●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●上級者増が無線産業を救うのか?

高学歴ニートが増え、難しい司法試験に合格し、しょーもない過払い金訴訟を集める弁護士業界みたいな、上級王国『JA』は、これでいいのだろうか。高学歴ハケンも多い昨今、無線界も似たような印象がぬぐい切れない。

【写真:ニーズの少ない『1・2・3級』が、市場になるのだろうか】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
マーケティングの視点が欠落した無線産業
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

上級資格者を増やさないと『上位機種が売れない無線産業』。

しかし、KENWOODを筆頭に『上位機種撤退』が目立ってきた。

これは、アマチュア無線離れとは『別の土俵』だと考えている。

無線業界が発表しているように、

無線をやる人は『微増傾向』が続いている。

しかし、上位機種の販売数は頭打ちだ。

 

団塊の世代が『大量退職』した頃、

 

『退職金目当て』のビジネスモデルが無線産業をけん引してきた。

大手企業の退職者だと、20~30百万円の退職金に加え、

企業年金なども見込め、

サンデー毎日アマチュア無線カムバック』が『急増』した背景がある。

 

小泉政権下のタクシー規制緩和(自由化)で、

 大量の客待ちタクシーが、町に溢れかえった。(北新地)

 これも、団塊世代の『年金までの所得確保対策』だった・・。

 おおかたの『規制緩和』は『愚策』と『歴史が証明』している。

 たいてい『ろくなことがない』上に、いろんな『ツケ』を残すのだ。

 

全員が全退職者が、20~30百万円の退職金を手にしたわけではないものの、

相当数の退職金が『カムバック組』に入ったとみている。

概ね、退職金の『10%』が『無線産業』に流れ込んだ。

夫は『生涯の楽しみに、退職金の1割をくれ』と、配偶者に頼み、

妻は『しゃあないな。お父さん、40年も頑張ったし』と、

世の奥様が『お許し』を出したのを多く見た。

 

KENWOODのTS-990Sを例に取ると・・・。

 

無線機代が836千円である。

このクラスの高級機を使うとなれば、

『無線機の2倍』をアンテナにかける・・・というのが『定番』であり、

『それくらい突っ込まないと楽しめない』といった『暗示』もかかる。

また、それくらい『初期投資』をしないと、

実際に、バンバンDXをやるには『必要経費』なのだ。

よって、アンテナ系にも多くの予算が投入されたのである。

 

・無線機:800千円

・空中線:1,600千円

・その他:600千円・・・この合計が3百万円

 

ビッグガンと呼ばれるカムバックDXerの投入額は、

概ね『こんなもん』である。

その他には、上級資格取得費用、

リニアアンプ等の付加装置なども計上した。

 

今や、サンデー毎日のビッグガンも『年金』が唯一の収入源である。

 

さらに、投資するとしたとて、

FT8に使うPC等の付加装置への拡充に費用が回り、

無線産業にはカネが落ちにくくなっているのが現実だ。

 

相変わらず『e-ラーニングで二アマを』が広告を躍らせている。

 

こんなものは、ニューカマー局が『一気に4級、3級、2級』と、

『勢い』があるうちに取得させないと、

時間が経てば『もう、いいや』で投げ出してしまうものだ。

 

かといって、今の上級資格取得者の多くは・・・

 

『現役世代』に『シフト』している。

当たり前だが、生活費を稼ぐために働き、

その中から『無線機を買うカネ』を『ひねり出している』のが、

現実ではあるまいか。

 

現役世代には『賞与』のほかに『一時金』が入る見込みは、ほぼ皆無だ。

 

さらに、賞与にしても『先細り』で、

コロナ禍等で『見通し』も立たない。

そんな折に『上位機種の高級機』が売れる見込みも立たない。

KENWOODの判断は『正しかった』と言わざるを得ない。

そうでもしないと『株主が黙っていない』のは火を見るよりも明らかだ。

 

さらに、現役世代は・・・

 

・住宅費

・教育費

・生命保険

・自動車関連費

・貯蓄等

 

5大支出が、常に家計を圧迫している。

 

