光資源にするのが上手』。
極論したら『それだけの話』である。


そろそろ旬の『鱧(はも)』。


私は結構好きな食べ物だが『わざわざ鱧を食べに京都へ行くか』だ。
うなぎのように、うろこがなく体調2mくらいの魚だが、
叩き倒して、骨も切って湯引きなんかして、
やっとこさ『食べ物』として提供される。


もともと、京都は海が遠いから鱧も珍重されたのだろう。


好みにもよるが『うなぎが好き』という人は、
普通に、うなぎを食べた方が満足できると思う。
まぁ、そこそこの味を期待するなら祇園町の仕出しをやっているような、
料理屋さんあたりはオススメできるが。


ところで、京都はこってり味も多い。


幕末までは朝廷に仕える人も多く『肉体労働者』もいた。
当たり前だが、汗水たらして働く人は、
しっかりと塩分を取っておかないとミネラル不足でぶっ倒れる。


現代の『熱中症』と同じだ。


ときどき大阪でも見かける、
『おばんざい屋』の料理は『京都の家のおかず』を、
飲み屋で酒に合うような味にアレンジしたもの。


酒に合う味だから、当然『味が濃い』のが多い。


そこに加えて『ラーメン』なんかも『こてこて』だ。
こってりラーメンで有名になった『天下一品』も京都が発祥。
『こてこて』ではないが『第一旭』は、
京都駅近くの高橋(たかばし)のたもとが一号店。


まだまだある。


ネギを入れ放題の『ラーメン横綱』は、
171号線の南区吉祥院が発祥で、
もともとは阪急桂に住んでいた焼き芋屋のオッサンが始めた。


スタートは軽トラの屋台だ。


三菱のミニキャブ(当時360cc)を改造して、
阪急桂駅前で『軽トラの屋台』でスタートし、
少し儲かったら『マイクロバス』を改造した移動屋台で営業していた。
その後、マイクロバスは『うどん屋のおばちゃん』に転売し・・・。


吉祥院に『ラーメン横綱一号店』を出して、あちこちにチェーン展開した。


まぁ、こんな感じで『京都の庶民料理』は、
想像以上に『こってり』している。
だが、こってりが続く限り、
京都発の『新しい食文化』の発信も期待できると思っている。


だが、おいしいものは『断然、大阪の方が多い』。


なんせ大阪は海が近く『京都より新鮮なまま食卓に上った』。
京都市内で見かける『昔からの海産物』など『たかが知れている』。


棒鱈、鯖、鮎、鮒・・・こんなくらいしか思いつかない。


今でこそ、物流が行き届いて『刺身』も普通だが、
冷蔵や冷凍の技術がない昔は『塩漬け』や『わさび漬け』や『干物』にしないと、
入洛時には腐ってしまい食べられなくなる。


その点、大阪は、海運、水運が発達して、あちこちから食材が届く。


昆布も、魚も、野菜も、とにかく豊富である。
特に、泉州や和歌山、淡路島、兵庫も近く、
昔から新鮮な生ものが届くロケーションだ。


食い倒れになるのも納得だ。


個人的には、関西で一番の美味は『和歌山』を挙げたい。
とにかく、和歌山県は海岸線に囲まれ『いろんなものが水揚げされる』。
他府県にはあまり知られていないが『和歌山には「日本一」が多い』のだ。


まぁ、和歌山の日本一は別の機会に書いてみるが。


例えば『湯浅町』だけ取り上げても、


・醤油発祥の町
金山寺味噌
しらすの水揚げ
有田みかん 他


温暖な気候ゆえ、食材も途切れる時期がない。


・たきたてごはん
しらすの釜揚げ
・湯浅産の生醤油


これだけで、すごい『ごちそう』だ。


惜しいのは、和歌山も大阪も『食材が豊富なのが当たり前』で、
こういう『観光資源』が全くといっていいほど発信もされていない。
大阪に至っては『たこやき』と『かに道楽』くらいしか有名どころがない。


でも、本当は、びっくりするほどおいしい店や食材がある。


京都は、伝統産業がどうたらこうたらと言われるが、
今どき西陣織や友禅染の呉服を買い求める人も限られている。
仏具屋さんにしても東西本願寺界隈に密集しているが、
実際は『地方の寺の修繕』で『かろうじて商売が成り立っている』。
仏具製造や補修の技術力は高いし『それが京都ブランド』になっている。
実際は、四国や名古屋から『部品』を仕入れて組み立てて納品している。


京都は『観光産業』で、何とか持っているのだ。


私は京都を離れ20年が経つ。
20年も大阪に住んでいたら『京都の良さ』も改めて感じるが、
その反面『京都のやりにくさ』も、実感するのである。


京都は、見た目には、いろいろ美しいが・・・。


京都の町を少し斜に構えて見てもおもしろい観光ができるだろう。
とにかく『おのぼりさん向け』の店は『一見さん大歓迎』で、
調子だけは『おいでやす』とか言ってくれるが、
やっていることは、あんまりたいしたことはしていないのである。


ホンマモンで東京にはないもの。


これに関しては『紹介者がないと入れないお茶屋さん』くらいではないだろうか。
さすがに、東京も大阪も『京都に対抗できるお座敷』はない。
銀座も六本木も新宿も、はたまた北新地もミナミも、
どこを探しても『京都の花街(かがい)』にはかなわない。


まぁ、そんなことを踏まえて『雰囲気を楽しむのが京都』だと、私は思う。


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