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●大阪のタクシー運賃、値上げの考察。

5月2日の報道で『大阪のタクシー運賃値上げ』が伝えられていました。大阪の悪しき習慣『値引き』が、5/5割撤廃で『正常化』すると期待しています。遠方利用のお客さまには、ご負担かけますが『指値(さしね)』はやめてくださいね。

【写真:水揚げも、やりがいも、上がります】
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◆5/5割の月合計は『1日分の水揚げ』が飛んでいたのです。
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5/5割とは『5,000円以上の分は50%割引』というシステムです。

 

つまり、元の運賃ならば『10,000円の仕事』をしたとして、

5,000円を超えた+5,000円が×50%に割引され、

結果的に『5,000円+2,500円=7,500円』しか請求できない制度でした。

 

この制度の背景は・・・。

 

小泉内閣時代のタクシー自由化で

・増えすぎたタクシーの需要を増やすために

・本来ならば、サウナやビジネスホテルに泊まっていたお客さんを

・タクシー需要に取り込むための、大阪ならではの値引き商法、でした。

 

そもそもが『年金が不足する高齢者、とりわけ団塊世代ドライバー』の、

雇用の受け皿として『タクシー業界』が『引き受けた』のです。

 

団塊世代のドライバーの多くが日勤(昼)に変更や退職しています。

 

私の考えですが、

値引きというものは、

本来は、こちらのミス等で、

何かの不手際があれば、

お値引きという形で対応させていただく。

 

そういうものだと思っています。

 

趣味のアマチュア無線界でも『何でもかんでも値引きの販売店』があります。

要は『粗利が減っても売れればいい』という『アホなやり方』で、

自分で自分の首を絞めているのに、わかっていないバカな業者だと感じます。

こういう業者は、アンテナ工事も立ち会わず、

外注業者が給電部を逆さに取り付け、水浸しにしてしまった上に、

顧客が他店に流れてしまったことに気づいていない『たわけもの』です。

 

理由がない値引きは百害あって一利なしです。

 

タクシーなど、そもそもが『一期一会』の『知らない人』のために、

運賃の一部を無条件に値引きして『タダ働きする』のは『間違い』です。

やった仕事には『対価を払うべき』ですし、

商売の基本は『等価交換』です。

 

ここが、関協が牛耳り、右にならえが長すぎた感があります。

 

私は毎月、自分がやった仕事に対し、

いくらタダ働きをさせられたかを帳面に残しています。

この業種に入って、15年ですから、相当な金額を捨てていました。

 

・20千円/月×12か月=240千円/年間が、タダ働き

・240千円×15年=3.6百万円がタダ働き

 

実に『年収相当』を『頂けなかった』のです。

 

まぁ、政府も『円高』を放置し、

デフレ下でしたので『何とかやれた』のですが、

やはり、やった仕事に対しては『きちんと等価交換すべきだ』と、

この15年間、職場での話題でもありました。

 

もっと言えば、15年間に1年分の年収を捨てていたのですから、

そこから控除されて積み立てて、将来に受け取るべき『年金』を捨てていました。

 

こんな状態で、若い乗務員が入ってくるはずもありません。

 

水揚げのために『月間就労時間上限299時間』という『過労死ライン』まで、

体力のある若い人は無理を重ねてしまいます。

私も、この業種で『幾人もの同僚の急死』に直面しました。

何年か前に1日の走行距離の上限も250kmから275kmまで引き上げられましたが、

いくら、労使間で『36協定』を締結していようが、

1日走行距離上限275km、1か月の就労時間の上限299時間は『やりすぎ』。

36協定をいいことに『不当労働行為を強制する不届き者の会社』もあります。

 

今回の値上げに『サービス向上』の文言は入っていませんね。

 

・乗務員の待遇改善

・車両等の設備投資

・高騰する燃料費等への価格転嫁

 

あたりまえだと思います。

 

サービス向上に関しては、愛想でもいいから『言うべきだ』とは思いますが、

そもそも『いろんなタイプの乗務員がいる』上に、

諸外国と比較して『日本のタクシーサービスは上級』だと感じます。

 

だから、そんなに媚びへつらう必要はないと、私は思っています。

 

さらに、団塊世代のドライバーが大量退職期に入り、

コロナ禍が明けたと思ったら、

思わぬタクシー不足に直面される方も多いでしょう。

バブル期でもないのに、週末の歓楽街はタクシーの『奪い合いバトル』です。

 

・初乗運賃:600円(1.3kmまで)

・爾後運賃:100円(260mごと)

・待機運賃:100円(95秒ごと)

・割引対象:9,000円を超えた分は、10%割引

 

ほとんどのタクシー会社が、この運賃を採用する予定です。

 

また、タクシー不足解消のために?、

維新が『ライドシェア認可』を言い出すのは『火を見るよりも明らか』です。

まぁ、どうなるやらわかりませんが。

 

確実に言えるのは『5月31日から「新運賃になる」』ということです。

 

私らは『普通に仕事をしていたら、有休が1日増える』と感じています。

また、今後はコロナ融資の返済猶予が終わり『倒産ラッシュ』も予測しています。

企業倒産が増えれば、失業者が増えるのは当然です。

今までは『年寄りドライバーの雇用救済』でしたが、

今後は『若い人の雇用対策』でもあります。

 

若いドライバーが、普通に仕事をして食べていけるようになればいいと感じます。

 

特に、大阪のタクシーは『5/5割』の責で、

多くの会社が『東京で50万kmほど走った中古車』を安く買って、

黒塗りに、し直して『さらに50万kmほど走る』というポンコツだらけ。

これで『安全を担保する』のは、大変でした。

まぁ、それだけ『日本の車は長持ちして優秀』の証明でもありましたが、

実際には、裏方で支えてくれている整備士さんも優秀だということです。

 

必要な方にご利用頂ける『正常化』に、諸事情をご理解くださいね。

 

この値上げが『高い』と思う方は、

タクシー以外の方法を、ご検討ください。

私は、世の中には『高いものはない』と考えています。

それぞれの『価値観の問題だ』と思っています。

 

毎度おおきに。ほんじゃーね!!

 

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