430MHz・FMのQSOで『固定ビームですが、〇〇山の反射で、電波が飛んでいます』とか『〇〇ビルにビームを向けての反射で・・・』というフレーズを、よく耳にします。ホントかなぁ・・・と、いつも感じます。
【写真:〇〇山の反射より、電離層反射の方が『コスパ』がいいぜ】
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◆山の斜面の角度とか、計算に入ってんのかな・・・。
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毎日、20時37分頃に『伊丹発羽田行き最終便』が、
我が家の上空を通過します。
その際、RS53くらいの局でもRS59に『一瞬、良好になる』ことはあります。
多くの場合『ほぼスケールアウト(フルスケール)』になっています。
航空機のボディが『電離層みたいな効果』をしてくれます。
ということは、相手局の電波の主たるエネルギー(主成分)が、
航空機の反射で『ほぼすべてのエネルギーが届いている』と解釈できます。
また、数百メートル先くらいに『大きなビル』があれば、
これも『反射の効果』を実感できます。
でも『固定ビーム』で『〇〇山反射』や『〇〇ビルの反射』というのは、
きっと『思い込み』『決めつけ』で『実は、バック受けている』のです。
そもそも、そんなにシャープではないビームパターンの八木アンテナで、
山やビルに『都合よく反射させている』とは、考えにくいです。
自分が使っているアンテナのビームパターンをよく見てみましょう。
仮に、430MHzの電波が『地表を這って飛んでいく』とすれば、
1-3エリアや6-3エリアでの『定時交信』でも、
RS59で交信できそうなものなのですが、
いかんせん、UHFの電波の『ほとんど』が、
宇宙空間に向かって飛んでいってしまっています。
では、どうして1-3エリアの交信が可能なのでしょうか?。
3エリアから1エリアにビームを向けると、
大阪からの場合『生駒山』に電波の一部がぶつかります。
山の斜面の角度も『様々』ですし、回折時の散乱の様子も『様々』ですね。
山頂の回折も理論どおりにはいかないです。
その『一部の電波』が『山頂付近』で『木っ端微塵』に、
バラバラになって『スキャッター』みたいに『散乱』してしまいます。
その『破片の一部のエネルギー』が『山岳回折状態』で屈折しつつ、
1エリアまで飛んでいく・・・と見るのが妥当でしょう。
要するに『電波の破片で遊んでいる』ということです。
電波って『教科書』に書いてあるような『一本の線』ではありません。
教科書は『理解しやすいようにペンで書いたような一本の線』になっているだけ。
主成分のエネルギーは『宇宙空間』に放たれます。
放たれた主成分のエネルギーは『あまり減衰していません』。
なぜ、こういうことを『言い切るか』。
サテライト通信では数100km上空の衛星に『強力に届いているから』です。
・5~10W程度(ハンディ機や旧式のモービル機)でも衛星に届く
・小型アンテナでも衛星へアクセス可能
もっといえば月面反射通信(EME)が可能なのは、
やはり主成分のエネルギーが、
きちんと『お月さま』まで届いているからです。
片道37万km、往復すれば74万kmも飛ぶのは、
シャープなビームパターンを持った『高利得のアンテナ』に、
数100W級の送信で行います。
なんせ、74万kmもの長旅ですからハイパワーと高利得アンテナは不可欠です。
世の中には『すごい人たち』がいるもので、
にわかに信じがたいですが『430MHz』で『DXCC』をやっている人もいます。
局所的な『ダクト現象』程度では、オーバーシーなど不可能に近く、
やはり『EME』でチャレンジされています。
嫌味かも知れませんが『〇〇ビル反射』『〇〇山反射』発言は怪しい。
まったくない、とは言いませんが、
ご本人の『思い込み』の方が『強い』のです。
そもそも論ですが、電波なんてHFでの電離層への入射角によっても、
屈折するものですし、それによって打ち上げ角の高いアンテナでも、
入射角によって屈折することがあるからこそ、
我が家のような『ショボイ、モビホ』でも、
7MHzで南米・アルゼンチンとの交信も叶うのではないかな、と考えます。
430MHzの『1-3エリア・定時交信』を聞いていても、
RSレポート交換は『双方51から41』程度から判断すると、
山岳回折で木っ端みじんにスキャッター状態になった、
電波の破片の一部が『ショボショボ』と関東まで飛んだ、
そう判断するのが『妥当』でしょう。
遠いから主成分のエネルギーが減衰するのではなく・・・。
・主成分のエネルギーは『宇宙空間』に放たれる=サテライトでは良好
・分散した『破片の一部』のエネルギー=1-3エリアでも『やっとこさ』
・サテライトも1-3エリアも『数100km』とい相互間距離は、ほぼ同じ
かつて、10mWの特定小電力トランシーバーで200km程度の実験をしました。
・鳥取県・大山山頂から
・和歌山県・吉備町に設置した特小レピーター
・そのレピーター経由で『大山ー和歌山ー神戸』が良好に交信できた
特小ですので外部アンテナは使用不可です。
従って、主成分のエネルギー全部が大山から和歌山まで集中できませんが、
それでも、無指向性ながら10mWの電波が『ほとんど減衰なく届いた』のです。
地球は丸いですから、標高2,000mと標高600mくらいの高台同士なら、
何とか電波は『直接、届く』というのが証明されたと感じました。
(標高がわかれば、√の計算で『相互間距離は予測ができる』)
とはいえ、やはりV・UHFでのDXには限界があります。
高利得のアンテナにハイパワーの無線機を使ったところで、
所詮は『木っ端微塵になった破片の一部エネルギーでの遊び』です。
V・UHFのDXを否定はしませんが『HFの電離層反射』の方がコスパもよく、
いろんなエンティティとの交信が期待でき、
見える景色、世界観も違ってくると感じます。
まぁ、V・UHFも楽しいですが、
私は、電波伝搬の不思議を体感するならば、
今の時代、FT8やFT4などのDigitalモードを駆使した方が、
より実感できるのではないかな、と考えています。
テレビ通販じゃないですが『あくまでも個人の感想』です(笑)。
毎度おおきに。ほんじゃーね!
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