●OTA(On The Air)

道楽、世間批評、いろいろと・・・。

●チャンネルチェックの考察。

チャンネルチェックという、アマチュア無線用語はありません。しかし、いつの頃からか、CQ誌の1月号別冊付録『HAM-NOTE BOOK』の『アマチュア無線の交信で使われる専門用語(P177)』に『チャンネルチェック』が『用語』として載ってしまっています。はて、どうしたものかな・・・。

【写真:チャネルとは放送局などに割当てられた周波数を指すのだが】
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◆まぁ、慣用句として『別にいいんじゃないスか』が私のスタンス。
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基本は『チャネル・チェック』など、やらずに、

1,数分間のワッチを経て

2,何も聴こえない、使っていないのを確認して

3,短くCQを出す

これが『原則』です。

 

HFで、チャネル・チェックなどやっていると『JAの恥』をさらします。

 

とはいえ、コンディション変化で、

急に『8エリアと6エリアの交信が聞こえだしたり』ということもあります。

こういう場合、どっちが先に使っていたとかの主張は不毛です。

どっちも同時に使い出したときには、

お互いの電波が届かなかったのが『コンディション変化』で入感するとか、

そういうことは、ままあるもの、ですね。

 

さて、HAM-NOTE BOOKによると・・・。

 

『特にFMモードで、使おうとしている周波数に混信を与えないかどうかを確認するときに送信する言葉』『定義づけ?』られてしまっていますね。

 

まぁ、すでに何年もHAM-NOTE BOOKに掲載されているから定着しているのでしょう。

 

私は『チャネル・チェック』という表現には違和感を持っています。

 

アマチュア無線には、

そもそも『割り当てられたチャネル』という概念がありません。

 

レピーターやISSなどを経由した交信の場合は、

割り当てられた周波数が決まっていますが、

ここにも『チャネル』という概念はありませんね。

 

また、ISSの場合、衛星通過前後で周波数が変化し、

5kHzずつ上げたり下げたりしますから、

チャネルというより『中心周波数がここ』という概念ですね。

 

過去には144MHz帯モノバンドFM機のカタログには、

『144MHz帯・100chPLL・FMトランシーバー』とか、

そういう表現がカタログスペックに掲載されていた時代もありました。

 

あるいは、私が開局した1977年(昭和52年)当時からも、

A局:『チャンネルチェックぅ』

B局:『チャンネルチェックちゃな、アマチュア用語、あらへんぞ!』

こんな感じで罵声が飛び、しましばトラブルになっているのを耳にしました。

 

百歩譲ったら『周波数チェック』なのでしょうね。

 

私はV・UHFでの場合『この周波数、どちらかお使いですか?』だけ言います。

あるいは『どちらかお使いですか?』の場合もあります。

 

法令集のどこにも『チャンネルチェック』は載っていません。

 

CQ雑誌の付録には、用語として定着した

JARLもビギナー向け資料に、載せてしまった

・それが、さらに定着し『免罪符』と化してしまっている

・ということで、チャネル・チェックが『市民権?』を得てしまった

 

繰り返しますが、原則は『よくワッチ』して、だけです。

しかし、よくワッチ・・・できない場合もあります。

 

例えば、A局を呼出周波数で呼び、

応答があった際『サブ、見てきます』『メイン待機!』といったやりとり。

この場合、何分間も『ワッチ』して・・・というのは現実的ではありません。

 

A局は、サブ周波数指定を待っています。

 

こういうとき『チャンネルチェック』という慣用句で、

使用・不使用を見極めるのは『意外と便利な言葉だな』と思っています。

とはいえ、アマチュア無線に『チャネル』という概念はありませんから、

せいぜい『周波数チェック』あるいは、

『どちらかお使いですか?』程度でしょう。

 

慇懃無礼な『チャンネルチェック』を例に挙げておきましょう。

 

『チャンネルチェックぅ~、こちらは、JA3〇〇〇、この周波数どちらかお使いでしょうか?、混信、被り込み等、与えていませんでしょうか?、チャンネルチェックぅ~』という事例。

 

どこがの局が使っていれば『イライラ』しますね。

 

ばか丁寧にやりゃいいってもんじゃあ、ありません。

手短に『チャネルチェック』くらいなら、いいと思っています。

私は『どちらかお使いですか?』が、ちょうどいい塩梅かなと感じています。

 

とはいえ、法で定められたやり方ではありませんから、

どの言い回しでも『トラブルの原因になりうる』ことを、

頭の片隅にでも『含んでおく方がいい』ですね。

 

・チャンネルチェック

・周波数チェック

・この周波数、どちらかお使いですか?

