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●エフエムもりぐち閉局に思う。

エフエムもりぐち(愛称:FM-HANAKO)が、令和5年3月31日18:59をもって放送を終了、29年の歴史を閉じました。また、同日に他2局のコミュニティFM(以下CFM)も閉局。私なりの考えを書き残します。いろいろ思い出がある放送局の閉局は寂しく、最終回放送のYoutubeを何度も見たら涙が溢れました。当たり前に電波が出ていた『82.4MHz』が『砂の嵐』になるとは。放送局の『サイレント・キー』は、少し複雑な気持ちです。

【写真:HANAKOのサテライトスタジオ(FM-HANAKOのTwitterより引用】
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◆CFM閉局の『トリガー』にならんや?。
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FM-HANAKOの閉局は、令和5年1月下旬に発表。

 

閉局の『事情』は『メインスポンサー』である、

守口市門真市からの『広報費カット』により、

経営の柱である『大口広告収入』が入らなくなり、

事業継続ができなくなった・・・というもの。

 

しかし、年間3,000万円程度の収入減で会社が廃業になるとは。

 

私が、FM-HANAKOにちょこっと『茶々』を入れていた20年程前にも、

すでに『年間3,000万円』が『基幹事業』とか言っていたので、

それでは『Aクラスの主要取引先である役所から切られたら倒産やん』と、

スタッフには、ことあるごとに『収益事業』をいろいろ提案していました。

 

当時の上層部(放送本部長T氏と課長級U氏)は、できない理由を並べる。

 

・人がいない

・カネがない

・時間がない

 

できない、やらない理由を並べるのは、どの業界の管理職も同じ。

 

唯一のコミュニティ番組『もりかど探偵団』という、

守口・門真の謎を探ろうという、

市民へのインタビューをもとに『謎』を解明するという、

CFMらしい、いい番組があった。

 

これを『書籍化して出版してはどうか』という企画書を出した。

 

しかし、T氏とU氏は『人、モノ、カネ、時間がない』と消極的。

ならば、スポンサーでもある大阪国際大学に協力を求め、

文書化等の作業は『こっちでやるから』と、

国際大学で教鞭を取っていた私のブレインにも協力を求め、

なんとなく『企画が進みそうな雰囲気』だったのが、

よくわからない理由で『そっちで勝手にやってくれ』といわれ頓挫。

 

NHKの夕方のTVまで、取材に来てくれたのに・・・である。

 

・商工会がどうの

・JCがこうの

・市役所が・・・、とにかく『わけのわからない理由』が並んだ。

 

三セクは『いざというとき』尻込みをするには、仰天したのを思い出す。

 

私は『CFMが地域の総合広告代理店でないと収益構造ができない』と訴えた。

あたりまえだが、ラジオの電波広告では限界があり、

印刷物との複合した『メディアミックス』を強く提唱した。

当時の私の勤務先は『画像処理のスペシャリスト』も揃っており、

関連先は、映像制作(当時のMBSちちんぷいぷいなど)も手掛けており、

相応の収益計画を盛り込んだ企画書(ほとんど売上保証)まで出した。

 

スポンサーも、こっちで用意する・・・ここまでやっても、ダメだった。

 

まぁ、三セクには三セクの事情があるのは理解できるのだが、

いつまでも役所の広報費頼みでは、

役所から切られたら、即倒産なのがわかっていないのにはがっかりした。

 

挙句は、上層部T氏とU氏の経費の不正疑惑まで出てきて、手を引いた。

 

結果、今年の3月末をもって『閉局(事業の清算)』になった。

 

しかし、私が同CFMへの提案したのは『もう20年前』のこと。

ということは、この20年間『市も「なぁなぁ」』でやってきた証でもある。

市役所幹部の『再就職先』くらいにしか考えておらず、

タレント事務所も、自社で養成したタレントさんの『派遣先』くらいの扱い。

 

これでは『ただの、雇用の受け皿』ではないか?。

 

年間3,000万円とはいうが、12か月で割れば『250万円』である。

個人で毎月250万円を用意するのは大変だが、

三セクとはいえ、少なくとも『株式会社』なのだから、

たった250万円の営業収益すら確保できないのだから、

経営者は経営者としての仕事を『何もしていない証拠』でもある。

タクシー会社の『夜勤5台分』の売上すら『できない』というのだ。

 

月に250万円の売り上げすらできない放送局・・・。

 

CFMなど、大手の広告代理店は媒体価値を認めていない。

だから、大手広告代理店からのオファーはない。

取引先(出資先)の事情で『伝票だけ、電通通し』はあったと聞いたが、

それ以上のオファーも何もなかった、というのが実情だ。

 

とはいえ、FM-HANAKOは『CFMの手本』でもあった。

 

日本で2局目の老舗でもあり『阪神淡路大震災』を経験している。

震災以後、各地でCFMが雨後の筍ごとく乱立したが、

多くの局が、開局前にFM-HANAKOを見学や視察に来ている。

前述の『もりかど探偵団』はCFM業界団体で『賞』も取っている。

 

他局は、開局以後『県域音楽FM局』のコンサルがいっちょかみした。

 

タレントさんは『リクエストください、メッセージください』を言えば、

コアリスナーが、メールやFAX、投稿フォームからメッセージをよこすが、

これだと、県域音楽FM局と、中身は『なんら変わりがない』。

リスナー数が少ない分『読んでもらえる』『曲がかかる』のは優位だが、

常連リスナーばかりなので、聴いている側は『飽き』て離れる。

 

『エフエムひらかた』が、このスタイルで閉局に追い込まれたのも最近だ。

 

もっと、懸念していることがある。

身を切る改革とか言っている『地方政党』が大阪で幅を利かし、

FM-HANAKOのある『守口・門真』にも議席数を確保して影響力を拡大。

 

垂れ流し状態の広報費カットが一番の理由だから、政治の力もあるだろう。

 

あるいは、2028年をメドに、県域の中波民放局が『FM』に移行する。

そこにも目を向ければ『FM放送のプラチナバンド』である、

76MHz~90MHzに居座るCFMを『どかせる』必要もあろう。

 

それが理由にもあれば『放送電波の地上げか』と、勘繰りたくもなる。

 

・身を切る改革で、CFMが切られたのか?

・電波の地上げで、CFMが立ち退きになるのか?

 

今は『補完放送』という形式で、

旧VHF-TV地上波が使っていた『90MHz~108MHz』を使用しているが、

少し前のカーラジオ、家庭にあるFMラジオは、

76MHz~90MHzにしか対応していないのもたくさんある。

2028年に民放がAM(中波)を停波したらFMに移行するのだが、

90MHz~108MHz未対応ラジオも数多いため、

従来のFM放送バンドは『喉から手が出るほど欲しいプラチナバンド』だ。

 

いずれにせよ、FM-HANAKOの事業清算は、CFM閉局のトリガーにならんや。

 

企業の寿命は30年といわれている。

集客アイテムも収益アイテムもないCFMが、

30年来の円高デフレで『何とかやってこられた』のも、

コロナ後の円安インフレで『やっていけるのか』も、多くの疑問がある。

しばらくは、FM-HANAKOはじめ『事業清算』した局を精査する必要がある。

 

どうあれ、CFM閉局ラッシュが始まった、と、私は見ている。

 

毎度おおきに。ほんじゃーね!


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