●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●組立屋、配線屋、そして『運用屋』。

アマチュア無線の『かつて』は『電気の趣味』の要素が大きかった。初歩のラジオラジオの製作での記事は『実体配線図』が描かれ、回路図を読んで『回路を理解しないとアマチュアじゃない』、『実体図を卒業しよう』がCQ hamradio誌の『スタンス』だった。しかし、今や一部の製作記事を除いて『運用』主体に変化している。もう『組立』も『配線』もできないアマチュアが多く、私も『その1人』だ。かといって『悲観』する必要はない。そもそも、今の無線機は素人がフタを開けるだけでも一苦労だし、開けて見たところで『何がどうなっているやら、さっぱりわからない』。私は『運用屋でいい』と思っているし『では、その運用を充実させた方が長続きする時代に入った』と考えている。電気の要素もあるに越したことはないが、むしろログ管理やデータベースの構築、その活用に重点を置いて運用している『運用屋』だ。

【写真:シーズンオフと言っている方、一度、15mBのFT8を覗いてみて!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆4級・3級の『運用屋』で十分遊べますが、長続きは別問題。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

運用屋といえど、できれば、アンテナくらいは自作できるようにしたい。

 

右は、何度も掲載している21MHz帯用・フルサイズの垂直バーチカル。

廃材を使った『1本ラジアルのGP(ガラクタ・ポンコツ)アンテナ』。

こんなものでも、シーズンオフといわれる12月にもかかわらず、

グレイの時間帯はEUが普通に入ってくるし、交信も成立している。

AFやSAも『ひょこっと入ってくる』し、たいてい交信成立。

どこがシーズンオフなのですかい・・・。

 

かといって、私がやっているのは『アンテナの組立、配線』と『運用』。

 

ここまでなら『要領』がつかめれば『誰でもできる』もの。

しかし『こんな単純なこと』を『長続き』させるには、

運用そのものも大事だが『その後のフォロー』。

 

好き嫌いはともかく『ハムログ』を使って『データベース』を構築。

 

交信データは『ADIF』を生成し、

LoTW、e-QSL、QRZ.com、clublog等にアップロードする。

ここまでが『Wkd』の作業。

 

相手局から、LoTWがアップされていたり、e-QSLが届いていたら。

 

自身のハムログの記録と照合し『合致』すれば『Cfm』ということになる。

つまり『Wkd &Cfm』の一連の流れは『ワンセット』。

ここから、どんなAWARDに近づいているかのチェックや、

あるいは『どこが不足しているのか』の『自己分析』等々。

 

私たちのグループでは『文化的趣味の要素』と呼んでいる。

 

アンテナの自作に関しては『既製品がない』だけの話しで、

HFハイバンドに関しては『できればフルサイズでやりたい』と思っていた。

たまたま入手できた『ファイバーポール』と『基礎の台』が、

うまくフィットしたので、ファイバーポールに電線を沿わせて、

 

フルサイズで1本ラジアルのGPを作り、今に至っている。

 

この原点は、かつて私が講師を務めた、

144MHz帯のアローライン風アンテナ製作勉強会や、

それを模した430MHz帯のλ/4・GPの製作勉強会だった。

430MHz帯のGPは、机上でも工作がしやすくオススメだ。

 

極論だが、λ/4のスリーブアンテナでもいい。

 

ブログには『こまかいノーハウは書かない方針』なので、

詳細を知りたい人は、ご自身で調べてほしい。

少しヒントを出すなら『5D-FB』が50cmほどあったら、

先っぽの方を180mmほど外被ごと『剥いて』やると、

アンテナのホット側の完成である。

 

ラジアルは、クーラーの配線とかで使う硬い銅の電線(単線)を用いる。

 

こいつも180mmにカットして、同軸の外被に半田付けしたらおしまい。

半田がノリやすいように、200mmほどにカットして、

先端20mmほど金づちで叩いて『平ら』にして外被に半田付けがラク

 

1本ラジアルでもいいし、3~4本のラジアルにしてやるのもOK.

ホット側とGND側の『角度調整』で『ある程度、VSWRが追い込める』。

 

RIGのメーターに付いている『VSWRメーター』で、十分に調整が取れる。

どこにVSWRのボトム(谷)があるか、

ボトム(谷)が自身の使いたい周波数に近いか。

そこを追い込めば、カンタンOKなのだが・・・。

 

たいていは『エレメントを長いめ』にしておくと、カットだけで調整可。

 

神経質に調整したいなら、

同軸の反対側にコネクタを付けて、アナライザーで計れば、

インピーダンスも50Ωに、VSWRもベタ落ちにできるだろう。

 

スリーブアンテナだったら、ラジアルの半田付けも不要だ。

 

外被ごと『剥いて、同軸の外側にひっくり返すだけ』。

200mm~250mmくらい外被を同軸の外側にひっくり返すと、

概ね、180mmくらいのスリーブラジアルのアンテナが完成する。

経験値だが、VSWRは『1:1.7~1:2.0』くらいに収まる。

5Wハンディ機なら、こんなアンテナでも直付けであれRIGに負荷もかからない。

 

