プロパゲーションをチェックしても『悪くない』にもかかわらず『DXとの交信が伸びない現象』が起きます。特に、このシーズンは『夏枯れ』とも呼ばれます。なぜでしょうか。
【写真:プロパゲーションを見ても、悪くないのにDXと交信しにくい】
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◆電離層は『電波を反射させるだけではない』のをご存じですか?。
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電離層は『電波を反射するだけの鏡』ではありません。
電離層通過時に『電波を吸収する(通過時に減衰する)壁』でもあります。
夏場のDX-QSOが難しくなる『夏枯れ』とは・・・。
マルチホップで、地表と電離層との間を、
何度も反射して伝搬しないと届かない遠方との交信は、
電離密度の上昇で途中の減衰が激しくなります。
何度も反射して伝搬する間に雑音以下に落ち込んでしまいます。
Esなど『近距離の1ホップで届く範囲』なら、
夏場はよく交信できますね。
DXとの交信は『F層』が頼りと実感します。
昼間はD層、E層・・・DXには『邪魔な電離層』がありますね。
・第一種減衰:電離層を通過する際に起きる減衰
・第二種減衰:電離層で反射する際に起きる減衰
特に昼間には第一種減衰が大きくなります。
また、夏場は日照時間が長いですね。
北半球中心にDXを考えていると、
どうしても双方がF層反射で交信できる時間が短くなる傾向が強いと感じます。
春と秋は『DX シーズン』と呼ばれます。
50MHz帯DXerの方々は『夏至頃に一斉運用』で待ち構えます。
私は、50MHz帯の大きな設備は持っていないので、
夏場はEsでの国内を狙い『JCCやAJA』のスコアを伸ばす程度です。
HFのハイバンドも『似たような感じ』です。
昼間と夜間が『だいたい同じくらいの時間』ですし、
DXが期待できる日の暮れや日の出の『マジックアワー』が頃合いの時間帯で、
遠くまで減衰せずに届くようになるため、
DXとの交信が容易になると実感します。
夏場はMUF(最高使用可能周波数)も上がるので期待しがちです。
・垂直打ち上げの時は臨界周波数
・斜め入射の時はMUF(最高使用可能周波数)で、
入射角によって変化するため使い分けが必要
これらは、第一級の試験にも出題されることがあります。
過去問を解説付きで詳しく記述されているサイトをリンクしておきます。
資格等級に関係なくHFでDXをやりたい方なら、
知っておいてソンはありません。
▼こちら▼
臨界周波数 電子密度 最高使用周波数(MUF) 電離層の見掛けの高さ 送受信点間の距離 正割(セカント)法則 跳躍距離 - 1アマの無線工学 H14年04月期 A-22
夏枯れの原因が何なのかは『所説あり』です。
私も、まだまだ勉強中ですが、
いろいろと運用して『実感してみるのも楽しい』と思います。
また『夏枯れでがっかり』と、ふて腐れるくらいなら、
AWARDなどの『データ』を整理する時間に充てるのもよいと思います。
どうあれ、Top DXerのkWerでも『飛ばないものは飛ばない』のです。
自然現象相手の遊びなのですから『仕方がない』とあきらめましょう(笑)。
毎度おおきに。ほんじゃーね!!
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