●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●じぶちん。

先日、京橋からの乗客。風体は『スーツにスキンヘッド』。『うわぁ、ややこしのが乗ってきよった・・・』第一声は『京都まで』。タクシー乗りからすれば、けっこう困る行先指示だ。八幡から丹後まで『京都府』だし、木津あたりの人も『京都まで』という。『ほんで、京都のどこですのん?』と聞けば『河原町の方』ときた。まぁ、こちらを大阪人と思って『京都のことなんか知らんやろ』という『いけず』な雰囲気がありありだ。ならば、こちらも京都人の『いけずぶり』を発揮して『河原町ゆうたかて、葵橋から十条のへんまで河原町通りやさかい、ピンポイントで言うてもうた方がわかりやすいんですけど』と答えた。乗客は『運転手さん、結構、京都のこと詳しいんやねぇ』ときた。当たり前だ、京都で育ったのだから。結局は・・・。



【写真:みゆき町ではない。『ごこまち』と読む】


とりあえず、車を走らせた。


京橋からだと、1号線をひた走るか、
門真から第二京阪を通るかってのが定番だ。
聞けば『飲み屋で使い過ぎて1万円で行きたい』ときた。


わし『ほな、1号線しか、おへんな』


このあたりから、私が京都人というのを薄々感じていたらしい。
まだ、はっきりと目的地を聞いていないので、
『で、河原町界隈のどの辺ですのん』と目的地を、
せかして教えてもらうことに。


お客『とりあえず、河原町五条を目指して』


スキンヘッドだったが、
酒のニオイのほかに少し『お香』のかおりがした。
ここで気づいたのは『たぶん、和尚さんやろなぁ』だ。
とにかく、河原町五条から少し『ろーじ』(路地)を入ったら、
お寺があちこちにある。


わし『五条からカミ(北)ですか?』
お客『あ、その辺に来たらまた言うわ』


あー、しんきくさい!


わし『あのー、私、京都育ちで、河原町五条の辺に従兄もいるんで』
お客『えぇ!あー、そうなんや、ほな、話し早いわ』
わし『すんません、もっと、早よ言うたらよかったんですけど』
お客『そしたら、寺町上がって、高辻を西に取って・・・』
わし『仏光寺はんの近所ですか』
お客『いや、そこまでは行きません』(急に口調が少し丁寧になる)
わし『タテ(南北)の道、言うてくれはったら、ピンポイントで停めますよ』
お客『ホンマは高辻の御幸町上がったとこなんやけど』
わし『御幸町南行一方通行でっしゃろ、角でよろし?』
お客『えぇ、角で結構ですわ。歩いてすぐやし、家の前にタクシー着けるんも何やし』
わし『そうですねぇ、ちょっと離れたところで降りはる方がよろしわね』
お客『そやねん。近所、誰が見てはるかわからんし』


そこから、意外な展開になった。


お客『私の職業、なんやわかりはります?』
わし『んー、たぶん、おっさん(和尚さん)ちゃいます?』
お客『スキンヘッドでわかりましたか』
わし『まぁ、それもありますけど、お香の匂いが、かすかにあります』
お客『まぁ、せっかくやし、私、こういうもんです』(名刺が出た)
わし『へぇ〜大谷派の和尚さんですか』
お客『今は、大阪のお寺に「通勤」してます』
わし『そのお付き合いとかですか』
お客『えぇ、まぁ、そういうことですわ』


さらに・・・


わし『大谷派っちゅうことは、お東さんですなぁ』
お客『そうです』
わし『今も本山に〇〇さんとか、いてはりますか?』
お客『えぇ!なんで〇〇先生、知ってはりますのん』
わし『小さい頃ボーイスカウトの集まりでお寺に行ってましたもんで』
お客『へぇ、〇〇先生、ボーイスカウトやったんですか』
わし『そうですねん。長年、えらいお世話になりましてな』
お客『私も、厳しく育てていただきましてね、云々』


この辺から、自分の上司?の後輩の車に乗ったという認識が・・・


お互いが京都人というだけでは、
たいてい『警戒』もするし、
普通はあんまり込み入った話にもならない。


せいぜい、お天気の話や暑い寒いという程度だ。


だが、自分の上司と、何かわからんが古い付き合いの人となれば、
案外、話しも盛り上がる。


ここらが、大阪とは違うところだ。


大阪の人だと『同じ大東市民』というだけで、
初めて乗ったタクシーのオッサンとでも、
話しが盛り上がるのだが、
京都の場合は、そうもいかない。
逆に、話しの共通点を見つけたら、
すぐにフレンドリーな関係ができるのも、
大阪人のいいところだと思う。


仕事は、京都より、大阪の方がやりやすい。


なんだ、かんだと世間話や地域話に花を咲かせて、
第二京阪の下道(つまり、無料の国道1号線バイパス)をひた走り、
無事に、高辻御幸町の角に到着した。


しぶちんの京都の人には珍しく『帰りに何か食べて』とお祝儀をいただく。


うちの家内は河内のオバハンで、
私のことを『けち』という。
だが、自分では『けち』とは思っていない。
こういう話になると『けちとしぶちんは違うんや』と言うのだが、
どうも、よくわかっていない。


『安モン買うたら、ソンする』が私の考えだ。


もっとも、消耗品や道楽の材料、
加工用の部品なんかは安くてもいい。
だが、完成品を買う時は、
できるだけ『ええモン』を買う。
特に、京都の老舗みたいなところで何か買うときは、
いちいち値段も聞かない。


そんな、話しで盛り上がったお客さんであった。


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