●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●そりゃ、無理だわ。コミュニティFM。

1996年頃から、コミュニティ・ラジオ(日本ではコミュニティFM)という媒体に関心がありました。何局かのコミュニティ・ラジオ局と接触をしましたが『なんで、こんなにカネがかかるのだ!』と、いまだに不思議に思います。もっとも、日本のコミュニティFMという制度自体が『雇用の受け皿』になっている面が強く、『そりゃあ、無理だわ』とも思うのですが。制度自体『見直す時期』ではないですかね。

【写真:中華製15W機のFMトランスミッター(送信機)は20,000円ほど】
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◆結局は『電波利権』なのよね。
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上の写真はネットから拾ってきた『FM送信機』で、

出力は15Wなのだとか。

売値は『20,000円』でお釣りがくるのです。

 

※上記送信機は日本国内での、使用は不可です。

 電波の出力が強すぎ、かつ免許が下りず、

 無免許運用で、運用停止ほか、罰則等行政処分の対象になります。

 

価格を見たら『アマチュア無線のハンディ機かいな・・・』。

 

本来『地域密着型』のコミュニティ・ラジオでしょう?。

そもそも、サービスエリアが限定されているのですから、

マイクの前に立つのは『近所のおばちゃん、お姉ちゃん、お兄ちゃん、

ちびっこたち、学生さん、近隣で商売を営む大将・・・』のはず。

 

言うなれば『アマチュア・ラジオ』なわけです。

 

出力は『10W~20W(一部50W、80W局も)』程度です。

となれば、アマチュア無線と大して変わらない出力です。

極論ですが、3アマくらいのアマチュア無線局を開局するとしても、

IC-7300やIC-9700を買っても『30万円ほど』で済みます。

アンテナも同額の30万円程度かければ、

HFから1,200MHzまで堪能できますね。

 

合計60万円程度で、アマチュア無線局なら恰好がつきます。

 

もろもろの費用を計上したとて100万円もかければ、

そこそこ見栄えのするシャックができます。

贅沢を言い出すと『趣味の世界は青天井』ですから、

放送局並みのビッグガン(大砲)を持つ局もいますが、

それは『ほんの一握り』です。

 

コミュニティ・ラジオならば、せいぜい100万円でスタートできるべきです。

 

ところが、実際にコミュニティFMを開局しようとしたら、

数千万円かかるのですねぇ。

そりゃ、行政や大企業が出資したり、

番組スポンサーが『枠(タイム)』で買ってくれたとしても、

経営は『かつかつ』か『経常赤字』ですわ。

 

初期投資に数千万円もかかるのは、やはり利権なのでしょうねぇ。

 

中には『ほぼ1人運営の民放コミュFM』もあります。

この局は、資本金1,000万円(援権資本3,000万円)で設立され、

オバチャン社長1人で経営されていますが、

やっぱり諸費用を入れていくと『経営はかつかつ』なのだとか。

 

新築の建売住宅が買えるカネがいる・・・。

 

今年の3月末で、あるコミュFMが閉局に追い込まれました。

行政からの広報放送委託料が年間4,000万円あり、

これで営収の約60%を占めていたのですが、打ち切りになりました。

私は『それでも残り2,700万円あるやん』と電卓を叩き、

『なんで年間2,700万円もあって、まだ2,000万円足りないの?』と、

不思議な感じがしました。

 

まぁ、役所の早期退職者やらの天下り先で給与元の付け替えのようですが。

 

電波法令が異なる『インドネシア』等で、

コミュニティ・ラジオを展開する団体があります。

貨幣価値も年収も電波法令も『まったく異なる』インドネシアですが、

バックパックラジオとかいう『アマチュア無線の移動運用か!』と思わせる、

コンパクトなコミュニティ・ラジオを開局されています。

▲IC-705やFT-818などを使った移動運用みたいですね。

 

バックパックラジオ自体は、

実験当初『中華製の送信機』だったそうですが、

これだと『送信機がぶっ壊れた時点で、THE END!』。

そこで、現地のパーツ屋さんで揃えた部品を使って送信機を組み上げたとか。

こうすれば、現地の技術で『修理も可能』で、

町村単位のコミュニティ・ラジオが実現しています。

 

日本でいう『昔流行った、ミニFMのデカい版』です。

 

出力は、バックパックに収められるバッテリーに合わせて、

日本と同様に10~20W程度の出力で、

それも『ソーラーパネルで自家発電も可』ときています。

 

まぁ、商用電源のインフラ未整備もあるのでしょうけどね。

 

意外と新興国は『スマホが安価』らしく、

スマホにはマイクも付いているし、

そいつで音楽も再生したり、

ちょっと凝った集落になると『YAMAHAの7chミキサー』とか使って、

一丁前なミニFM?を繰り広げています。

 

アンテナは、10m位の木に、1/4λのグランドプレーンを載せたもの。

 

そんなFM局が『あちこちにある』のだとかで、

こういうのが『本当のコミュニティ・ラジオだな』と感じます。

 

インドネシアも日本同様に『災害が多い国』です。

 

確かに、日本は国土も狭く、電波利用も超過密。

庶民に、電波をやすやすと開放するなどもってのほか、なのでしょう。

電波監視は厳格ですし、電波法令も厳しい国です。

かといって、たかが10~20Wのプチ放送に、

『何を値打ちこいでんねん』とか思いますわ、ホンマ。

 

そもそもラジオはプロのアナウンサーがするもの・・・が間違い。

 

コミュニティFMが制度化されたのが1992年。

バブルの頃ですね。

そこから先は『失われた30年』です。

 

アナウンサースクールや、タレントスクールを卒業した人が、

タレント事務所に所属して、事務所からコミュFMに派遣されてしゃべる。

そりゃ、人件費がかかって当然です。

 

まだまだアマチュアの域の人がカネをもらってマイクの前でしゃべる。

 

ここにも『無理』が生じています。

また、バブル崩壊後『放送局もリストラの嵐』が吹き荒れ、

放送局退職者の『雇用の受け皿』にコミュFMが担いました。

 

なんか、タクシーの規制緩和に似ているなぁ・・・。

 

結局は、雇用の受け皿と行政や企業のステイタスのために、

ラジオ業界が『規制緩和になった』ということなのでしょう。

しかし、もう『その役割は果たし終えた』と思います。

 

ならば、もう少し維持費が安くなるとか、設立時の設備投資が下がるとか。

 

放送を続けられているコミュFMは『災害時の情報伝達手段』を強調します。

間違ってはいませんが、過去の教訓で総務省は『災害時のFM送信機』を、

自治体からの電話1本で『貸してくれる』ようになったのです。

免許も、ほぼ即日免許で50Wほど出せるというのですよ。

 

平時に経営を無理して続けるのが得策なのか・・・。

 

・災害時には、一時的に力を発揮して価値が上がる

・平時は、日常あり続けなければならない、生業として・・・

 

新築建売一戸建ての家が買えるくらいカネがかかる10W~20Wの放送局。

 

今さらどこが、そんな大金をはたくのでしょうかね。

せいぜい、クラウドファンディングで100万円集めて、

関係者は『別の生業を持って、生計を立てて参加する』。

 

こういうのが、ホンマのコミュニティ・ラジオやと、私は思いますわ。

 

とはいえ、あまり参入障壁をなくすと、

日本を震え上がらせた『オウム真理教放送』みたいなのも出てくるでしょうし。

 

たぶん、既存のコミュFMは『閉局ラッシュ』になりそうに感じています。

 

毎度おおきに。ほんじゃーね!!

 

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