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●コスパのいい「3アマ的運用」のススメ。

1級アマチュア無線技士の合格発表が目白押しである。ひとまず、合格者には『おめでとうございます。今後の益々のご活躍を祈念します』を贈りたい。さて、1級だろうが何級だろうが『机上と現場は違う』を念押ししたい。また、昨今、法制度が変わり、講習会(e-ラーニング)で2級も『買える』ようになった。しかし、私が知る限り『そんな運用、3級以下やんか』と思うコトが多いのは、なぜだろう。

【写真:3級は、小回りの利く使い勝手がいい原付二種みたいなもん】
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◆要は『きちんと3級を堪能していないから』だと思う。
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アマチュア無線をやっている人の中では『1級は憧れで別格』らしい。

 

そんなことを意識したことは、ほとんどなく、

むしろ『3級者が一番多い「ボリュームゾーン」』を、

無線業界は『ないがしろ』にし『上級の通過点』にしか見ていないのが、

私は『嘆かわしい』と感じる。

 

3級での制限は『10・14MHz帯は除外』『50WがMAX』だけ。

 

極論だが、上級を取らさないと『上位機種が売れにくい』といった、

無線業界の事情や、

講習会制度をやっている『天下り団体』が儲からないだけ。

 

また、1・2級者が、大した腕もないクセに、3級者をバカにする傾向が強い。

 

私は、最近『4級の国家試験の模擬テスト』をWeb上でやってみたが、

案外、難しく『未経験の白地から4級国試を受けて合格する人』を尊敬する。

そもそも、電話級という制度の頃『これだけで、けっこう遊べた』のだ。

今や、4級という名に変わった電話級資格を持っていたら・・・。

 

12千円ほど出して3級資格を講習会で買い足せば安価で中級者になれる。

 

よく、オートバイの免許に例えるのだが・・・。

 

・1級:大型二輪:排気量の限定無し(大型バイク、限定解除免許)

・2級:中型二輪:排気量400ccまで。高速道路通行可

・3級:小型二輪:排気量125ccまで。高速不可。幹線道路本線走行可

・4級:原付免許:排気量50cc未満。幹線道路は側道。二段階右折。30km/hまで

 

かといって、例えば『中型二輪免許』を持っているからって、

必ず、400ccやら250ccに、みんな乗っているかといえば、そうでもない。

むしろ、通勤の足、ちょっと遠出・・・いろいろ使い勝手のいい、

125ccが、オートバイ業界の『主力商品』になっている。

昨今の小型二輪は、新車で30~40万円もするのがあるし、

中型二輪や大型二輪に乗っている人に『マウント』を取られることもない。

 

これが『一般常識』というか『正常な金銭感覚』だと思う。

 

写真の分野でも、『カメラ』を例に取ってみよう。

 

デジタル一眼レフニコンとか、キャノンとか・・・)

・ミラーレス・デジタル一眼レフ

・コンパクトデジカメ系・ネオ一眼レフ、

スマホガラホガラケーのカメラ機能

 

一番、多用されているのは『スマホ』ではないか・・・?

 

デジタル一眼を持っている人も、

普段使いで『スマホ写真』を撮るし、

かといって、スマホしかカメラをもっていない人をバカにするだろうか?。

 

私は、一眼やミラーレスより『安価』な『ネオ一眼』を買った。

 

・絞り優先機能

・シャッター速度優先機能

 

この2つが選択できれば、普及型ネオ一眼でも、

下手くそな、一眼レフに負けずと劣らずだ。

まぁ、写真界は、無線界同様に『写真を語らずカメラを語る人が多い』が。

 

要は『使い倒せるか』(一般的表現だと「使いこなせるか」だろう)だ。

 

アマチュア無線界は、どうも『ここらの感覚が、おかしい(狂っている)』。

 

1級持ちでも、アンテナの実践に関しては『3・4級以下』も多々いる。

とにかく、パワーを突っ込んで『力技』でやっている。

遊び方を身につけるにしても『年寄りばかり』だから、

年寄りに『新しい遊びを考えろ、身につけろ』と言っても、まぁ無理だ。

 

さらに『自己顕示欲』が強く『集団心理』と『競争原理』が働く。

 

