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道楽、世間批評、いろいろと・・・。

★企業城下町問題

jf3tbm2005-04-05

【写真:企業城下町の輸送を担う京阪電鉄。運賃収入は20年前の水準に逆戻りしている】


製造業を中心に栄えてきた町がどんどん斜陽化しています。私が住む大阪府枚方市は戦前から軍需工場が栄え、戦後も関連産業で発展してきました。今では、3セクのコミュニティFM放送局なども抱え、莫大な公費の投入が問題視されています。かつては法人税や事業税、住民税や固定資産税で裕福だったわが町も、どんどん高齢化が進み収支のバランスが崩れてきました。時代は製造業からサービス業へと転換期を迎え(大きく変化しているから『大』『変』な時代!)、今後の顛末が見物です。


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◆私が住む大阪府枚方市は日本の縮図だ
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私が住んでいる大阪府枚方市は、戦前から軍需工場が
栄え、現在でも大阪府下有数の企業城下町です。




小松製作所、久保田鉄工、クラボウ・・・




山の上(町名も山之上町!)に続く道はきれいに整備
されていて、タクシーのドライバーさんに話を聞けば
戦中までは、物資輸送のための鉄道の引き込み線があ
ったとか。戦後は軍需工場が解体されて、丘の上にた
くさんの団地ができたんだそうです。




戦後は松下電器三洋電機がいろんな施設を作った




京阪沿線の樟葉(くずは)から守口市までの間は、こ
うした大手企業と、それに関係する人たちが働く中小
零細企業がひしめいているんですね。




まさに企業城下町・・・




守口・門真に絞れば、大手家電2社の本社があるので
家電の町という印象が強いのですが、私が住む枚方市
はたくさんの企業の工場があって、どの産業の城下町
かというのがはっきり見えてきません。




けっこうこれが落とし穴だったりする




住宅地の多くは戦後に開発され、企業マンのベッドタ
ウンとして広がりました。また、飲食店や理髪店、食
品店などもそこで暮らす人々の生活を支えてきました。




今は供給過剰になっています




私は、10年前に京都から枚方に転居してきました。
まだまだ新参の若輩者ですが、客観的に(というより
も、30年住み慣れた京都と比較してしまう)見て、




景気のいいときに過剰投資し、肥大化し過ぎている




マイホームを手に入れた人たちはどんどん高齢化して
人の流れが固定化されています。ほとんど、新陳代謝
がないんですね。それでも、テキトーに人が動いてい
るから誰も病巣に気づいていないのが現状です。




10年後、どうなるのかな・・・?




郊外型スーパーのモデルケースを作ったダイエー香里
店が撤退したあと『香里園駅前再開発』と称して、商
店街のはずれの駅前に大型スーパーがやってきます。




商店街のお店、大丈夫なのかな・・・?




ここで私が問題提起したいのは、従来の企業城下町
大半が『製造業中心だった』ということです。ここに
働く人とその暮らしを支える産業で繁栄を遂げたとい
うこと。その製造業がだんだん斜陽化している中、大
手のサービス業を誘致して、製造業にぶら下がってい
た零細企業や商店を駆逐してしまうやり方がいいのか
どうか・・・。私には金融機関や不動産関係者の都合
でしか動いていないのではないでしょうか。




あなたはどのように感じられますか?





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TBM総合研究所・谷口肇司(Taniguchi-Tadashi)
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