●OTA(On The Air)

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●410円タクシーの実情。

最近、乗客から『大阪でも東京のような初乗り1km・410円の動きはないのか』と聞かれる。私が知っている限り『ない』。聞いてきた乗客には『やってもいいけど、駅にタクシーがいなくなりますよ』と言ったら『絶句』していた。実は大阪でも『東京と似たようなことをやった会社があったが、売上が減少したから、すぐにやめた』のである。タクシー乗務員は、月給保証など無く『空車状態』は『ニート状態』だ。また、気楽な『駅待機』は『引きこもり』や『閉じこもり』と同様の状態だ。さらに『自由化』が独り歩きし『同一労働同一賃金』など程遠い。この状況下で、どうやって2%の物価上昇を図るのか、教えてほしいところだ。薄利多売は、結果的に疲弊して長続きはしない。



【写真:概ね、6km以上乗ると、値上げを実感するのが東京新運賃】


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◆410円タクシーが実施されて、どうなったか・・・?
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1、駅待ちのタクシーが減少した
2、長距離客が敬遠し始めた
3、乗務員の収入が20%減った


あたりまえである。


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◆1、駅待ちのタクシーが減少した
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ヒマな日や人の動きが少ない時間帯だと、
1時間の客待ちをして『ワンメーター』など、ざらにある。


10回、ワンメーター客があると・・・


・旧料金:730円×10回=7,300円
・新料金:410円×10回=4,100円


単純計算で▲3,200円の減少だ。


こうなれば、駅で辛抱強く客待ちをするくらいなら、
町を流して『ちょい乗り客』を『たくさん拾う』方が、
1時間当たりの売上は高くなる場合の方が多い。


駅からタクシーが減り、流しが増えたのが現状だ。


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◆2、長距離客が敬遠し始めた
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大阪のように『5,000円超えは半額』という遠距離割引はない。


埼玉や千葉から都内に通うサラリーマンは、
長距離のタクシー代が値上げとなれば、
終電を逃して高いタクシー代を払って無理に帰宅するより、
サウナやカプセルホテルに泊まった方が安いと考える。


東京であれ、大阪であれ、どこであれ、長距離客はドル箱なのだ。


逆に言えば『ドル箱』があるから1日の売上が立つ。
そのドル箱が敬遠されて客離れが起きれば、
タクシー会社の財務体質は悪化するのは、
火を見るより明らかである。


大阪の遠距離割引の仕組みはこうだ。


遠距離割引がない首都圏だと『2万円』は『2万円』の料金。
大阪だと、5千円を超えが1.5万円分だから、
こいつが『半額の7.5千円』に下がる。


5千円+7.5千円=12.5千円で済むのが大阪式である。


ただ、東京と大阪では物価も人口も違うし、
大阪のような遠距離割引を導入して、
生活がやっていけるかどうかわからないから、
関西圏と同様にはいかないだろう。


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◆3、乗務員の収入が平均20%減った
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まぁ、これは『メディア情報』なので誇張もあるだろう。


値下げをすれば『補完』のために、
営業回数を増やすしかない。
だが、ご存知のとおりタクシードライバーは、高齢者が多い。


誰でも彼でも『流し営業』に転換できない。


仕方がないなぁ・・・と駅待ちで辛抱するドライバーもいる。
また、駅には駅の『需要』がある。


新料金になっても従来の売上を確保する乗務員もいるが。


その分、余計に走っている。
1日の走行距離の『上限』も運輸局から決められているから、
走りたくても『上限』に達したら、
その日の営業は終了である。


どうあれ、乗務員の生活が脅かされるなら、やめたほうがいい。


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◆大阪の場合
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一部で510円の割安タクシーが走っているが、
やはり、私ら680円の車と比較して、
同一労働でありながら80%程度の料金しか上がらない。


まぁ、安い車を選ぶ客も多いから、
回数勝負で体力さえあれば営収確保も可能だが。


公定幅運賃(中型660〜680円)が決まったとき。
1km・300円くらいで走らせた旧ワンコイン系のタクシーがあったが、
気がつけば、見かけなくなり『2km・660円』に統一してきた。

安い上に、遠距離割
引があったら、もう、商売にならない。


もし、東京のように400円台を走らせるとなれば、
遠距離割引を廃止することになるだろう。
そうでもしないと、1/3のタクシー会社は、
財務悪化で倒産するのは必至だ。


でも、倒産して、車が減ってくれればいいのだが。


とはいえ、会社が減っても乗務員は減らない。
ということは、受け入れ先の会社が、
車の稼働率を上げるために配車編成を組んで走らせる。


結果的に、何も変わらない。


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◆まとめ
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東京の新料金は『ライドシェア対策』だという。


気持ちはわかるのだが『今、やらんといかんのか?』だ。
今、文科省天下りが問題になっているが、
タクシー業界も天下り先である。


陸運局や警察OBなんかが天下っている。


大きな問題にならないのは、
年俸ン千万というケタ違いの給料ではなく、
まぁ、常識の範囲の『再就職先』程度だから問題視されない。


どうあれ、国土交通省はじめ『道路運送業界』は護送船団である。


こんな『おいしい業界』に『ライドシェア(素人の白タク』を、
簡単に認可するとは思えない。
また、トヨタ自動車も『次世代タクシー』のリリースを決めている。


ジャパンタクシーというプロジェクトでLPガスのハイブリッド車だ。


自動車業界も『戦略自動車』を開発し、
来年くらいには『お目見え』するだろうから、
そうそう簡単に『新しい働き方』といううたい文句で、
ライドシェアが『うろちょろする』とは思いにくい。
実現したら、ライドシェアもタクシーも『共倒れ』になる。


前にも書いたが、気まぐれで走るライドシェアは『正業』といえるのか?


また、ライドシェア対策といい、
無茶な値下げを敢行して乗務員が生活できなくなれば、
業界自体が成り立たない。


運輸局も軟弱だ。


料金改定もエリアの70%の認可申請があれば通る。
その認可内容が『やっていけるかどうか』など関係ない。


これが、みんなが信じて疑わない『多数決は民主主義』の怖さだ。


走り出した東京23区の新運賃。
成功だったか、失敗だったか、
静観しておこうと思っている。


仮に、大阪で1km・400円が走れば『駅の客待ちタクシー』激減は必至。


それよりも、障がい者に対する福祉割引を緻密にして、
割引をした分を行政が補助するなり、
もう少し、まともな対策を売って出てほしいところだ。
何でもかんでも乗務員が泣くというのは、
行政も、タクシー会社も『何も考えていない証拠』だ。


だが、障がい者手帳をお持ちの方は・・・。


遠慮せず乗務員に提示して割引を受けてほしい。
中には、割引分を乗務員に還元している優良な会社もある。
特に、今後、ますます増える高齢者や、
難病指定、障がい認定を受けている人への配慮が、
潜在的な顧客の利用促進の掘り起し』が急務じゃないかと思う。


いかがだろうか。


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▼ちきりんの日記▼
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/
★なかなか、鋭い視点で、勉強になるよ★
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 あえて誤解を招くような過激な表現をしている場合もあります。
 『こりゃ違うんじゃないか』と疑問に思うところから、
 発想や気づきを深めるきっかけにしていただければ幸いです。
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