多少は、自己鍛錬でいいとは思うのだが、

ろくに3級的な運用を『やり倒す』こともなく、

とにかく『2級以上、14MHz・200Wで平均点』を狙うだけ。

 

こんなことをやっても、だいたい200エンティティで頭打ち。

 

そもそも『DXCCだけがアマチュア無線』みたいな風潮がいけない。

また、先に上級を取った者が、後輩に教えるのも、

『出られない周波数がなくなる』とか、

私らからみたら『それで、ホンマモンのアマチュア無線が楽しめるというのか?』と疑問がわく。

 

・3級の最大出力は、50W

・2級の最大出力は、200Wの固定局(移動局は50W)

 

dB換算すれば『たった6dB(4倍)』である。

 

50Wで、相手に届く電波が『56』としたら『59+ちょい』の違い。

こんなもの、コンディション次第で『どうにでもなる』のだ。

先ほど『自己顕示欲』と書いたが、

そこに『ご褒美思考』が入って、

上級を取らせて上位機種を売りたいという、

無線業界の『思惑』がある。

 

かつて団塊世代の大量退職の頃『退職金目当て』の商売が流行った。

 

40年も働いてきたのだから、

退職金の10%を『自分へのご褒美にくれ』と配偶者に懇願した人が多い。

大手企業退職者なら、2~3,000万円程度の退職金が支給され、

その10%である『200~300万円』を無線につぎ込んだ人を多く見た。

また、その際に『上位機種を売るために上級資格を取りやすくした』。

 

もう、小泉内閣時代の『タクシー自由化、規制緩和』がスライドしている。

 

規制緩和すると、だいたい『ろくなことが起きない』ものだ。

退職組の多くが『無線再開組』で『40年以上、ブランクがある』。

あたりまえだが、思考は停止し、記憶は40年前で止まったまま。

そこに加えて、年齢だけ重ねているから、偉そうにできる。

会社時代の『部長』のまま、無線界に戻ってきたのがやたら多い。

 

無線は『自己顕示欲』より『自己啓発』の分野だ。

 

60歳を過ぎて『趣味』を持つのは素晴らしい。

だが、そこに『生涯学習』という思考が入らないと、

カネの力で『えっへん、わしは偉い』とか勘違いを起こす。

偉そうにするためには『せめて2級くらい』と講習会で上位資格を買う。

 

こういう人が、ものすごく増えたからこそ『3級頑張れ!』と思うのだ。

 

言った手前、私は『3級的運用』に注力している。

あたりまえだが、10・14は、指定事項から外したが、困ることも全くない。

乗っているバイクも、125ccどころか『50cc』だ。

通勤特急と呼んでいるが、通勤経路のほとんどが30km制限だから、

50ccで『十分』なのだ。当たり前だが、燃費は125ccより格段にいい。

 

3級的運用は、多少のハンデキャップはある。

 

だからこそ『知恵を絞り、工夫をこらす』。

 

・自分のあるべき姿(理想)

・現状の姿

・これらのギャップを埋めるべく『戦略』を立てる。

・企業活動同様『グランドデザインを描く』

・ブレインを見つける

 

こんな小さなアンテナでも、50Wあれば『半径10,000km』をカバーする。

半径10,000km圏内に、国や地域(エンティティ)は100以上あるのだ。

さらに、地球を座標軸で分割した『グリッドロケーター』は、ほぼ無数。

海外に飛ばない時季もあるが、そのときは『国内』のシフトする。

国内の市郡区の総数×出られるバンド(周波数帯)で積み上げる、

オールジャパンアワード(AJA)などを埋めていくのも楽しい。

 

いかがだろうか。上級のパワー競争で思考停止より、私はこの方が楽しい。

 

メーカーや販売店は『売らんがために新商品を出す』のは当然。

だが、そこに、くだらない自己顕示欲や他人への見栄など不要だ。

また、ご褒美思考も『ほどほど』にすべきだろう。

大人の趣味なのだから、お財布事情ともよく相談して知恵と工夫で・・・。

 

・上級だけが、進歩的・・・ではない

・パワーだけが、アマチュア無線ではない

DXCCだけが、アマチュア無線ではない

 

ストレスが少なく、コスパに優れているのは、やはり3級あたりと私は思う。

 

アマチュア無線は『気まぐれ太陽』に振り回される『自然相手の遊び』だ。

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