日本アマチュア無線連盟会員の70%が70歳以上の『高齢者』だ。現在、毎月1,000局ずつ自然減しているのが、アマチュア無線の現状で『年間12,000局減』である。さらに、70歳以上の高齢者が多くを占める以上『今後10年間で、ハム人口は50%減』という試算もある。現在400千局を割り込んでいるのだから、10年後には200千局を割り込むのは必至だ。しかし、海外に目を向ければ、新興国をはじめ『まだまだ増加の国』もあり、デジタルモードが普及している昨今、国内向け運用から海外向けへシフトしておくのは賢明だと考えている。当たり前だが、70歳以上の人は10年後は生きていれば80歳代。アマチュア無線どころか、介護の世話になっている人が相当数見込まれる。今は、電信も堪能であっても老いには勝てず『思ったように符号が打てない』ことも容易に想像がつく。私は『あなた方の人生の思い出作りに付き合うほどのヒマ人ではない』のである。
【写真:Club Logでチェックが入ったDXペディション局(3D2CR)】
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◆自分の遊び方を持つということの解説(私見ですよ)
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アマチュア無線が『キングオブホビー(趣味の王様)』と言われて久しい。
私が思うに、アマチュア無線を趣味の王様と思っているのは、
アマチュア無線家の一部の人だけだと感じる。
無線もカネはかかるが、他にもカネのかかる趣味は山ほどある。
例えば車だと何千万円もする高級外車を乗り回す趣味もあれば、
オートバイでも、KAWASAKIのZシリーズなどは年収くらい吹っ飛ぶ。
最近流行りの旧車も、貨物トラックですら300万円というのをみた。
また、音楽の分野だと・・・
受注生産のグランドピアノで何百万円は普通で、上を見たら天井知らずだ。
ビンテージもののバイオリンは何億もするのがある。
エレクトーン(電子オルガン)の高級機は1百万円級。
アマチュア無線がキングオブホビーなんて『おこがましい』にもほどがある。
まぁ、そんなことはどうでもいいとして。
せっかく始めたアマチュア無線を長続きさせるには、
いつも言っている『自分なりの遊び方をもつこと』なのだが、
これが意外に抽象的でわかりにくい。
そこで大きく3つに分けてみた。
1、アワードを目標に置く(できればDX系)
2、自作、実験を楽しむ(今は、せいぜいアンテナくらいか?)
3、ラグチュー(電信電話ごっこ)
これらを『まんべんなく』かつ『バランスよく』やるのが、一番いい。
しかし、なかなか『バランスよく』というのが難しいらしい。
となれば、どれかに特化しておく方がよさそうである。
私は、アワードを目標に置くのが、いちばんラクだと思う。
それも、できればDX系、国際的なアワードの方が飽きがこない。
代表的なDXCCをはじめ、
eQSLやQRZ.comにも有料会員向けにアワードが用意されている。
また、従来からある『JARL』の紙のアワードもある。
私は、日本の社団局が作っているアワードより、
国際的なアワードを追いかける方が、楽しいと個人的には思っている。
これからのアマチュア無線は『文化的趣味』の要素が強くなる。
今までのような『電気工事士的な職人趣味』は流行らない。
ここでいう『文化的』という区分けは、
学生の『体育会系と文科系』なんてショボイ分け方ではない。
もっと、国際的な相互理解につながる有意義な遊び、という意味だ。
チャットのようなラグチューも楽しいとは思うが、
そういうものは『息抜き』や『暇つぶし』と考えた方がしっくりくる。
ほとんどtweetでラグチューしているのが、何だか微笑ましく思える。
DX系で遊ぶには・・・。
1、情報力
2、事務処理力
3、分析力
ざっと、このような『能力』が求められる。
とはいえ、アマチュアコードにあるように『良き社会人』であれば、
こんなものは『努力目標』ではなく『現代人』なら、
誰もが持ち合わせているスキルじゃないか、と思っている。
QSLカード発行の是否が議論されるが・・・。
私は、アワードをやらない人は、
無理にカード発行などしなくてもいいと考えている。
また、DXCCは従来の紙カードでの申請よりLoTWでのログ照合が主流だ。
本来ならばJARLもLoTWに準拠したログ照合サイトでも作っておけば、
海外からのアワード申請も増えて、申請料収入も入ってくるのだが、
何を考えているのか、エコ推進の時代にかかわらず、
まだ『紙カード』にこだわって『思考停止』しているのが信じられない。
ログ照合でOKなら、NO-CARD派の局への風当たりも激減する。
私は、『自分なりの遊び方』を探している方、
つまり『アマチュア無線界での自分探し』をしている方には、
ぜひデジタル系(FT8/FT4など)を軸に、
国際的なアワードを『目標』にされればいいのじゃないかと思っている。
電波伝搬の不思議も追求でき『アマチュア無線の目的』を追える。
ラグチューも楽しいが、所詮は『電信電話ごっこ』(旧電話局ごっこ)だ。
確かに電信(モールス)でラグチュー(雑談、チャット)も楽しいだろう。
とはいえ、これをやろうとしたら欧文では限度がある。
なぜなら、母語ではない英語で日本人がチャットを楽しむスキルは乏しい。
となれば『和文電信』に傾倒していくことが『必須』となり、
せっかく、HFでDXのパスが開いている時間帯にもかかわらず、
和文愛好家が夕食後に出てくる時間帯を、
国内しか通じない『暗号電文』に振り回される。
DXのパスが開く時間帯に、近隣のロールコールに時間を取られる。
ここで気づけば『ロールコールに出る頻度』も調整可能なのだが、
多くの和文愛好家は、
ほぼ毎日開催されるロールコールを追いかける羽目に。
こうなれば『無線する=ロールコールに出る』になってしまう。
多くの局を、この45年間見てきたが、
ラグチュー主体で残る局は5%程度で、95%は5~10年で自然廃局。
電信をやっている局は、長続きするとかいうが、
そもそも、今の時代『電信は、もうレガシーモード』になった。
さらに、やっている人の70%が70歳以上の高齢者で、
ほとんど『祭りの保存会』と同じ状態である。
アマチュアは『良き社会人』だったのが『年金受給者』である。
私の主張は『あなた方の人生の思い出作りに付き合うヒマ人ではない』だ。
これくらい、ビシっと言わないと、
今のジジババは、はっと気づかないだろう。
長続きさせるならば、DX系アワードにチャレンジするに限る。
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