現在、HF機の売れ筋は『IC-7300』に落ち着いている。

実勢価格は150千円を切っている。

仮に『RIGの2倍をアンテナ代にかける』としたとて300千円。

付帯費用等を含めても『最大500千円程度』である。

団塊の世代がカムバックした『1局3百万円市場』と比較すれば、

1/6にシュリンクしているのだ。

 

過小評価かも知れないが・・・

 

IC-705やIC-9700を付加したとて、

アンテナ等を含めても、加算総額1百万円にもならんや。

これでも『1/3市場』にシュリンクしてしまっているのが現実であろう。

 

資格発行別等級では・・・

 

『4級者が3百万人超え』で最大だが、

この中に1・2・3級者も『入門時に取得した終身資格』として含まれている。

さらに、おおかたの4級者は、

『ほとんどが無線をやめて、ケータイにシフトしている』のが実情だ。

 

一番のボリュームゾーンは『3級資格者』だ。

 

この中にも『1・2級者』が含まれているが、

そもそも上級者が11万人程度であるから、

純粋な3級者も『ほぼ同数』の11万人程度と見ている。

※3級有資格者は約25万人

 

3級者に『ハッパ』を掛けて『上位資格を取れ』と言ったところで、

『無線にかけられる総額』は、

かつてのサンデー毎日のカムバック組よりは『少ない』のである。

無線産業界は『どう見ている』のだろうか。

 

まずは『300~500千円』を『天井』に考えマーケティングをすべきだ。

さらに、新規参入が『ほとんど見込めない無線界』だ。

加えて、5~8年後、つまり次のサイクルボトム期に、

サンデー毎日の局が廃局(介護やSKなど)し、

今、頑張っている局も、

『飽きたりして、2回目3回目の局免更新』をやらないのが見えている。

 

無線産業界は『我々に遊び道具を売っている』のだから・・・

 

我々に対し『遊び方』を教えるべきだ。

それには『販売側自身も「遊び」で「学ぶ」努力が不可欠なのだが、

ほとんどが「仕事と遊びは別」と割り切っている』。

この状態だから、個人局が行っているYoutube等のネット情報に、

頼らざるを得ないのが情けない。

 

無線産業界は、

顧客が『どうやったら飽きないか。その工夫の仕方』を伝えるのが、

必至で責務だ。

 

その窓口は・・・

 

1,販売店

2,メーカー

3,業界団体

4,JARL などがやるべきだが、

 

残念ながら『ほとんど、その動きが伝わってこない』のだ。

 

今、初期投資の限界が500千円としても、

『飽きさせない工夫』があれば『継続しておカネを使ってくれる』。

毎年、100千円ずつであっても、

10年続けば1百万円と初期投資の500千円を加えて、

合計1.5百万円は使ってくれる計算になる。

あくまでも『計算上の話し』だが。

それでもカムバック組の半額だ。

 

関ハムに連日通ってみたが、

業界団体自体が『自信喪失』している。

破産するまでカネを遣わせることは不要だが、

もう少し『ヒネれよな』と、多く感じた。

 

私らが、

ニューカマー局に『HF、DX、FT8、CW、AWARD・・・』と奨めているのは、

『飽きない工夫の一助になれば』という思いからだ。

アマチュア無線のおmしろさの本質は、

『HFの「自然相手の遊び」』に真骨頂があると、

『経験値』から言っているだけである。決して押し付けではない。

 

どうあれ、高級機撤退、ハンディ機も撤退と、先行きは『暗い』。

 

そこに『個人の趣味だから』の思考停止が加わって、

さらに業界も粗利が稼げないから撤退が続く。

これは、需給双方に『原因』がある。

 

特に供給側の怠慢には『大きな責任』があると、私は思っている。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※記事は、表現と言論の自由に則ったエッセイで、
 公人を除き、登場する個人・団体名は全て架空のものです。
※時事問題については、筆者個人の考えです。
※無断でSNSなどの他サイトへリンクはご遠慮ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright:(C)2022 Ota-Tadashi All Rights Reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※下記の広告は本記事とは無関係です。