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★人民元気♪【時事解説】

中国は、あんなに大きい国なのになんで中国というのか・・・?。アメリカはパン食やけど『米国』というやないか。今、世界で一番元気な国『中国』と、外圧で駆け引きを進めるアメリカのお話です。


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人民元の切り上げ
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アメリ財務省は17日『為替政策に関する報告書』
を議会に提出しました。この報告書は、年に2回提出
することになっているのですが、今回は『中国の為替
政策が大きく歪んでいる』と批判がありました。




人民元の変動幅を直ちに拡大するように




アメリカは、中国がこれに応じなかった場合は、半年
後の『為替政策に関する報告書』で中国を『為替操縦
国』に認定し『強行措置も辞さない』構えです。




早く言えば『半年以内に人民元の切り上げをしなさい』
と警告したということ




人民元は事実上『ドルとレートが固定されている』わ
けですよね。まぁ実態よりは安くなっていて対米輸出
が伸びやすい環境にあります。




これを『早く是正すべきだ』という考え方なんですね




これに対する中国政府は・・・当然応じるつもりなど
さらさらなく、温家宝首相は『我々の態度は明確で、
問題は条件がどれくらい整っているかということ。切
り上げは我々が判断すること。外圧には決して屈しな
い』ということを表現しています。




中国もあるていどわかっている




中国としても、ドル:人民元の為替レートが固定され
ているという制度が、中国にとって決してプラスでは
ないという面がすでに現れてきている・・・というこ
とを認識しています。輸出が急に伸びるということは




お金が中国国内にダブついてきている




現状は、固定相場を守るために『為替介入』していま
すから、そのまた資金が中国国内にダブついています。
すると『不動産投資』などに回りますよね。今、ビル
とか住宅が『いわゆるバブル』になっているんです。




急騰しているわけだ




2004年10月には、中国の中央銀行である『中国
人民銀行』が9年ぶりに『貸出金利』を引き上げて、
『引き締め政策に転じた』と伝えられていますが、人
民元の切り上げ政策は『今後の選択肢のひとつ』とし
て残してあるということなのでしょう。




レートの固定化継続は中国にとってもマイナス・・・




人民元の切り上げは中国としてもある程度想定してい
るのでしょう。問題は『中国国内対策の準備が整うか
どうか』・・・これしかないですね。




今度は中国企業がどうか・・・




中国の多くの企業、特に『国営企業』が『為替変動に
耐えられる企業体質かどうか』『銀行の体力がどうか』
『それに伴う金融政策はどうなのか・・・』などが問
題になってきているんですねぇ。




ある程度、準備は進んでいるだろうが・・・




この中国バブルの中で『銀行の不良債権が増えた』と
いう情報もあり、この辺をどう判断するか不透明なの
で難しいところですね。




さらに形式的だが上海や香港では・・・



5月18日に『上海外貨取引センター』が店開きをし
外為同士で取引を行うところもできました。また同日
香港では『小幅ではあるが香港ドルの変動を認める』
という『目標相場圏制度』(ターゲットゾーン)が発
足しました。一連の動きを見ると・・・・・・・・・




為替自由化の準備のひとつなのかな?




まぁ、一気に中国全体で為替自由化をすると混乱する
でしょうから香港で実験をしているのでしょう。




気になる『日本への影響』はどうなんだろう・・・?




日本の景気は外需に支えられていますよね。中国向け
輸出は、日本の景気回復に大きな柱になっていますか
ら、今回出された『人民元切り上げ』で、中国景気に
よって『それなりの影響が出てくる』んでしょうね。




日本から中国に進出している企業は・・・?




当然ながら『輸出採算』が悪くなります。人件費や、
ビルや事務所などの賃貸料が上がってきますから、コ
ストと輸出採算の『両方に挟まれる』ことになります。




経営的に厳しくなるところが出てくるでしょう




反日デモの時に『チャイナリスク』と言われましたけ
れど、人民元の問題も『大変大きなチャイナリスク
のひとつだろうと思いますね。それを日本企業はどう
乗り越えていくか・・・が今後の課題かも知れません。
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谷口集客技術研究所・谷口肇司(Taniguchi-Tadashi)
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