机上で、こんな『工作』をやっておくと、HFも『長いだけ。単なる応用』がわかる。

 

もちろん、既製品の方が仕上がりもきれいだし、

なんせ『配線』だけで済む。(配線屋ですな)

いろいろ思慮深くやっていくと『平衡、不平衡』の『理屈』もわかってくる。

部品さえ入手できれば『バラン』も『組立』られるが、

意味合いがわかってないと、やはり『組立屋、配線屋』の域を出ない。

 

まぁ、今の時代、その程度すらできない局も多いから、それでもいい。

 

そもそも、M型コネクタを同軸に半田付けすらできない局も多く、

今さら、組み立ても配線も業者や『得意なOMさん任せ』もいいだろう。

でも、しゃべるだけで楽しいというのも『数年で飽きる』。

 

今や、文化的要素が強い趣味に変化している。

 

なにを『励みに、続けていくのか』が、私は大事だと考える。

 

・局数やエンティティ、JCC、JCG、KUを増やすのか

・交信のプロセスを楽しむのか

・どこまでやって、どこで止めるか(←ここが大事です)

 

430FMによく出ている北摂のアクティブマンが、

クリエイトの『7X720』を上げた。

結構なのだが、八木を上げる前のGPより信号が弱い。

 

カタログ読みでは『7X720』の利得は『22dBi』とある。

 

これをDP比に引き直すと、ー2.15dB。

四捨五入すると、概ね『20dBd』で『10の二乗』の『100倍』。

かつて、アクティブマンが使っていたGPが10dBdとしたら・・・。

 

・以前のGP:50W×10倍(10dBd)=500Wが実効輻射電力

・現在の八木:5W×100倍(20dBd)=500Wが実効輻射電力だが、

 ※指向性の半値角が狭小なためで、サイド切を起こしてしまい、

  その結果、弱くなった実効輻射電力は同じ。わかりますよね?

 

信号が弱くなって『あたりまえ』だが、本人がよければそれでいい。

 

ご本人も、シャープなビームパターンに苦戦しているのを認識されている。

 

60~80千円も出して、

さらに組み立ても配線も他人さまの世話になり、

ご本人は運用に徹した『運用屋』にはなれる。

 

あとは『いかに「資質(運用の質)」を上げていくか』が課題だと思う。

 

アクティブマンは『20エレ八木』を連呼しているが、

正確には『20エレメントのスタック』と言い、

本来なら『スタック幅』も言ってほしいところだが、

今後の課題だろうと感じる。

 

スタック化で『何dB上がるか』を、伝授してみたい。

 

・八木単体で、17dBdとして電力比は50倍

・ワイドスタック化で、3dBd上がるとすると電力比は2倍

・同軸やコネクタロスはさておき、20dBdで50倍×2倍≒100倍

・5W×100倍ならフロント方向に500W、サイドからは少し飛ぶが弱く、切れる

・50W×100倍ならフロント方向に5,000W、サイドからも少し飛ぶ

 

ワイドスタックを組んで『計算通り3dB(つまり2倍)』になればいいが、

なったらなったで、スタックキットの接続やらで何個のコネクタを用い、

そこから個数を掛け算して『ー(マイナス)何dB?』など考えていないはず。

 

給電部のダイポールの形式は・・・?とか、

最近は、ちょっと仲良くなったので、意地悪して聞いてやろうとか思う。

 

QSOを聴いている人の『刺激』や『気づき』になればいい。

 

UHF帯の八木アンテナの給電部(輻射器)の多くが、

なんでフォールデッド・ダイポールになっているか、など、

最近の局は『考えない』どころか『気づいていない』。

Uバランが必要な場合、そうでない場合・・・知らない人が増えた。

そんな塩梅で、スタック化も『位相』なんて意識していない人ばかり。

そこらは、工事を請け負う人がわかっていたら『OK』な時代でもある。

 

だから『F9FT』や『K1FO』のコトを書いても仕方がないと感じる。

 

何を『無線の醍醐味』に位置付けるかは『その人次第』。

少数派で楽しいと思えば、それを続ければいいし、

どうも『もやもや』しているなら、多数派が何をやっているかを、

ちょっとは学んだ方が、私は『いい結果が出る』と考えている。

 

どうせ運用屋しかできない昨今なら『ピカイチ運用』を目指したいものだ。

 

毎度おおきに。ほんじゃーね!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※記事は、表現と言論の自由に則ったエッセイで、
 公人を除き、登場する個人・団体名は全て架空のものです。
※時事問題については、筆者個人の考えです。
SNSなどの他サイトへリンクやリツイートはご遠慮ください。
Twitterにも掲載しますが、コメント合戦はお断りします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright:(C)2022 Ota-Tadashi All Rights Reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※下記の広告は本記事とは無関係です。