●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●不義理に、うるさい京都人。

京都の古くさい店、いやいや『老舗』の店に入るとき。お客の私らから『こんにちは』だの『おーきにー』だのと言って店に入る。すると、店の奥からご主人や女将さんが『おいでやす』と返事をする。新しい店や洋風の店だと、お客の気配を感じたら『店側』から『いらっしゃいませぇ〜』で『あなた方を受け入れます』という意思表示を感じる。だが、古い店は、どうもそうはいかないのである。



【写真:京都の老舗は、うまい具合に『使い分け』をしている。】


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◆京都の挨拶言葉
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京都人がやっている店に行くときは、
私は、たいてい『おーきにー』で入る。
数年ぶりであれ『顔を知っていたら「おーきに」が挨拶』だ。


京都人同士の電話の会話で、何回『おーきに』を言うか・・・。


わし『はい、〇〇です』
相手『あー、おーきに、〇〇です』
わし『あー、おーきに。どないしゃはりましてん?』
相手『実は、これこれ、かくかくしかじか、ですねん』
わし『そーでっか、そら、よろしいなぁ』
   <中略>
相手『まぁ、そーゆーことですわ』
わし『そーでっか、わかりました、おーきに、おーきに』
相手『いやいや、こちらこそ、おーきに、おーきに』
わし『ほな、おーきに』
相手『おーきにぃ』


一事が万事、こんな調子である。


大阪で、開口一番『おーきに』を言うと、
相手は『何が?』といぶかしげである。
20歳過ぎまで、大阪人の会話が、
『毎度!』『毎度、おーきに』から始まるのを知らなかった。


大阪の人は京都ほど『おーきに』を多用しない。


いきなり、話しが横道にそれたが、
京都の『おいでやす』は『まだ完全に受け入れた意思表示ではない』のだ。
女将さんが『おいでやす』と言ってくれても、
『すんまへん、今日はあいにく予約で一杯ですのや、えらいすんまへん』と、
体裁よく、断られてしまうこともある。


だが。


『おこしやす』の場合は違ってくる。
たいてい、予約を入れて伺うのが礼儀だし、
ましてや顔なじみ、常連、ご贔屓さんとあれば、
『おこしやす、お待ちしておりました』だ。


言葉の由来は。


まぁ、なんとなく親が言うていた記憶でしかないが、
・山を越えてはるばるやってきた、とか。
・わざわざ、お越しいただいた、とか、
そんな意味合いがあって『おいでやす』と比較すれば『格上』の挨拶である。


・おいでやす:あぁ、誰か来やはった、と来訪を認識、受け入れるかどうかは別。
・おこしやす:最初から受け入れ体制を整えて待っていた。


一見さんお断りの謎。


普通の飲食店であれば『一見』も『常連』も関係なく受け入れる。
ちょっと格式ばったお店なら『予約』をしておくに越したことはない。
だが、コネがなくても『ガイドブックを見た』とか『〇〇屋のご主人から聞いた』とか、
それなりの理由があったら『普通』に『おいでやす』『いらっしゃいませ』と、
受け入れてくれる。


いちいち、一見を断って常連ばかり相手していては商売にならない。


先日も書いたが、花街の『お茶屋』は別格だ。
お茶屋は『お座敷』『仕出し』『二次会』『車代』など、
全てを立て替えて、後日請求書が回ってくる『売掛商売』だから、
紹介がない(与信がない)一見客は『全て門前払い』になる。
まぁ、料理屋さんや旅館などの『紹介』が取りつけられれば、
受け入れてもらえるが『相応の費用』の腹積もりだけは忘れてはいけない。


お座敷に通してもらえたら、間違いなく『おこしやす』だ。


京都の婚礼なんかは、割と身近な『しきたり』を体感できた。
最近は、会員制も普及して『当日、会費を払うスタイル』も定着したが、
それでも、旧来の『佳き日の午前中』に『お祝い』を持参する。
ただ、間違っても『はだかで熨斗』を渡すようなことをしてはいけない。


きちんと、熨斗袋を『袱紗(ふくさ)』に包んで渡す。


仮に、お祝い金が『3万円』だとしたら、
その10%の3,000円を『おため返し』といって、
袱紗に入れて返される風習が残っている。
10%返しの理由は『わざわざ、お越しいただいて、せめてお車代に』と、
概ね、そういう意味合いで『おため返し』を行うのが筋である。
挙式当日の披露宴には『手ぶら』で行って構わない。


引き出物や引菓子なども。


名古屋は『軽くてかさばるもの』が好まれるらしい。
まぁ、わかりやすい例だと『かつおぶし』とか。
京都の場合は『軽くて、かさばらないもの』を選ぶ。
あまりかさばるようなものだと『うれしがり』と陰口を叩かれる。


いろいろ面倒くさいのが京都である。


こういう風習の下で育ったためか、
大阪に来て以来、他人から受けた『不義理』には、
たいそう、腹を立ててしまうのである。


前もって予定していたことが当日に反故にされたら。


それも、仕事や家事都合など『やむを得ない理由』で、
直接、事前に連絡があれば、そんなに腹を立てたりはしない。
だが、当日の午後なんかには見もしない『Facebookで告知したんですけど』と、
ぬけしゃあしゃあと言われたら、誰でも烈火のごとく怒るだろう。
そこに加えて『おくやみ』をFacebookでの告知など、
私にとっては『ありえない常識知らず』である。


直接、連絡が届く電話やCメールを使うべきだ。


こういうことが度重なってしまうと『常識知らず』の烙印を押す。
それでも、ある程度は許容してしまうのだが、
常識知らずのヤツに『文句を言う人間はいらない』と、
挑発的な態度を取られたら『こいつら潰してやるぞ』と思ってしまう。


京都人は、イケズにかけては、ラーメン同様に『天下一品』だ。


そんなに広い町ではないから『できるだけ直接、手渡す』のは身についている。
京都でもSNSは普及しているが、なんでもかんでもSNSだと、
かえって面倒くさいヤツ、となることもあるのだ。
そういうことを知らずに葛之屋末兵衛は私を怒らせたのである。


私に限らず、京都の人は『不義理にうるさい』のを知っていただければ幸いだ。


逆に、必要以上に『義理が噛む』のも、
京都人は嫌がる。
義理が噛めば噛むほど、不義理のリスクが高まる。
不義理とまでいかなくとも『時分どき(ごはんどき)』を構わず訪問すると、
これまた『常識知らず』の烙印を押される。
例え、実家に様子伺いの電話をかけるときでも、
親子でありながら『時分どき(ごはんどき)』の電話は避けている。


まぁ、普通に接していたら、なんてことはないのだが・・・。


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▼ちきりんの日記▼
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