●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●中高年男性へのマーケティング考。

エレクトーンを習い始めて、改めてアマチュア無線業界のマーケティングと機器類のプライスゾーンが『絶妙だ』と気づいた。アマチュア無線家の90%は『男性』である。中古機を除いて『新品のプライスゾーン』が、本当に絶妙なのだ。男性の趣味は、ほとんどの人が『小遣いの範囲』でやらざるを得ない。ゴルフと同様に『入門セット』は、おしなべて『10万円以内』である。



【写真:このアマチュア無線機も15万円くらいでプライスゾーンに入っている】


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◆50歳以上の中高年ゾーンは、まだまだ未開拓。
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楽器業界を見ていて感心するのは・・・。


1、楽器の購入⇒イニシャルコスト
2、楽器の練習⇒ランニングコスト


これらが、うまく組み合わさってメーカーや販売店が儲けている。


アマチュア無線業界は、
イニシャルコストはかかるものの、
教育機関が『ほぼ皆無に近い』ため、
自分が何をやりたいのか・・・に気づく前に飽きてやめてしまう。
無線業界は、メーカーや連盟をあげて『教育システム』が不可欠だろう。


そうしないと、廃れていくのみだ。


楽器業界は、機器購入と教育システムはいいのだが、
商品展開が『雑』と感じる。
言いかえれば、旧態依然なのだ。
特に、電子オルガンを見ていると・・・。


1、入門向け
2、中級向け
3、上級者、教室、指導者向け


こんな程度の商品展開しかない。


カンタンに言えば、アクアとプリウスとクラウンしかないのだ。


エレクトーンに『ベーシックモデル』というタイプがあって、
販売価格は180,000円という設定だ。
その上のモデルになると、
一気に30万円台、50万円台、70万円台、100万円台と、
価格が跳ね上がっていく。


18万円のモデルにしても、だ。


まぁ、ホワイト基調で今風のマンションの洋間には合う。
だが、オッサンの趣味に合う色合いや風合い、重厚感がない。
万人ウケはするのだろうが『カジュアル過ぎ』で、
イマイチ、購買意欲がそそられないのである。
特に、男性は使いこなせるかは別にして『スペック』が重要なのだ。


男性好みのデザインとスペックになっているモデルは、ざっと50万円。


確かに、可搬型になって『ライブ』なんかもやりやすい。
そこに加えて、シンセサイザーっぽい機能が付いているから、
男性好みと言えば、そうなのだが『おいそれ』と50万円を、
右から、左へと動かせる中高年は少ない。


私が開発者だったら、ベーシックモデルの中身で可搬型も作るだろう。


オッサンがやる道楽なんて『極めていく人』は希少で、
極めている風で、実は『なんちゃって・・・レベル』がほとんど。
中身はベーシックで、数が少し出にくい分5万円ほど高くしてやれば、
そこそこ恰好をつけたい人は買うのである。
所詮、道楽なんて『同好の人』と『スペック自慢』くらいのものなのだ。


わかりやすくいえば・・・。


メルセデスは手が出ないが、プリウスなら・・・みたいな。
オッサンなんて『ちょこっと、トレンドに乗れればいい』のである。
中高年は意外と、本質的な面を見抜く目を持っている。
実際に、これを買って、自分が使いこなせるか・・・はわかっている。
逆に、使いこなせなくても、周囲に自慢できるカッコよさがほしい。
そこに加えて『どうたらこうたら』と『語れるスペック』が不可欠。


そういうモノのプライスの天井は『所帯持ちの小遣いでMAX30万円』だろう。
あるいは、中小企業の社長連中が『消耗品扱い』で全額経費処理ができる範囲。
こういうのを知っていたら『30万円』の価格設定が、
いかに『妥当』なのがわかってもらえると思う。
プロの音楽家や歌手がライブで使うような楽器だったら、
リース契約にして毎月全額を経費処理できるが、
そういう希少な人をターゲットにしても徒労に終わる。


男性の道楽品のプライスゾーンは・・・。


1、入口は3〜5万円
2、ちょっと、グレードアップして15万円
3、周辺機器を買い足して5〜10万円


バブル時期じゃないんだからローンで買わせるのは間違っている。


もちろん、子供の教育という『大義名分』があれば、
周囲への見栄もあって、親はローンも組むが、
亭主が勝手にやる分に、
家計から亭主の道楽費の月賦代をねん出する気前のいい奥さんはいない。


テレビの宣伝で見かける『ディアゴステーニ』の総額はいくらだろう。


ざっと、平均したら15万円である。
もちろん、何を作るかにもよるし一概に言えないが、
5万円くらいから20万円くらいになる。


トヨタ2000GTで約12万円、蒸気機関車のD-51で約20万円である。


これが、初回は本屋で数百円だが、
一旦、作り始めたら毎月通販で送ってきて、
全部作り終えるころには10〜20万円の出費になる。


途中で投げ出したら、ドブにカネを捨てるのと同じだ。


一般的には知られていないが『ディアゴステーニは金融商品同様』と、
まともなマーケッターはわかっている。


男性の虚栄心や見栄の天井は2〜30万円がプライスゾーン。


逆に、このプライスゾーンで、
中身はベーシックモデルの基盤で構成されたエレクトーンでも、
男性脳を刺激するデザインと可搬型と相応のスペックがあれば、
私は、買うと思う。


この、中高年、とりわけ50歳代男性マーケットは、本当に未開拓なのだ。


だが、中高年とひとくくりに言っても、
もう、団塊世代はすでに退職して年金暮らしに入っている。
中にはゆとりのある人もいるだろうが、
年齢的にも70歳を迎える今さら、
『新しいことにチャレンジする気力』がある人は減っているし、
チャレンジより健康維持の方に比重が置かれるのも無理はない。
お叱り覚悟でいえば、団塊世代の関心事は『終活』や『老々介護』と先が暗い。


中高年マーケットのキモは、今の50歳代を取り込めるか、にかかっている。


今の50歳代が『かっこいい中高年世代をエンジョイする図』を作れたら、
5〜10年後には団塊ジュニアという『巨大マーケット』がある。
バブル世代だのいろいろ言われる50歳代だが、
実際の価値観は『イノベーション』を起こす力を秘めている。
単に人口が少ないという理由で無視していると、
5〜10年後の団塊ジュニアを取り込むことに苦労するのは必至。


ちなみに、女性の通販での購買内容だが・・・。


1、健康食品:70%
2、化粧品類:15%
3、飲料品類:15%


また、この比率で『消費者トラブル』も起きているのが実情だ。


だいたい、初回お試し500円とか1,000円から入って、
その後は3〜5,000円の支払いで、
ざっと、6か月継続なんかが条件になっている。
複数の商品に手を出して『毎月1〜1万5千円程度の出費』である。
まぁ、家計やりくりの中からだったら『こんなもん』だと思う。


男性マーケットは、まだまだ奥が深い、と私は感じている。


エレクトーンにしても『エレクトーンの売り方』しかやっていない。
だが、この電子オルガンの中身は『いろんな楽器の音』が入っている。
極論だが『ギターをやりたいからエレクトーンをやる』とか、
『ボクはドラムとベースをやりたいからエレクトーンを選んだ』というような、
そういう入口を作っていくのが『本当のマーケティング』じゃないだろうか。


いつまでも、バブルの頃と同じ売り方をしていたら顧客は枯渇するだけなのだ。


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▼ちきりんの日記▼
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/
★なかなか、鋭い視点で、勉強になるよ★
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 あえて誤解を招くような過激な表現をしている場合もあります。
 『こりゃ違うんじゃないか』と疑問に思うところから、
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