・どちらかお使いですか?

 

どれも、法令集には載っていません。つまり法制化されていないのですね。

 

SSBでも『チャンネルチェック!』という局がいますが、

これには『おいおい、どういう割り当てなのですかい?』と、

いっちょかみしたくなります。(しませんけどね)

 

CWでも『QRL』を『周波数チェック代わり』に打つ局もいます(笑)。

 

まぁ、Q符号の使用法としては、

正しいといえば正しいのでしょうけれど・・・。

しばらくワッチして『VVV』を打って、

間をおいて、いきなりCQを出す局も多いです。

 

極論すれば『どれもアマチュア界の「ローカル・ルール」』ですね。

 

法制化されていないから、実際のところ『どうしていいかわからない』。

いつの頃からか『チャンネルチェック』『周波数チェック』という、

非常に便利な慣用句が定着して、今に至る・・・といったところでしょう。

 

考え方としては・・・。

 

例えば、使用中かどうかわからないトイレに入るとしましょう。

いきなりドアを開けてしまい『用足し中だった』という経験はありませんか。

特に、男性用トイレで『小』のときなど、内鍵などしない人も多いです。

ドアが閉まっていたら、普通は『ノック』しますよね。

 

チャンネルチェックは『ノックみたいなもん』と考えています。

 

法制化されていない『チャンネルチェックは間違いだ!』という意見もわかります。

私もチャネルという概念を、

マチュア用語に盛り込むのも違和感があります。

 

かといって、バトルになるまで正当性を通すべき話かどうか。

 

論破して『何かを得た』としても

必ず『何かを失っている』

 

総合通信局に持ち込んだところでノータッチです。

総合通信局の係官の立場なら『法令に沿った模範解答』しか得られません。

アマチュア局の場合、よくワッチして電波を発射しょうが、

チャンネルチェックをして電波を出そうが、トラブルになろうが、

総合通信局の『責任範疇』ではありません。

 

係官からは『運用の中身は資格が担保するのです』という回答しか出ませんね。

 

私が『45年間、チャンネルチェック問題』を眺めている感想は・・・。

 

『結局は、慣用句にすぎないなぁ』

『便宜的に作られたローカル・ルールちゃうんかいな』

『適宜、言い方を考えたら?』くらいです。

 

世の中『白か黒か』では、成り立ちません。

グレイの部分が『おおかた』を占めています。

 

このグレイが、テキトーに慣例で秩序が保たれていれば、

グレイの中でのローカル・ルールで何とかなるものです。

 

これが『警察沙汰になるような大きな事件が頻発』したら、

ひょっとすると、何らかの法制化があるかも知れませんが、

決まりが増えれば増えるほど、

『自分で自分の首を絞める』ことになりかねません。

 

あまり杓子定規に考えると、イヤになってしまいます。

 

何級であれ『所詮は素人の遊び』なのです。

目くじらを立てるほどのことでもありませんし、

自分のやり方で、好きにやればいいと感じます。

 

チャンネルチェック自体が、著しい違法行為なら話は別です。

 

テキトーにグレイの範囲に収まっているのなら、

テキトーにやればいいですし、

法律を著しく破らなければ『何をやってもいい』くらいの寛容なのが、

アマチュア無線の『いいところ』だと思っています。

 

・水清ければ魚棲まず

・清濁併せ吞む

あんまり杓子定規だと『立小便もできなくなり膀胱炎になる』(笑)。

 

そういうことだと、私は考えます。

 

毎度おおきに。ほんじゃーね!


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