●OTA(On The Air)

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●しょぼい電波がなぜ飛ぶか?

jf3tbm2007-11-10

【写真:PHS電話と同等の出力しかない特定小電力無線】


想像以上に良く飛ぶ特定小電力無線。わずか10mWという出力ながら、伝播条件が整えば相互間200kmを超える交信記録も発表されています。この特定小電力無線は資格・免許が不要。アマチュア無線などの資格を持っていなくても運用ができるので、無線通信に関心を持つ中学生・高校生が休日に山へ登って実験をしているという情報が入りました。また、こうした無線への関心は『ボーイスカウト』の活動中に山岳通信を体験した中学生から静かに広まっているようです。


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●10mWの特定小電力無線が長距離を飛ぶわけ
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またまた、読者の方からおたより(メール)をいただ
きましたのでご紹介しますね。
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From: ja3
Date:  Mon, 10 Nov 2007 01:29:30 +0900 (JST)
Subject: 特小が飛ぶわけ
To:  jf3tbm@yahoo.co.jp
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無線情報誌によると、50MHz帯のAM方式で10mW機の
各種実験が出ていました。
このバンドは電離層反射がありますから、相互間距
離が2000キロ超えの記録があります。
考えてみれば、電離層までの片道が約300キロ。往復
で600キロ。そこに入射角が加わり遠距離通信になっ
てしまう。
10mWって、LEDを一個光らせる程度の電力。それが電
波になると、とんでもなく遠くに飛んでいく。
すごいですね。


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無線工学なんてわからないぞ〜って方には、
『なんのことやら・・・』だと思います。


要するに『障害物がなけりゃ、
電波は果てしなく飛んでいく』ということなんです。
もちろん減衰はしますが・・・。


3年前(2004/10/23)に、
和歌山吉備町(現有田川町)の鷲ヶ峰で、
特定小電力無線の通信実験を行いました。


この時に、相互間200kmを超える交信が成立しています。
http://d.hatena.ne.jp/jf3tbm/20041025


そこで、電波の不思議や魅力を感じてしまうところなのですが、
これも計算で実証できるんです。


1、こちらの位置:海抜 600m
2、相手の位置 :海抜1700m
3、相互間の距離:直線200km


●見通し距離(D)km=4.14(√h1+√h2)


h1、h2は送信アンテナと受信アンテナのそれぞれの高さ(m)を示しています。
上記の式にあてはめると


●D=4.14(√600+√1700)となります。


電卓を引っぱり出して計算してみましょう。


√ 600=24.49
√1700=41.23


24.49+41.23×4.14=272.08km


アンテナの位置が高いと相当に距離がのびることがわかりますよね。
もちろん、いちばん単純な『直接波』の飛び方を示した式で、
全く障害物がないということも条件に入れなくてはなりませんが、
今回の実験では理論上のことを実証してくれたといえるでしょう。
(参考文献:「430MHz楽しみ百科」p20〜:CQ出版


本日、この話題を取り上げたのは上にも書きましたとおり、
『机上理論』に当てはめて確認しておきたかったのと、
実験当日の夕刻に、新潟中越地震が発生しているので、
地震の前兆現象による電磁波異常の電波伝播ではないですか』、
というおたよりをいただいたので、
『たぶんそんなことはないでしょう。通常伝播ですよ』
ということをお知らせしておきたかったのです。


長文におつきあいいただきありがとうございます。
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